出張も子育ても、私の原動力。高橋みづきさんのヨガの広げ方、働き方 #私たちの自由な選択
デジタルネイティブ時代の自分を大切にする生き方を考えるインタビュー企画 #私たちの自由な選択 。連載全体で若者の「自由な選択」を応援しています。 今回は愛知県・春日井市を拠点に「人生をやさしく動かす」ヨガ講師、高橋みづきさん(31歳)とコミュニティを育む活動にせまります。
20代の頃に感じた「やりたいことが見つからない」の苦しさ
高橋みづきさん:愛知県の春日井市を拠点にヨガを教えています。私は幼少期から、家族の介護、リハビリの様子を身近に見てきました。特に、叔母がヨガで回復する様子には、家族ごとながらその様には勇気づけられました。ヨガの資格取得後、カイロプラクターの佐尾山先生に師弟入りし、今もカイロプラクティックの勉強を続けながらヨガを届けています
――ヨガを伝え始めるまでに7年かかったと聞いていますが、前職ではどんな経験がありましたか?
高橋みづきさん:ヨガと出会う前に、20代で土木建設業の生産性向上や業務効率をはかるソフトウェアを開発している会社に勤務していました。総務部を経験した後、「電話対応の声、取引先からも評判がいいよ!」と評価していただいて、電話でサポートを行う部署に異動しました。
――みづきさんのやさしく教える声は会社でも評価されていたのですね。
高橋みづきさん:新卒で就職した先が理念や人を大切にしている企業で、今でも働けてよかった、素敵な出会いがあってよかったと思えるほど、人間関係のつらさはない、恵まれた会社員生活でした。
けれども、23歳か24歳の頃はやりたいことが見つからない苦しさでいっぱいだったんです。
山ほどの自己啓発を読んでいましたが、私には何もビジョンがなくて。「何をしたいのか」「どうなっていきたいのか」と聞かれても答えられない自分に絶望していました。会社と家を往復するだけで、真っ暗なトンネルをただ走っているような、しあわせが枯渇していく感覚でした。
――今、いつも満面の笑顔のみづきさんですが、そのような経験があったのですね。ヨガを始めて人に伝えるまでになり、YouTubeに銘打った「人生をやさしく動かすヨガ」というオリジナルの伝え方には、どのように行き着いたのでしょうか。
高橋みづきさん:自分がない状態だった当時の私は、周囲を動かそうともしなかったんです。たとえば、ヨガの資格を取りたいと思ってからも、会社に休みを申請したり、ヨガのクラスを受けたりすることも選択しなかった。結局、最後は本人が動いていく必要があるから、私ができることは、変えることじゃなくて、その方が動けるように促すこと。強く押すのではなくて、そよ風みたいに追い風になる役割を担いたいなと思い、こうした伝え方にしました。
ヨガを仕事にすると決めてからは一気に仕事が軌道に乗り始めたのですが、今度はプライベートの方でうまくいかなくなり、当時のパートナーを置いてひとりで突き進む形になってしまいました。
学生時代から運動をずっとしてきたこともあり、やりたいと思ったら、努力をして突き進む力は元々ある方だと思いますが、ひとりで仕事にひた走っていると、一緒に取り組む人を時に傷つけてしまうこともあると、今も常に自分にリマインドしています。
「声がいいね」のひとことからYouTubeを継続。 あらゆるクラスで「いってらっしゃい」とやさしい声かけを
――教える活動の中でも、YouTubeの発信は、みづきさんの一つの軸ですね。頻度高く安定してヨガコンテンツをアップされていますが、そのきっかけや裏側を聴かせてください。
高橋みづきさん:実はYouTube(他のコンテンツ)を見る方ではないので、自分が始めた年もうろ覚えで…(手元のスマホで見て)遡ってみると2023年から始めていました。新米ヨガ講師を応援する写真家の方に「あなたは声が魅力だから、YouTubeや動画の発信をもっと頑張るべきだ」と言われ、今に至ります。
また、気づいて褒めてくださる方もいらっしゃるのですが、「おつかれさま」「いってらっしゃい」といった私の挨拶は、オンラインでのクラスでも、欠かさず大切にしていることです。
――基本的なことですが、どんな人も出来るわけではない大切なことですね。動画は視聴して、実践すると「不調が改善された」といったわかりやすい効果を得てもらう流れが一般的だと思うのですが、みづきさんがサムネイルで強調していることはバラエティがありますね。
高橋みづきさん:お気づきいただき、ありがとうございます。日々ヨガをしたい人にとって動画を選ぶ時に決め手となるサムネイルは重要だと思います。(動画を)選んで欲しい側は、それぞれデザインに工夫されていると思います。
「がんばらない練習」のようにゆるく伝えるデザインも気に入っていましたが、最近は「疲労回復」などくっきり機能を押し出すデザインも試して、少しずつ変化させながら双方を大事にしています。
――当たり前のように視聴しているYouTubeですが、サムネイルのデザインにそれぞれのこだわりが見え隠れしています。心の変化にも触れ、時に情に訴えるようなメッセージは、それこそみづきさんのやさしい声がけのように思えました。
高橋みづきさん:ありがとうございます。今後は自分のチャンネル以外でも、皆さまの目に触れる機会を増やしていけたらと思います。
2年ほど前にB-Flow Studioさん(*)のヨガ講師の新メンバーオーディションを通過したので会員向けのクラスを担当していますが、最近もTezuna Tomoyaさんに動画撮影を担当頂き、広くオープンな形でも配信されています。
*「日本一のヨガYouTuber夫婦」Mariko氏とTomoya氏が運営するオンラインサロン。チャンネル登録者数は249万人(2025年秋時点)。『今この瞬間をどう生きるか』(KADOKAWA・2025年10月20日発売)
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