「50歳目前からひとり暮らし」軽トラ2台分の物を捨てて見つけた心地よい日常と独立の道のり|経験談

「50歳目前からひとり暮らし」軽トラ2台分の物を捨てて見つけた心地よい日常と独立の道のり|経験談
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『50代、賃貸ひとり暮らし。ものを手放して見つけた、私らしい日常』(扶桑社)著者のようさんに、50歳目前で始めたひとり暮らしと独立開業について伺いました。子どもの独立をきっかけに3LDKから2DKへ住み替え、軽トラ2台分の物を処分したことで得られた心地よさや、結婚後に始めたエステティシャンのお仕事に関してコロナ禍で独立した背景をお話しいただきます。物を持たない暮らしへのこだわりや、内向的な性格を活かした一人での事業運営など、自分らしい日常を築くまでの道のりを詳しく語っていただきました。

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“50歳からのひとり暮らし”――きっかけは子どもの巣立ち

——50歳目前でひとり暮らしを始めた経緯について教えていただけますか?

ひとり暮らしを始めたのは2021年です。きっかけは子どもの独立でした。娘はすでに家を出ていて、社会人3年目の息子と二人暮らしをしていたのですが、息子が社宅に入ることになりまして。

当時は3LDKの賃貸住宅に住んでいましたが、私一人では持て余してしまう広さでしたので、住み替えを決意しました。

——物件探しで何か苦労されたことはありますか?

事前に条件を、駅から徒歩5分圏内・日当たりと風通しがよい・2部屋以上あることと決めていたので、比較的スムーズに決められました。最初は築15年までで考えていましたが、予算の関係でもう少し範囲を広げ、結果的には当時築34年のリフォーム済み物件を選びました。

——女性のひとり暮らしという点で、何か気をつけていることはありますか。

2階以上の物件を探しました。あと、明らかに女性っぽく見えるものは外から見えるところには置かないようにしています。

——3LDKから2DKの家に引っ越すにあたり、軽トラ2台分の物を処分されたとのことですが、物を手放してどのような変化が得られましたか?

物理的な変化としては、探し物が減り、物を探す時間が減りました。

意外だったのは、気持ちが楽になったことです。旅行でホテルのスッキリしたお部屋に泊まるのと同じように、物が少ないことは暮らしの心地よさを感じるものなのだと知りました。

物を増やさない工夫でつくる、シンプルで心地よい住まい

——現在のお住まいで特にこだわっているポイントについてお聞かせください。

物を持たないことと、なるべく必要のないものは増やさないことです。

暮らしやすさの点では、インテリアの色を揃えたりとか、観葉植物を置いたりと、落ち着く空間になるよう心がけています。

——新しいものが欲しくなったときには、どうされているのでしょうか。

欲しいものを買ってしまって失敗することもまだあります。

収納のスペースが決まっているもの、例えば洋服や靴、カトラリーなどは、今のスペース以上は増やさないようにして、溢れないようには心がけています。

——最近、失敗したお買い物はありますか?

除湿器が欲しくて丁寧に比較検討して購入したのですが、実際にはほとんど使いませんでした。外に洗濯物を干せないときのために購入したのですが、エアコンの除湿モードで十分だったんです。

——以前は持っていたものの、不要だと気づいて手放したものはどのようなものがありますか?

まず炊飯器ですが、ごはんはお鍋で炊くようにしています。

水切りラックも捨てて、タオルを敷いて洗ったものを載せています。私は食器を拭く作業が苦手なので、自然乾燥に任せています。

バスタオルもやめて、洗いやすいサイズのタオルを使うようにしています。

玄関マット・キッチンマット・バスマット・トイレマットといったマット類は全て手放しました。バスマットの代わりにタオルを使用しています。

キッチンについては、引っ越しの際にフロアマットを敷いてキッチンマット代わりになっています。私は雑巾や布巾を管理することも苦手なので、キッチンの床を拭きたいときは、100円ショップなどに売っている使い捨てのものを使用しています。

コロナ禍での独立、エステティシャンとしての新たな挑戦

——エステティシャンとしてのキャリアの経緯についてお話しいただけますか?

エステティシャンになったのは17年前で、独立したのが5年前でした。

私の世代は周囲も専業主婦が多くて、子どもが小学生になって子育てが落ち着いたタイミングでパートをする人が多かったんです。

私自身、社会人になって最初は美容とは関係ない会社で働いていたのですが、結婚を機に専業主婦になり、息子が小学校6年生、娘が小学校2年生のタイミングの35歳を過ぎた頃に「また働きたい!」と強く思って、仕事を探し始めました。

——なぜエステティシャンのお仕事を選ばれたのでしょうか?

一つのきっかけは、小さい頃から母に「女性は手に職をつけなさい」とよく言われていたことです。そしてたまたま家庭との両立が可能な短時間の求人を見つけて、直感で選びました。

——未経験で専門職に就くのは大変なイメージがあります。

最初はあまりにもできなくて、なんとかしなきゃと思って、営業や販売、接客の本で勉強をしました。だんだんと、お仕事におけるマインドや姿勢の話にも関心を持って、いろいろな本を手に取って学びを続けていきました。

——独立のきっかけはどんなことだったのでしょうか?

独立前は、大規模な店舗に勤めていて、コロナ禍で人の出入りが多いことが怖くなってしまったんです。

もう少しこじんまりと働けたらと思い、コロナの影響でお店が休業中の期間もあったので、その時間も活用して色々と調べて、独立することにしました。

——コロナ禍での独立とのことで、人との接触を避ける傾向が強い中で、当初は不安ではなかったですか?

そうですね、チラシを何万枚もポスティングしたり、ホームページを作ったり、Googleでの検索対策をやったりと、全然わからない分野で必死でした。

お店を出すからには家賃も発生するので、失敗したら……と考えるとプレッシャーもありました。

——不安が軽くなってきた瞬間はありましたか?

チラシを見て問い合わせをいただき、続けてくださる方が増えてきたのが、オープンして4か月ぐらい経過した頃で、先が見えてきた感覚がありました。

——独立される前から、自分は一人で事業をすることが向いているタイプだとは思っていたのですか?

エステティシャンとして働く中で、接客におけるコミュニケーションもできるようになっていったのですが、もともとは内向的なタイプです。一人で取り組むほうが結構向いてることは独立してから実感しました。

以前の勤務先でも、ほかのスタッフとコミュニケーションはとれていたのですが、人がたくさんいることで疲れてしまうことはあったので、今はとても楽ですね。

※後編に続きます。

『50代、賃貸ひとり暮らし。 ものを手放して見つけた、 私らしい日常』(扶桑社)
『50代、賃貸ひとり暮らし。 ものを手放して見つけた、 私らしい日常』(扶桑社)

【プロフィール】
よう

社会人の長男と長女がいる50代。子どもたちの独立を機に、軽トラック2台分の荷物を処分して2DKの築古賃貸アパートに引っ越し。約4年前からひとり暮らしに。
インスタグラム(@ohitorisama_kurasi)では、子どもが巣立ってからの"おひとりさま生活”を発信中

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