ヘバーデン結節による激痛で仕事継続の危機。50代単身女性の更年期体験と「自分らしい日常」のヒント

ヘバーデン結節による激痛で仕事継続の危機。50代単身女性の更年期体験と「自分らしい日常」のヒント
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『50代、賃貸ひとり暮らし。ものを手放して見つけた、私らしい日常』(扶桑社)著者のようさんへのインタビュー後編では、更年期症状への対処法と日々の健康管理について詳しく伺いました。エステティシャンとして働く中で直面したヘバーデン結節による激痛から、ホルモン治療による改善体験まで、更年期症状との向き合い方を率直に語っていただきます。また、ひとり暮らし4年目の心境の変化や、同世代に向けた「やりたいことリスト」のすすめなど、自分らしい日常を築くためのヒントが満載です。

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指の激痛…更年期と重なった“ヘバーデン結節”との闘い

——更年期についても大変な症状もあったのですよね。

48歳の頃から汗の量が増えたり、暑く感じたりといったよく知られた更年期症状は人並みだったのですが、私の場合は「ヘバーデン結節」による手指の第一関節が痛くなったりする症状が強くなってしまったことが大変でした。

エステティシャンとして働き始めたのが35歳頃で、40歳の頃には痛みが出てきてしまったんです。40代以降の女性によく見られるものではあるのですが、40歳から症状が出てくるのは早い方だと言われていました。

40歳の頃から病院に通って漢方薬を飲んでいたのですが、更年期という年代に差し掛かったときに、激痛が起こったんです。一日の仕事を終えたときに本当に手がずきずき痛くなり、このままでは仕事を続けられないと思うくらいでした。

——大変でしたね。その後、どのように改善していったのでしょうか。

当初、40歳の頃から症状が出ていたこともあって、更年期の影響を受けている可能性について考えていなかったんです。

たまたま行きつけの整体の先生にお話ししたところ、「更年期症状かもしれない」と言われて、婦人科へ行きました。ホルモン治療を始めたら、翌日には痛みがぴたっと治まったので、更年期によるホルモンの変化でこんなにも影響が出ることに驚きました。

——痛みがお仕事のパフォーマンスにも直結するので、精神的にもおつらかったのではないでしょうか。

自分のサロンをオープンしてまもない頃に激痛が出始めたので、「生活していけないかもしれない」という不安はありました。ですが、「なんとかしなきゃ」という思いが強くて、先のことを考えながら前に進んでいた時期でもありましたね。

睡眠と食事が基本。更年期世代の健康管理

——日々の心身の健康のために特に大切にしていることはどんなことでしょうか?

睡眠です。睡眠が足りないと仕事のパフォーマンスが下がるからです。

第一に睡眠、第二に食事です。タンパク質や野菜をたくさん摂るよう心がけています。

——睡眠の大切さを感じ始めたタイミングはありますか。

年齢を重ねるにつれて、だんだんと眠れなくなってくるんです。子どもたちがお昼ぐらいまで寝ているのを見るとうらやましいですね(笑)。

なかなか寝つけなかったり、早朝に覚醒したり、睡眠の質が悪いのか翌日に眠気でミスをしてしまったりと、そういう実感があったのが50歳になる前ぐらいでした。

完璧主義な部分もあって、お客様の前では100%の状態でいたいという思いもあって、睡眠について意識するようになりました。

夜はあまり部屋を明るくしないようにしたり、お香を焚いてみたり、ストレッチをしてみたり、寝具を肌ざわりの良いものにしたりしました。スマホも22時以降はなるべく見ないようにしています。

寂しさを埋める日々から、“ひとりが心地よい”日常へ

——「ひとりで暮らす」ことについて、世間ではまだ「寂しい」「孤独」といったイメージを持たれることもありますが、実際にご経験してどうお感じになっていますか。

ひとり暮らしを始めて、全然寂しくないと思っていたのですが、後からその年の手帳を見返していたら、10月に引っ越してから12月末まで、仕事や用事を入れていて、丸一日家にいたことがなかったんです。

もともと一人でも平気なタイプでしたので、寂しさの自覚はなかったものの、無意識に用事を作ることで寂しさを埋めていたのだと気づきました。

——今はひとり暮らし4年目ですよね。変化はありましたか。

ひとり暮らしを始めて半年が経過した頃からは、寂しさを埋めるために人に会うこともなくなっていきました。

時間や行動に制限がある生活を長く続けていた後で、何をするにも自分の好きにできる時間が与えられた状態ですので、今は本当に気楽です。

以前は誘われたら基本的には全て参加するスタンスだったのですが、年齢を重ねるうちに、何か別の用事がなくても、自分の体調や気持ちを優先して断ってもいいとも思えるようになりました。

——今の生活や今後のことで不安に感じることはありますか?

今の生活では特に不安に感じていることはないのですが、今後のことを考えると、とにかく健康が大切だと思っています。一人なので、倒れてしまっても病気になっても困ってしまうので。

実は運動がすごく苦手なのですが、昨年から加圧のパーソナルジムに通い始めています。30分加圧して、30分有酸素運動をして……といった内容です。通い放題のプランなので、なるべく週2、3回は行くようにしています。

——同世代や少し下のこれから50代を迎える方に、「自分らしい日常を作る第一歩」としておすすめしたいことはありますか?

「やりたいことリスト」を作ってみるのはいかがでしょうか。私は毎年年初にインスタグラムでやりたいことリストを挙げているので、なんとなく習慣になっていますが、あまり考えない人も多いと思うんです。

普通に暮らしていると、やりたいことって意外と思い浮かばないものです。でも改めて向き合ってみると、「私って歌舞伎を観てみたかったんだ」とか「久しぶりにミュージカルを観劇したかったんだ」など、自分のやりたいことが再発見できるんです。

少し前にやりたいことを100個書き出すということが流行しましたよね。私は100個書くのが難しかったです。なので、必ずしも100個でなくてもよくて、たとえば年末までにやりたいこと5個とかでもいいと思います。

そうやって自分に向き合う時間をつくっていくと、自分のことがわかっていって、自分との付き合い方も上手になるような気がします。

 

 

『50代、賃貸ひとり暮らし。 ものを手放して見つけた、 私らしい日常』(扶桑社)
『50代、賃貸ひとり暮らし。 ものを手放して見つけた、 私らしい日常』(扶桑社)

【プロフィール】
よう

社会人の長男と長女がいる50代。子どもたちの独立を機に、軽トラック2台分の荷物を処分して2DKの築古賃貸アパートに引っ越し。約4年前からひとり暮らしに。
インスタグラム(@ohitorisama_kurasi)では、子どもが巣立ってからの"おひとりさま生活”を発信中

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