不妊の原因は半分が男性!?自宅で精子チェックできる「メンズルーペ」と考える妊活コミュニケーション
妊活を始めたのに、なぜかうまく歩調が合わない。パートナーとの子どもを望んでいても、妊活の進め方には2人の間ですれ違いが生じやすいものです。とくに男性側は、身体的な変化を感じにくい分当事者意識を持ちづらく、女性側はその温度感の違いに不安を抱えてしまうこともあります。今回は、自宅で精子をセルフチェックできる商品「TENGAメンズルーペ」を展開する、株式会社TENGAヘルスケア ブランドマネージャー兼研究開発主任の牛場さんに、妊活においてパートナーとのコミュニケーションを深めるヒントを伺いました。
不妊の原因の半分は男性側
ーーー男性が不妊の原因である割合は全体のうちどのぐらいなのでしょうか?
牛場さん:WHOの調査によると、男性側が不妊の原因となっているケースは不妊症のカップルの約半分だとされています。活発な精子の数が加齢とともに大きく減少していくことも判明しているんです。しかし一般的に「不妊」は女性側の問題と見なされがちで、男性不妊の認知度は高くありません。不妊を心配し、悩んだことがあるカップルは3組に1人(※)と言われている現在、男性不妊の正しい知識を身につけ、適切な対応を行うことはとても重要だと考えています。
また、精液の状態は検査をしないとわからない部分が多く、抜き打ちで実施された精液検査では、被験者の5人に1人が基準値を下回っている項目がありました。男性の不妊の原因は精液の所見が悪いということ以外にも、セックスで射精ができないとか勃起できないとか多岐にわたります。総合的に見て男性側が不妊の原因であることを自覚しているケースは実際にはかなり少ないと思われます。
※出典: 国立社会保障・人口問題研究所「第15回出生動向基本調査」
妊活中の男性が感じる精液検査への抵抗感
ーーー自宅で精子の様子をチェックできるTENGAメンズルーペはどのようなアイデアから生まれた商品なのでしょうか?
牛場さん:当時、商品の開発者(TENGAヘルスケア代表取締役 佐藤雅信)が、実際に妊活をしていまして、その際に病院で精液検査を受けることにとてもハードルを感じたそうです。わざわざ病院に行って検査のために射精して...というのは手間がかかるし、心理的にも自分の射精にテストの点数をつけられるようで抵抗感があったのだとか。
妊活の当事者として、自宅で簡単に精子の状態を知れるものがあれば妊活の第一歩として役立つのでは?というアイデアが生まれました。さらに周りで妊活をしていた男性たちもこの発想に賛同する人が多く、実際に制作してみることになったというのが開発の背景です。発売してみると女性による購入ケースも少なくなく、自社オンラインストア内で購入された方の約6人に1人が女性です。
精子を見る体験が通院のハードルを下げることも
ーーー商品を購入した男性からはどのような感想がありますか?
牛場さん:様々ですね。妊活目的で使う方だと、病院に行くのはハードルがあったけど先に精子を自らの目で確認できたことで安心して病院での検査に臨めたというお声をいただいています。妊活をしていない男性からは、単純に自分の目で精子を見ることができたことに感動したという感想や、とある男性からは自分の精子が思いのほか少ないという事実を早めに知れてよかったという意見もありました。
精子のセルフチェックで何がわかるのか?
ーーー実際にメンズルーペで妊娠可能性を知るには、どの部分に注目したらいいですか?
牛場さん:自然妊娠するために重要な基準となるのが、1回の射精で出された精液中で動いている精子の数。TENGAメンズルーペで自分の精子を観察する3つの項目として、①精子の濃度(画面の中に映る精子の数)②精子の運動率(動きが活発なほど妊娠しやすい)③精液の液量が挙げられます。ルーペは専用のスマホアプリと連動していて、採取した自分の精液を撮影した動画と他の精液のサンプル動画を参考に見比べることで自分の精液の状態を知ることができます。
▲TENGA MEN’S LOUPE メンズルーペ 参考価格: 1,650円(税込)
セルフチェックの結果を活かすために
ーーー妊活中の男性にはセルフチェックの結果をどのように役立ててほしいですか?
牛場さん:病院に行く前段階のステップとして利用してもらえたら嬉しいです。メンズルーペで精子が動いている様子を見ることができたから十分だという方もいますが、見た目だけではわからない判断項目も多々あります。現時点で妊活に対する熱量が高いのであれば、メンズルーペの結果の良し悪しに関わらず早めに病院で検査するのがベストです。
それに、実は精子というのは体調が一定でも射精の度に状態が変わるのが自然です。なので一度の結果に一喜一憂しないでもらえればと思います。
ーーーもし精子の結果が良くなかった場合、普段の生活で意識すべき部分は何ですか?
牛場さん:精子の状態は身体全体の状態と相関する場合が多いです。一般的に精巣で精子が作られるのに約70日かかるので、すぐに変化が起こるとは言えませんが、日常的にできる工夫として挙げられるのは、食事や生活リズムを整えること、そして精子の生産に良いサプリメントを摂取して栄養補給をすることです。
これは本人が妊活においてどのフェーズにいるかによって変わってきます。もし今すぐに子どもを望むのであれば、やはり早めに病院で診てもらって薬の処方を受けたり精密な検査を受けたりすることが推奨されます。
牛場栄之さんプロフィール
TENGAヘルスケア ブランドマネージャー/研究開発主任
平成3年生まれ。大学および大学院では神経科学を専攻、2016年に株式会社TENGAへ入社、以来TENGAヘルスケア製品の研究開発を担当、その後現職。
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