豚肉だけじゃない!夏バテと疲労回復に効果ありな食材3選|管理栄養士が解説
夏バテ予防には「豚肉を食べる」とよく耳にしますが、その理由は豚肉に豊富に含まれるビタミンB1が疲労回復を助けるためです。しかしビタミンB1は豚肉に限って含まれているわけではありません。この記事ではビタミンB1を含み、夏バテや疲労回復に効果がある食材を管理栄養士が解説します。
夏バテはなぜ起こる?
夏バテを引き起こす原因は大きく分けて3つあります。
①高温多湿の環境
高温多湿の環境では汗が蒸発しにくく、体温調節がうまく働かなくなります。汗の蒸発は体温を下げるために必要ではありますが、湿度が高いと熱が体内にこもりやすく、体力を消耗しやすくなり、疲労や体力の低下に繋がります。
②屋内と屋外の温度差
暑さ対策のために冷房は欠かせませんが、冷房の効いた室内と暑い屋外では大きな温度差があります。この急激な温度差により自律神経の乱れを引き起こします。自律神経が乱れると体内の様々な機能がう正常に働かなくなり、身体のだるさや疲労感に繋がります。
③食欲低下と栄養バランスの乱れ
暑さが増すと冷たいものやさっぱりとした食べ物を求める傾向が強くなり、そうめんやうどんなど炭水化物に偏った食事になりやすく栄養バランスが崩れやすくなります。
夏バテ予防には豚肉!よく言われるその理由は?
夏バテ対策として「豚肉が良い」と言われる理由のひとつは、豚肉にビタミンB1が豊富に含まれていることです。 ビタミンB1は、疲労回復やエネルギー代謝に欠かせない栄養素で、特に糖質(炭水化物)をエネルギーに変換する際に重要な役割を果たします。ビタミンB1が不足するとブドウ糖からエネルギーをうまく産生できなくなり、エネルギー源をブドウ糖に頼っている脳や神経に影響が及びます。その結果、食欲不振、だるさ、疲労感などの症状が現れ、いわゆる「夏バテ」の状態につながります。一方で豚バラ肉やこま切れ肉など脂身の多い部位は、脂質の含有量が高く、摂りすぎるとカロリーオーバーや体脂肪増加の原因になります。夏バテ対策として豚肉を取り入れる場合でも部位を選んだり、調理法の工夫が大切です。「ヒレ肉」や「もも肉」など、脂質の少ない部位を使った料理や、脂身の多い部分を使用する際は「茹でる」「蒸す」など調理で使う油の使用を抑えた調理方法が理想的です。
ビタミンB1を含む夏バテに効く食材3選
うなぎ
「土用の丑の日」など特別な機会に食べられるうなぎですが、スタミナがついて元気になることで知られている食材です。うなぎにもビタミンB1が豊富に含まれており、疲労回復に効果的です。更にビタミンAも豊富に含まれており、目や肌の健康を保つほか、鼻や喉の粘膜を強くしてウイルスの侵入を防ぎます。
大豆
「畑の肉」とも呼ばれる栄養豊富な大豆は、植物性のたんぱく質のほかにビタミンB1も豊富です。また大豆は鉄分も含んでおり、鉄分は不足すると貧血や疲労を引き起こします。特に女性に不足しやすい栄養素ですので積極的に摂りたい食材です。
玄米・そば
暑さで食欲が落ちると、そうめんや冷や麦など冷たくてさっぱりした麺類に偏りがちになりますが、これらにはビタミンB1があまり含まれていません。一方、玄米やそばにはビタミンB1が含まれており、主食から栄養補給ができる点が魅力です。さらに、これらは血糖値の上昇が緩やかなので、食後の眠気やだるさを感じにくくなるというメリットもあります。冷たい麺ばかりで栄養が偏ってしまうのを防ぐためにも、主食の選択肢として玄米やそばを取り入れる日を作るのがおすすめです。
【参考文献】
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