休んだつもりでも気持ちが晴れない人へ|ストレス解消法を探すのではなく“育てる”方法は|心理師解説
ストレス解消法がなくて悩んでいませんか?ストレス解消法は「立派な対処法」である必要はありません。小さな“自分だけのストレス解消法”を育てていく方法を紹介します。
「ストレス解消って、何をしたらいいか分からない」
「休んだつもりでも、気持ちが晴れない」
「深呼吸や運動がいいって言われても、なんかしっくりこない」
そんなふうに感じたことはありませんか?
ストレスケアの情報は世の中にたくさんありますが、「効果がある方法を見つけなきゃ」と焦ってしまうほど、自分にとっての心地よさがわからなくなってしまうことがあります。でも、ストレス解消法は、特別な技術や時間が必要なものではありません。“自分にとって少し楽になること”を見つけ、それを少しずつ育てていくこと。それだけでも、心はちゃんと整っていきます。
ストレス解消に必要なのは、“正しさ”より“しっくりくる感覚”
ストレス対処法というと、「運動」「瞑想」「人と話す」「自然に触れる」などがよく挙げられます。確かにどれも有効な方法ですが、それが自分に合うかどうかは別の話です。運動がストレスになる人もいますし、話すより黙っていたい人もいます。外に出るより、家にこもっていたいときもあります。誰かに勧められた正解ではなく、自分の感覚にフィットするものが必要です。
ストレス解消がうまくいかない理由あるある
・「効果がなきゃ意味がない」と思ってしまう
・続かなかったことで自分を責めてしまう
・他人と比べて、「自分には対処力がない」と感じてしまう
しかし、ストレス対処はスキルではなく“習慣”です。そして、その習慣は最初から完成されている必要はありません。むしろ、小さな「楽になれたかも」を集めていくことが大切なのです。
自分だけのストレス解消法を育てるステップ
① 昔、安心できたことを思い出してみる
子どものころ、どんなことが好きだったか。どんなときにホッとしていたか振り返ってみましょう。
例:雨音を聞くのが好きだった、本を読んでいると落ち着いた、紙に書き出すとスッキリした。
小さな記憶の中に、ストレス対処のヒントが眠っていることがあります。
② 「1回だけやってみる」気軽さで試す
ストレッチをしてみる、香りをかいでみる、お茶をいれる、散歩してみる…。1回だけのつもりでやってみると、意外と「ちょっと楽になった」が見つかるかもしれません。大切なのは、「これを続けなきゃ」と思わないことです。気楽に試して、やめてもいいとハードルを下げることが、むしろ継続につながります。
③「すっきり」より「ほっとする」を目指す
ストレス解消というと、「思い切り発散!」をイメージしがちですが、実は“ゆるめる”ことも立派な対処です。
・ぼーっとする
・植物の世話をする
・音楽を流す
・白湯を飲む
・空を見上げる
大きな刺激で気分を変えるのではなく、自律神経をゆっくり整えるような“ほっと感”を重ねていくことで、ストレス耐性も育っていきます。
④ 自分に合った対処法を言葉にしてみる
試してみて、「なぜ心地よかったか」を振り返ってみると、軸がはっきりしてきます。
「手を動かすと落ち着く」
「誰にも評価されない時間が心地よい」
「自然の音に包まれていると安心する」
そんなふうに感覚を言葉にすると、自分だけの“処方箋”ができていきます。
ストレス対処法は、「成果」ではなく「回復の余白」
対処法をうまく使える自分になろうとするよりも、「少しでも自分を楽にできる時間を持つ」という発想に切り替えることが大切です。1日1分でも、ただ一度深呼吸をするだけでも、ぼんやりとソファに座るだけでもいいです。ストレスケアは、正しくやるものではなく、「続けられるかたちでゆるやかに育てていくもの」です。
ストレスは生きていれば必ずあるものだからこそ、それと折り合いながらやっていくためには、“自分と合うやり方”を持つことが大切です。誰かの真似でなく、立派な方法でなくていいです。自分の心や体がちょっと楽になる方法をゆっくり育てていきましょう。
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