「嫌われることが怖い」他者軸で生きていませんか?心理師が教える、自分を育てるための5つのステップ
「人の目を気にしてしまう」「“いい人”でいようとして疲れる」「誰かに嫌われることが怖い」 このように、他者の期待や評価を基準に自分の行動を決めてきた方は少なくありません。今回は、自分を育てるための5つのステップを紹介します。
「他者軸」で生きてきた人にとって、“自分らしく生きる”“自分軸を持つ”といっても、どこか現実味がなく感じられることもあります。しかし、自分軸とは生まれつき備わっているものではなく、「少しずつ育てていくもの」です。今回は、他者軸から自分軸へと移行するための実践的な5つのステップをご紹介します。
ステップ1|「他者軸だったこと」に気づく
まずは、自分がこれまでどのような基準で行動していたのかに気づくことから始めます。たとえば、
・他人の期待に応えることが「正しさ」だと思っていた
・「嫌われないこと」を第一に考えて行動してきた
・自分の意思よりも場の空気を優先してきた
これらはすべて、他者を基準に自分の行動を決めていた一例です。「他者軸で生きてきた」こと自体に良し悪しはありません。しかし、それが今のあなたの生きづらさに繋がっているのなら、少し見直してみてもいいのかもしれかせん。まずは、ただ気づくこと。自分が他者軸で考えていることに気づくことで「別の生き方を選べる」準備が整います。
ステップ2|自分の「本音」に耳を傾ける
他者軸で生きてきた人にとって、「自分は本当はどうしたいのか?」を感じることは簡単ではありません。そこで大切なのが、「小さな選択」において自分の気持ちを意識する練習です。たとえば、
・今、どんなものを食べたいか?
・この人と一緒にいて心地よいか?
・今日、本当は何をして過ごしたいか?
このような問いかけを、日常の中で繰り返していくことで、感覚が少しずつ戻ってきます。重要なのは、「〇〇すべき」と正しさで判断せず、自分の内側から湧いてくる感情や欲求に気づくことです。
ステップ3|自分にとっての「心地よさ」を優先する
本音に気づけるようになったら、今度はそれを少しずつ生活の中に反映していきます。たとえば、環境や過ごし方、人との関わり方などを見直してみることです。
・静かな時間が落ち着くなら、予定を詰めすぎない
・合わない人との関係を、少しずつ距離を取ってみる
・心が安らぐ習慣(読書、音楽、自然の中の散歩など)を意識的に取り入れる
こうした「自分に合った選択」を重ねることで、「私はこれでいい」と感じられる感覚=自分軸が少しずつ育っていきます。
ステップ4|自分の価値観や優先順位を明確にする
自分軸とは、「自分の価値観を土台に選択や行動ができている状態」とも言えます。そのため、自分にとって何が大切かを明確にしておくことは非常に重要です。たとえば、
・「私は誠実であることを大切にしたい」
・「人との深いつながりを優先したい」
・「ひとりで過ごす静かな時間が欠かせない」
このように、抽象的でも構いませんので、自分なりの価値観を言葉にしておくと、自分を軸に「選ぶ力」が強くなっていきます。
ステップ5|自分との信頼関係を築く
最後に、自分軸を育てるうえで欠かせないのが「自分自身との信頼関係」です。これは、自分の感情や欲求を否定せず、寄り添う姿勢とも言えます。
・自分との小さな約束を守る(たとえば、今夜はスマホを早めに手放す、10分散歩するなど)
・ミスや失敗があったとしても、すぐに自分を責めない
・「大丈夫」「今日もよくやったね」と、自分にやさしい言葉をかける
こうした行動は、いずれ「自分で自分を信じられる」という感覚を育ててくれます。これは、他人からの評価に揺れにくくなるための、確かな基盤になります。100%信じられる必要はありません。世の中に100%はほとんど存在しないからです。そこそこ、大体、自分が信じられるという感覚を育み、そして思い通りにいかない時があっても優しく受け入れてみましょう。
他者軸で生きてきたことには、それなりの背景と理由があります。多くの場合、それは生き抜くために必要だった“適応”でもあり、あなたの努力の結果でもあります。しかし、もし今、「自分をもっと大切にしたい」「自分らしく生きていきたい」と感じているのなら、それは“育て直し”のチャンスかもしれません。自分軸は、いきなり完成するものではありません。日々の問いかけや小さな選択の積み重ねの中で、少しずつ確かなものになっていきます。今この瞬間からでも、自分を育てる旅は始められます。どうか焦らず、やさしく、自分との対話を続けていってください。
- SHARE:
- X(旧twitter)
- LINE
- noteで書く






