「なんだかずっと調子が悪い…?」猛暑と交感神経の関係を心理師が解説

「なんだかずっと調子が悪い…?」猛暑と交感神経の関係を心理師が解説
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石上友梨
石上友梨
2025-07-12

最近、なんだか寝つきが悪い。ちょっとしたことでイライラするし、疲れがとれにくい、身体のいろいろな不調が続いている――。今回は猛暑と交感神経の関係を解説します。

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暑さは“体へのストレス”

今年は特に暑い日が続いています。「夏の不調」、実は暑さによって自律神経のバランスが崩れているサインかもしれません。猛暑が続く時期、私たちの身体は知らず知らずのうちに“緊急モード”に入っています。その背景にあるのが、自律神経の一つである「交感神経」のはたらきです。気温30℃を超えるような日が続くと、身体は体温を一定に保とうとしてフル稼働します。汗をかく、心拍が上がる、皮膚の血流を調整するなど、体温調節の機能が総動員されるわけです。

このとき活発になるのが「交感神経」。交感神経は、活動時や緊張時に優位になる神経で、体を“戦闘モード”に切り替える役割があります。つまり、猛暑は身体にとって“ストレス”そのものであり、交感神経を働かせ続ける刺激になっているのです。

こんな人は要注意!交感神経のバランスに気をつけよう

1.がんばり屋・完璧主義タイプ

責任感が強く「ちゃんとやらなきゃ」と常に気を張っている人は、もともと交感神経が働きやすく、暑さでさらに疲弊しやすい傾向があります。

2.繊細で感受性が高い人

気温・音・光など外的な刺激に敏感な人は、猛暑による刺激も強く受けてしまい、自律神経のバランスを崩しやすくなります。

3.暑さが苦手 or 冷房が効きすぎた環境にいる人

屋外との温度差が大きい生活をしていると、交感神経がオン・オフを繰り返して疲れやすくなります。

4.ずっとスマホやパソコンを見ている人

光や情報の刺激でも交感神経は高ぶります。暑さとのダブルパンチで、疲労がたまりやすくなります。

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自律神経が乱れると起きる“夏の不調”

交感神経が優位な状態が続くと、副交感神経(リラックスを司る神経)とのバランスが崩れて、次のような不調が現れます。

・寝つきが悪い、眠りが浅い
・イライラや不安が強くなる
・疲れているのに休まらない
・食欲不振や胃腸の不調
・頭痛や肩こり、だるさ
・ちょっとしたことで動揺しやすい

夏のセルフケア:交感神経をクールダウンしよう

では、どうすれば暑さによる交感神経の高ぶりをやわらげ、自律神経のバランスを整えられるのでしょうか?以下のようなシンプルな工夫が、日常の中で役立ちます。

1.エアコンの温度は「やさしめ」に

急激な冷却は逆に体にストレスを与えます。室温28℃前後を目安に、体に優しい温度調整を心がけましょう。

2.呼吸に意識を向ける時間をつくる

1日数回でも、ゆっくり吐く呼吸を意識するだけで、リラックスのスイッチが入りやすくなります。

3.ぬるめの温度で入浴

熱すぎないシャワーや、足湯でもOK。緊張していた体が少しずつゆるんできます。

4.スマホ断ちタイムをつくる

スマホの画面から離れて、五感で感じる時間をとってみましょう。冷たい飲み物の味、風の音、草の匂いなど、“今ここ”に意識を向けるだけでも、自律神経は整ってきます。

5. 水分とミネラルをこまめにとる

のどが渇く前に、少しずつ水分補給を。ナトリウムやカリウムなどのミネラルも一緒にとると、神経の働きも安定しやすくなります。

6. 朝の光を浴びる

朝に自然光を浴びることで、体内時計が整いやすくなり、自律神経もスムーズに切り替わります。起きたらまずカーテンを開けて光を感じましょう。

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「なんかしんどいな」「気分が落ちやすいな」と感じたら、それは体が出してくれているサイン。交感神経がずっとアクセルを踏みっぱなしにならないよう、ひと息つける習慣を、夏の間だけでも取り入れてみてくださいね。

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