「ちょっと繊細なあの人と、どう関わればいい?」感情の波が大きい人との上手な接し方
繊細な人との付き合い方に悩んでいませんか?機嫌によって態度が違う。距離感が急に変化する。そんな繊細な人との付き合い方について今回は解説していきます。
感情の波が大きい人が抱えているもの
職場で、こんなふうに感じたことはありませんか?
「昨日はすごく機嫌がよかったのに、今日はなぜかピリピリしてる」
「なんだか急に怒られた。私、何かしたかな……?」
「すごく距離が近いと思っていたのに、急によそよそしくなってしまった」
こうした変化があると、戸惑ったり、不安になったりしますよね。でも、その人自身も、じつは心の中でとても疲れていたり、揺れ動く感情に翻弄されているのかもしれません。私たちはみんな、日々のストレスや人間関係に揺れながら生きています。でも、なかにはその「揺れ」がとても大きくて、自分ではどうにもならないと感じている人もいます。たとえばこんなことがあります。
・ちょっとした一言が気になって、一日中落ち込んでしまう
・急に不安になって、「自分なんていない方がいいのかも」と思ってしまう
・人に近づきすぎて、あとで「こんなに踏み込むんじゃなかった」と後悔する
・大切な人に嫌われた気がして、確認せずにはいられない
・感情が爆発して、あとから「どうしてあんなこと言ってしまったんだろう…」と自己嫌悪になる
こうした反応を自分自身が少なからず経験した人も多いのではないでしょうか。これらは、「わがまま」だから感じるのではありません。それよりも、「見捨てられたくない」「安心したい」「ここにいても大丈夫だと感じたい」という深いこころの願いから来ていることが多いです。
職場でのかかわり方のヒント
では、そんな繊細な人たちと職場でどう接すればいいのでしょうか?一緒に働く私たちも無理をせず、でも少しだけやさしいまなざしを持てるよう、いくつかのヒントをご紹介します。
1. 「一貫性」を大切にする
繊細な人は、関係の「変化」にとても敏感なことが多いです。できるだけ安定したトーンや距離感を保つことで、安心してもらいやすくなります。急に親密にしたり、逆に距離を置いたりするよりも、ゆるやかに信頼関係を積み重ねていくことが大切です。
2. 感情に巻き込まれすぎない
もし感情的な反応があったとしても、「私が悪いのかな?」とすぐに自分を責めないでください。相手の中で起きている波に、あなたまで巻き込まれる必要はありません。ときには、「ちょっと落ち着いてから話そうか」とやさしく距離を取ることも、安心につながります。
3. 気持ちを否定せずに受けとめる
「そんなふうに感じたんだね」「それはつらいですね」と、その人の感じたことをそのまま受けとめる一言があるだけで、心がほどけることもあります。アドバイスや説得よりも、「わかろうとしてくれている」という気持ちが大切になります。
4. 仕事のルールや見通しをはっきり伝える
曖昧な状況は、不安を大きくします。「これは○日までにお願いします」「この部分は私が担当します」といった明確で具体的な伝え方が、混乱を防ぎ、安心感を生みます。
誰もが心にゆらぎを抱えている
感情の波が大きい繊細な人との関わりは、ときに難しさを感じることもあるでしょう。でも、「なぜそんなふうになるの?」という疑問の奥には、「どうしても不安で、苦しくて、それでも人とつながっていたい」という切実な気持ちがあるのかもしれません。そう思えるだけで、ちょっとだけ見え方が変わることがあります。そして、これは特別な誰かの話ではなく、私たちもまた、ふとしたきっかけで「こころが不安定になる」可能性を持っています。もちろん、やさしくする余裕がないときもあります。心を守るために距離を取ることも必要です。それでも、「苦しみを抱えているのかもしれない」という気持ちを少しでも感じられたら。職場が、少しだけやさしく、あたたかい場所になるかもしれません。
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