「私のこと言ってる?」が止まらない…更年期の“もやもや言葉”を放置しないコツ

「私のこと言ってる?」が止まらない…更年期の“もやもや言葉”を放置しないコツ
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高本玲代
高本玲代
2025-07-13

更年期の方に向けたサービス「よりそる」を運営する高本玲代さんが綴るコラム連載。高本さんご自身もまさに更年期世代。わかりやすい不調だけではない更年期の影響について、体験を交えてお話しいただきます。

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「なんで今それを言うの?」
「私のことを責めてるのかな?」
「遠回しに否定された気がする…」

更年期世代の女性にとって、日常の会話の中にある「ささいなひと言」が、心に深く刺さることがあります。自分でも「被害妄想っぽいかな」と思いながらも、気づけばその言葉が頭の中をぐるぐる…。

その“もやもや”を放置していると、いつのまにか心の中に積み重なり、ある日突然爆発してしまうことも。

この記事では、更年期の繊細な心にふと入り込む「言葉のもやもや」への対処法を、具体例を交えてわかりやすくご紹介します。

「相手の真意」を勝手に解釈しないというルール

誰かの発言に反応してしまうのは、とても自然なことです。特に更年期は、ホルモンバランスの変化によって「自己肯定感」や「安心感」が揺らぎやすくなっています。そのため、相手のひと言を過敏に受け取ってしまうことも少なくありません。

そんなときにまず意識したいのが、「相手の真意を勝手に解釈しない」というルールです。

私たちは無意識に、「あの人がああ言ったのは、きっとこういう意味だ」と解釈してしまいます。でも、それはあくまでも“自分の想像”に過ぎないのです。

更年期
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もやもや解釈あるある:こんな風に勝手に思い込んでいませんか?

以下のような例、心当たりはありませんか?

  • 例1
    同僚に「それ、早く終わったんだね!」と言われたときに
    →(え?ちゃんとやったつもりだけど…手を抜いたと思われた?)
  • 例2
    家族に「最近ちょっと疲れてそうだね」と言われて
    →(うわ、だらしないって思われてる?)
  • 例3
    ママ友に「〇〇さんっていつもきちんとしててえらいよね」と言われて
    →(つまり私は“きちんとしてない”ってこと?)

本当に相手はそのような意図で言っているのでしょうか?
実際には、「思いやり」「励まし」「雑談レベル」のつもりだったことも多いものです。

気になったら「確認する」クセをつける

“もやもや”の正体は、「確かめていないこと」にあります。
だからこそ、言われた言葉がひっかかったときには、相手に真意を確認することが大切です。

とはいえ、直接「あなた、私に怒ってるの?」と聞くのは難しいもの。そんな時におすすめなのが、柔らかく聞く言い回しです。

  • 「私、今の言葉こういう意味かなって受け取ったんだけど、あってる?」
  • 「さっきの話、ちょっと気になって。私、変に受け取っちゃってないかな?」

このように“自分の側に引き寄せて”聞くことで、相手も防御的にならずに真意を伝えてくれることが多くなります。

聞くのが怖いなら、考えるのをやめる

一方で、「確認するのは怖い」「嫌われたらどうしよう」と思う気持ちもよくわかります。実際にそう感じて、確認を避ける方もたくさんいます。

でも、ここで忘れてはいけないことがあります。

「確認をやめるなら、勝手に想像するのもやめる」ということです。

確認しないまま、あれこれと想像を膨らませるのは、“答えのない迷路”に自分を閉じ込めるようなもの。
もし聞く勇気が出ないのであれば、「真相はわからないから、考えるのはここまで」と、自分にストップをかけましょう。

放置された“もやもや”は、ある日突然爆発する

更年期は、身体的な症状だけでなく、感情の起伏が激しくなることもあります。小さな“もやもや”でも、放っておくと、心の中に静かに蓄積されていきます。

その結果──
ある日、全然関係のない出来事をきっかけに「我慢の限界」に達してしまうのです。

「そんなつもりで言ったんじゃないのに…」と相手が驚くほど、思い込みが大きくなっていたというケースも少なくありません。

 あなたも経験ありませんか?「そんなこと思ってたの?」と驚かれたこと

実は、多くの人が一度は経験しているのがこれです。

  • 「そんな風に思ってたなんて、全然気づかなかった」
  • 「え?そんな受け取り方されるとは思ってなかった!」

あなた自身も、誰かに対して全く悪気なく言ったことが、意図しない誤解を生んでいた…という経験はありませんか?

相手の言葉に対して「私だけがこんなに傷つくのはおかしい」と思わなくていいのです。
でも、“自分の解釈だけで真実を決めつけてしまわない”ことが、もやもやに支配されないための第一歩です。

まとめ:更年期の繊細な心は、自分で守ってあげるもの

更年期の心は、まるで薄いガラスのように割れやすく、でも放っておくとそのひびは広がっていきます。だからこそ、

  • 相手の真意を勝手に決めない

  • もやもやしたら、確認するか、考えるのをやめる

  • 「気になったから聞いてみた」くらいの軽さで聞く習慣をつける

この3つを覚えておくことで、あなた自身の心を守る力が育っていきます。

「もやもやする」ということは、自分にとって大事なものがある証拠。
だからこそ、その感情を無視せず、でも“振り回されすぎずに付き合う方法”を、今ここで身につけてみてください。

大人の女性としての柔らかさと、心のしなやかさは、更年期を機に磨かれていくものです。
今日の“もやもや”が、明日のあなたの安心に変わりますように。

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