己と向き合い邁進!インド聖地巡礼の旅

 己と向き合い邁進!インド聖地巡礼の旅
Meghan Rabbitt
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道はますます岩が多くなってきた。あのサドゥーは靴を履かずにどうやってこの道を通ったのだろう。そのときふと、アイルランドの祖母のことが頭に浮かんだ。祖母はよく私たち姉妹に、メイヨー州にある標高760メートルのカトリック巡礼の山、クロー・パトリックに裸足で登った話をしてくれた。もろい泥板岩に覆われた山頂付近は勾配がきつく、かなり危険だったという。「あまりにも滑りやすくて、三歩進んでも十歩戻っちゃうのよ」祖母はチャーミングなアイルランド訛りでよく話してくれた。「まるで人生そのものね。後退したら、また前に進む。そして、自分には必ずできるって信じるの」

祖母のことを思ううちに疲れも和らぎ、なんとか最後の岩山を登って、今夜のキャンプ地に向かった。ここで一晩眠って体力を回復させ、翌日はいよいよゴームクに向かって最後の6キロを歩くのだ。

源につながる

シェルパたちはすでに数時間前にキャンプ地に到着してテントを組み立て、おいしそうな野菜料理を準備してくれていた。野菜のビリヤニ、サグパニール、アルーゴビ、焼きたてのチャパティ(発酵させない薄焼きパン。最後に残った料理のソースをすくい取って食べる)。マサラティーを飲んだ後は、キャンプ地のまわりを散策し、ババ(サドゥー以上に尊ばれ、瞑想に人生を捧げて三昧の境地に生きる修行者)がハルモニウムを弾いている洞穴に入った。私たちはババを囲んで坐禅を組み、彼のハルモニウムに合わせてハレー・クリシュナを唱えた。この巡礼では、それが意外なほど普通の光景に思えた。

翌朝、私は早起きをして洞穴に戻り、ババが毎朝行う瞑想に参加した。たたんだブランケットの上に座って、私は目を閉じた。気づいたときにはもう1時間近くたっていて、朝食を食べにキャンプ地に戻る時間だった。家でもこんなに心地よく瞑想できたらいいのに……だがすぐに、シンが話していた源流近くで感じるというエネルギーのことを思い出した。

インド旅
キャンプ場近くの洞穴でババと共にチャンティング/Photo by Meghan Rabbitt

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Story and photos by Meghan Rabbitt
Translation by Sachiko Matsunami
yoga Journal日本版Vol.53掲載



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