そばとなすを一緒に食べるのはNG!管理栄養士が教える、夏に知りたい「なす」の食べ方豆知識
夏野菜のひとつであるなすは、旬の時期には安価で手に入ることで、食卓に並ぶことも多いでしょう。しかし、夏によく食べる機会が増えるそばとの食べ合わせが悪いと昔から言われています。そこで、今回は管理栄養士視点でなすについてご紹介します。
なすは栄養がない?
なすは約93%が水分であることから、栄養価が低い野菜のイメージが強いですが、実は夏を元気に過ごすために必要な栄養素もしっかりと含まれています。体にとって余分な水分や塩分を排出する働きがあるカリウムや腸内環境を整えて便秘改善のサポートをする食物繊維、老化の原因のひとつでもある酸化を抑える抗酸化作用があるポリフェノールの一種のナスニン、同じく抗酸化作用が高くアクの成分でもあるクロロゲン酸など、意外とさまざまな栄養素が含まれています。
また、昔から「秋なすは嫁に食わすな」という言い伝えがあるくらい水分量の多いなすは体を冷やす働きがあることから、夏バテ予防も期待できます。
なすとそばの相性は悪い?
なすと同じく夏に食べることが多いそばにもカリウムが豊富に含まれています。カリウムは利尿作用によりむくみ予防に嬉しい栄養素ではありますが、なすとそばを組み合わせて食べると体を冷やしすぎてしまうことで内臓まで冷え、消化機能が低下し消化不良の引き金になってしまうとも言われています。
ただし、現在では食べ過ぎなければ、相性がよい別のものと組み合わせて食べることで、あまり神経質になる必要はないとも考えられています。
なすと相性がよい食べ物
抗酸化作用の強いナスニンを豊富に含み、その働きをアップさせるためには、同じく抗酸化作用が強いビタミンCを豊富に含んでいるトマトや小松菜、オクラなどもおすすめです。また、ナスニンは脂溶性と一緒に摂取することで吸収率がアップされると言われているため、脂溶性ビタミンであるβ-カロテンを豊富に含む人参との相性も良いです。加えて、脂身も多い豚肉と合わせることで吸収力がアップするだけでなく、糖質の代謝のサポートをするビタミンB1が豊富に含まれているため、疲労回復にも良いでしょう。ねぎや生姜、唐辛子なども代謝を活発にして体を温める作用が期待できるため、体を冷やす働きがあるなすと一緒に食べることは冷やしすぎの予防にも繋がりますよ。
なすのおすすめな食べ方3選
皮をむかない
ナスニンや食物繊維は皮に豊富に含まれています。そのため、皮をできるだけむかずに食べることをおすすめします。また、うま味成分でもあるグアニル酸は皮ごと調理することで増加すると言われています。
塩でアクを抜く
なすはアクによりカット断面が変色したり、苦味が増したりすることから、水にさらすアク抜きをしてから調理をする人も多いでしょう。しかし、なすに含まれているビタミンやミネラルは水にさらすと流出してしまいます。そのため、5分ほどの短時間水にさらすもしくは、重量の1%の塩を断面に塗ってから10分放置した後に水分を拭き取るという下処理をおすすめします。
油調理をする
なすは油調理との相性が抜群に良いです。栄養素の流出を抑えることで変色を防いだり、甘みのアップも期待できます。また、熱に強いため、抗酸化力の低下を心配する必要もあまりないです。
今年の夏はなすを食べて夏バテを乗り切ろう
なすはいろいろな食材との組み合わせを楽しむことができるため、今年は旬の時期にたっぷりと食べて、暑い夏を乗り切りましょう。
【参考文献】
文部科学省 | 日本食品標準成分表2020年版(八訂)増補2023年
ライター/管理栄養士 亀崎智子
管理栄養士×セラピスト(野菜ソムリエ・中級食品診断士 )。食に関する講演や記事執筆・監修、体の本来の機能を取り戻すお手伝いをする整体のセラピストとして、家族丸ごと体の内と外にゆとりをつくるサポートを行っている。また、満月の日に、乾物と塩で作るふりかけと即席スープの素の製造販売も行っています。インスタグラム:kamegohan0528
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