「体にいいと思ってた…」更年期に注意したい健康食材5選【管理栄養士が解説】

 「体にいいと思ってた…」更年期に注意したい健康食材5選【管理栄養士が解説】
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40〜50代の女性の体には、さまざまな変化が訪れます。 特にホルモンバランスの変化によって、これまでなんともなかった食生活が、なんだか体に合わなくなってきた…という方も多いのではないでしょうか。 今回は、一見ヘルシーで“体によさそう”に思えるけれど、更年期にはちょっと注意したい5つの食材を管理栄養士がご紹介します。

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1.鶏ささみ

ホルモンづくりに必要な“脂質”が不足に…

高たんぱく・低脂肪でダイエットの味方とされる鶏ささみですが、更年期の世代にとって、極端に脂質を減らした食生活は、ホルモンの材料不足につながる可能性があります。

特に女性ホルモン(エストロゲン)はコレステロールから合成されるため、過度な脂質制限は、肌の乾燥や気分の落ち込みといった不調が出やすくなる場合があります。

▶ おすすめの取り入れ方
・オリーブオイルで軽く焼く
・アボカドやナッツなど、良質な脂質を組み合わせる

2.水分が多い生野菜

サラダで“冷え”が進行?温かい体づくりの敵になることも…

レタス、キュウリ、トマト…。彩りもよくヘルシーな印象の生野菜ですが、水分が多く体を冷やしやすいという性質も持っています。 更年期は自律神経の働きが乱れやすく、冷えがつらくなる時期です。

そんな時に冷たいサラダばかりを食べていると、内臓を冷やして代謝を落とす要因になることもあります。

▶ おすすめの取り入れ方
・根菜やきのこを使った“温野菜サラダ”にシフト
・味噌汁やスープなど、体を温める食材と組み合わせる

3.甘酒

糖質のとりすぎで血糖値が急上昇…

「飲む点滴」として人気の甘酒は、ブドウ糖やビタミンB群などを含み、栄養補給にも良いと言われていますが、その一方で糖質が非常に高く、血糖値を一気に上げてしまいやすい飲み物でもあります。特に空腹時や寝る前に飲むと、血糖値の変動が自律神経に影響し、だるさや眠気、メンタルの揺らぎにつながることもあるので要注意です。

▶ おすすめの取り入れ方
・朝食時や活動前の“エネルギー補給”として適量を
・コップ半分(100ml程度)を目安に

4.低脂肪ヨーグルト

“低脂肪=ヘルシー”でも、実は糖質が多いことも…

毎朝の習慣としてヨーグルトを取り入れている方も多いのではないでしょうか。しかし「低脂肪」や「脂肪ゼロ」と書かれたタイプは、加糖されていることが多く、意外と糖質が高いこともあります。

さらに、脂質が少なすぎると満腹感が得られず、間食が増えてしまうケースもあります。

▶ おすすめの取り入れ方
・無糖タイプを選び、ナッツやきな粉をトッピング
・たんぱく質が多めの“ギリシャヨーグルト”も◎

5.こんにゃく・寒天

「おなかは膨らむ」けど、栄養不足になる可能性も…

低カロリーで食物繊維もとれる、ダイエット食材の代表とも言えるこんにゃくや寒天ですが、食事の主役にしてしまうと、たんぱく質・脂質・ビタミンが不足して代謝が落ちやすくなることもあります。

また、満腹感を感じるわりに栄養が足りていない状態は、疲れやすさやメンタルの落ち込みにもつながりやすくなります。

▶ おすすめの取り入れ方
・おかずの“かさまし”として活用する
・主菜や主食は省かず、一緒に組み合わせて摂る

まとめ

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「体にいい」と思っていた食材でも、更年期の体には合わないことがあります。 ちょっとした“選び方”や“組み合わせ方”の工夫で、体の変化に優しく寄り添う食生活に整えていけたら素敵ですね。

【参考文献】

・厚生労働省(2024)日本人の食事摂取基準(2025年版)

・村岡仁美・大山牧子・田中茂穂. 更年期女性におけるホルモン変動と脂質代謝の関係に関する研究.(2016) 日本栄養・食糧学会誌, 69(6), 317–324

・柴田結花・菊地香. 冷え性の自覚症状と関連要因の分析(2017) 順天堂保健看護研究, 5(1), 13–22

・小野里弓・高橋知子. 「低脂肪食品」の摂取がエネルギー摂取量や満腹感に及ぼす影響(2019) 栄養学雑誌, 77(3), 117–124,   

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