あなたの『手放したい』を誰かの『欲しい』につなげる。「Clothing Swap」初開催レポート

あなたの『手放したい』を誰かの『欲しい』につなげる。「Clothing Swap」初開催レポート
腰塚安菜
腰塚安菜
2025-05-28
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本イベント「Clothing Swap」は一言で言うなら「物々交換会」。「Swap」という単語自体は15世紀の英語に遡る古い語源を持つそうですが、そもそもどう扱われてきたでしょうか。

Swap
photo by Adobe Stock

服の交換だけでなく「BookSwap」として本やCDを交換するイベントもあり、〇〇(を)Swap(交換する)meet(集まる)、あるいはPartyなどとイベントネーミングとして使われてきています。

国内で代表的には毎年4月の「アースデイ」など国内各地のエコ・エシカル系イベントでミニイベント的に、地域ごとの草の根レベルでも開催されてきました。遡ってみると、筆者も初めて「物々交換会」に参加したのは大学生の頃。

他に、持ち込む自分の服や本などにネームタグにメッセージを書いて付け、次の人へバトンを渡す企画も付帯していることがありました。

また、イベントの社会性も特徴です。アメリカなどでは公園など公共の場で、週末のマルシェやフリーマーケットと同様、文化の一環、日常的な風景として親しまれてきたそうです。

国内ではエコ・エシカルを掲げたり、あるコミュニティの中で循環型を目指すという試みで行われることが多いですが、海外では街の人の日常にもっとあたりまえの光景ということでしょう。

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不必要な人と寄付を受け取る側の「モノと人」のニーズ。マッチングはこれからも課題

筆者が10年以上さまざまなエコ・エシカルイベントやフェスタを回ってきた今思うことは、支援や寄付が一方的な押し付けになってはいないか確かめたいということ。

発展途上国を対象にした衣料品などモノの支援もありますが、その国が本当に希望しているのかという現地国のニーズは、自分の目で現地で確かめてみなければ信じがたい。企業・団体活動で寄付やボランティアが当たり前になったアフターSDGs時代に成長した20代の若者からも、最近同じような所感を聞きました。「行き先の確からしさがあるからこそ、参加する。」というのもこれからのエシカルイベントや寄付のあり方かもしれません。

そんな中、今回のように、フリーマーケットのように値段を付けて売り出すだけのイベントや、参加者が一方的に不用品を持ち込んで帰るだけの古着回収イベントとも違う、「信頼できるコミュニティの中でモノをまわす」という「Swap」イベントに再び脚光が当たるのではと希望を感じています。

服好きや本好きの「要る・要らない」というニーズを満たすだけではなく、誰かのセカンドハンド(モノ)で人と人がつながることも、読者のみなさんのイベントの参加意義として、ひとつの参考としていただければ幸いです。

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