「モノを所有してはいけない」わけじゃない!ヨガ的に考える"マキシマリスト"という暮らし方について
『マキシマリスト』を一言で表すと「最大限のモノを所有して生活する」と一言で言えるかもしれません。それだけ聞くと「ごちゃごちゃしている?」とイメージを持つ方もいるのではないでしょうか。けれど実際は「好きなモノに囲まれることでその幸福度を高める」というのがマキシマリストの最大の行動原理になります。「手放す」と言うイメージの強いヨガでは、モノも”手放さなければいけない”と思いがち。けれど、実際はモノを所有する上で”欲がなければ”所有してもOKと説かれています。
マキシマリストとは?
『ミニマリスト』という言葉を聞いたことがあるという方は多いかもしれませんが、『マキシマリスト』とは、好きなモノや大切なモノに囲まれた生活を好む人のこと。「持たない暮らし」「必要最低限のモノに囲まれて暮らす」などのミニマリストの対義語としてイメージされることも多いため、マキシマリストは「ごちゃごちゃした暮らし」「モノに溢れた部屋に暮らしている」と思われがちです。
しかし実際は、マキシマリストは自分の大好きなモノに囲まれる生活によって最大の幸福を得ることにポイントが置かれています。
ミニマリストの中にも、数着して洋服を持っていない人や全て同じ洋服を7日分(1週間分)持っている人、必要最低限の家具が置かれた真っ白が基調のお部屋に暮らしている人もいれば、自分のより好みをした家具やカラーに囲まれて暮らしている人がいるように、マキシマリストも人によってライフスタイルは異なります。中には壁中にたくさんのモノを飾ったり部屋中に集めたりする人もいれば、大好きなモノだけにお金をかけてそれ以外は質素な暮らしという人まで様々。
ヨガ的に考えるマキシマリストとは?
「余計なモノを手放す」というイメージが強いヨガですが、そんな考え方をベースにしたライフスタイルと言うと、「シンプルで無駄のない暮らし」と思う方も少なくないかもしれません。中には、”ヨガをする人=ミニマリスト”と考えている方も。
実際ヨガをしている人の中にはミニマリストの方もたくさんいらっしゃると思います。けれど、ヨガをしているからと言って、必ずしもミニマリストとは限りません。
そして、ヨガ的な考え方をもう少し深く探ってみるとヨガをしているからと言って「モノを所有していはいけない」とは説かれていないと筆者は捉えています。ヨガ哲学書の『ヨーガスートラ』の中で説かれているイーシュヴァラプラニダーナの考え方によると、モノを所有する際に心が執着していなければ、モノを所有しても良いと言われています。
イーシュヴァラプラニダーナとは、神への献身。モノを扱う時にも手荒な扱うのではなく、何でも優しくヨガのタッチで触れるようにすることが大切なのです。それが、どんなに小さなモノであっても。
先述した通り、マキシマリストは自分の大好きなモノだけに囲まれる生活によって最大の幸福を得ることにポイントが置かれています。言い換えれば、自分が本当に大切にしているモノ”だけ”を所有しているので、扱い方には全く問題ないケースがほとんどではないでしょうか。
モノとの親密な関係を築いているのがマキシマリスト
現代社会での問題は、モノを愛しすぎることではなく、十分に愛していないことなのではないでしょうか。
今世界中で言われている「サステナビリティ(持続可能性)」とは、自分の愛するものを否定してミニマルなライフスタイルを追求することとは少し違うかもしれません。
マキシマリストはモノをたくさん所有しているイメージから時代にそぐわないと思われがちですが、所有する一つ一つのモノとより密接な関係を築けているサステナブルなライフスタイルと言えると思います。
AUTHOR
桑子麻衣子
1986年横浜生まれの物書き。2013年よりシンガポール在住。日本、シンガポールで教育業界営業職、人材紹介コンサルタント、ヨガインストラクター、アーユルヴェーダアドバイザーをする傍、自主運営でwebマガジンを立ち上げたのち物書きとして独立。趣味は、森林浴。
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