ミニマリストではない"マキシマリストである自分"を認めて初めて知った「真の豊かさ」とは

 ミニマリストではない"マキシマリストである自分"を認めて初めて知った「真の豊かさ」とは
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ここ数年は”ミニマリスト”であることが”クール”と言われたり、”本質的な豊かさ”だと言われてきました。筆者も長らく、それを信じて実行してきた一人です。それが、ここ最近は考え方にある変化が生まれました。ヨガの教えの一つでもある「私の言葉が私の真実を映し出すようにする」こと意識すると、わたしはミニマリストではなく、ミニマリストになりたいわけでもなかったことに気づいたのです。わたしは、正真正銘のマキシマリストです。

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Less is more?

Jonny Caspari
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過去4〜5年、自称「ミニマリスト」と名乗っていた筆者ですが、ここ最近自分で自分につけたレッテルに疑問を抱くようになりました。

一時期は、部屋の中を真っ白にすることや、ブルーとグレーなど地味な色で”The シンプル”な状態をキープしていましたが、期待していたような喜びをもたらしてくれませんでした。むしろ、私にはカラフルな色や自分を楽しませてくれるアイテムに囲まれているときのほうが、インスピレーションを得られます。

"less is more"と言う言葉は、ここ最近よく見かける・耳にする言葉の一つではないでしょうか。"少ない方が豊かである"という意味を持つこの言葉は、20世紀に活躍したドイツ出身の建築家ミース・ファン・デル・ローエが残した言葉です。シンプルなデザインを追求することで美しく豊かな空間が生まれるという、建築家としての信念を表した言葉。現代では建築の分野から、プロダクトデザインやWebデザインなどの分野における引き算の美学、少ないもので豊かに暮らすミニマルライフのポリシーを代弁する言葉として使われています。また、環境保全の観点からも、物質的な豊かさを追求するのではなく、大切なものだけを選び取る「Less is More」の意識が欠かせないと言われるようになりました。

決してその考えが間違っているとは思っていません。けれど過去4〜5年にわたって物を減らした"だけ"では決して心は豊かになりませんでした。むしろ、反動で、物を減らしては新しい物を買うというサイクルを繰り返した経験もあります。

ただただ、「物を減らすこと」「部屋を真っ白にすること」にフォーカスしていたように思えます。

大切なのは物を減らすことではなく、豊かさを意識して行動すること。真っ白に恐る恐る執着する代わりに、心の底でいつも知っていた真実を受け入れている決意をしました。

私はマキシマリストなのです。

マキシマリズムとは?

Luisa Brimble
Photo by Luisa Brimble on Unsplash

マキシマリズムとは、巨大な家やあふれんばかりの財布を意味すると思われるかもしれませんが、単なる過剰の代名詞ではないことに注意しましょう。マキシマリストになっても、過剰消費というエコロジカルな罠に陥ることはありません。むしろ、マキシマリズムとは、鮮やかさ、豊かさ、創造性を追求する過剰な美学だと筆者は考えています。奇妙なものやユニークなものを受け入れ、他の誰もあなたのようにこれらのアイテムを組み合わせることはないという考えを尊重します。

とはいえ、ミニマリズムと同じように、マキシマリズムも買い切りではありません。どちらも、すでに持っているものを活用することを優先し、家やワードローブのために何をどのように手に入れるかを意識します。つまり、マキシマリストになったからといって(言い換えれば、ミニマリストでなかったからと言って)持続可能性を意識して暮らすことは可能なのです。マキシマリストとして自分の色を最大限に生かしながらサステナブルに暮らす方法を知ってさえいれば。

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AUTHOR

桑子麻衣子

桑子麻衣子

1986年横浜生まれの物書き。2013年よりシンガポール在住。日本、シンガポールで教育業界営業職、人材紹介コンサルタント、ヨガインストラクター、アーユルヴェーダアドバイザーをする傍、自主運営でwebマガジンを立ち上げたのち物書きとして独立。趣味は、森林浴。



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