【初心者向け!断捨離のコツ】整理整頓は生き方そのもの!?「ミニマル」な暮らしで豊かになろう

 【初心者向け!断捨離のコツ】整理整頓は生き方そのもの!?「ミニマル」な暮らしで豊かになろう
Maria Grejc

ヨガジャーナルアメリカ版の人気記事を厳選紹介!自分にとって本当に必要なものは何か、見直してみよう。不要なものを減らすほど、人生は豊かになる。

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ミニマリズムは単なる流行語ではない。マインドフルで持続可能な暮らしの実践であり、ヨガの基本理念とも密接に関わっている。生活をシンプルにし、より平穏に生きるコツを教えよう。

今ミニマリズムが注目を集めている。2020年のほとんどを家で過ごすうちに、いろいろなものが目に付くようになったせいかもしれない。あるいは貪欲に求め続ける現代生活に対し、本当に必要なもの以外は手放すという概念を発信する人が増えてきたためかもしれない。片づけコンサルタントの近藤麻理恵が片づけメソッドを披露するネットフリックスの配信番組『KonMari〜人生がときめく片づけの魔法〜』により、ミニマリズムは一気に広まったかもしれないが、ソーシャルメディアでも盛り上がりを見せている。たとえばインスタグラムで「ミニマリスト」と検索すれば無数の写真がヒットする。その多くはすっきりした線と面、長いカウンタースペース、完璧に整頓されたクローゼットを特徴とするインテリア写真だ。だが関心が高まる一方で、ミニマリズムは富裕層だけが実践できる一過性のものだと反発する人々もいる(現に、法外な値段の〝マイクロワードローブ〞を提案するサイトが山のようにある。クローゼットに必要最小限の上質な定番服だけを残して、残りは処分するためのアイデアだ)。また、スクールバスやRV車を住居用に改造して家を手放す人も増えている。彼らは遊牧民のような、禅的で簡素な#vanlife(バンライフ)と呼ばれる車上生活を謳歌している。昨年、全世界で経済が急降下した時も、バンライフ仕様にカスタマイズする(車両を車輪付きのおしゃれな家に変える)ビジネス業界では、前年の売上高より増加した企業もあった。

しかし、ミニマリズムは単にSNSを賑わす憧れのスタイルにとどまらない。ミニマリスト・コンサルタントのデヴィン・ヴォンダーハールは、ミニマリズムとは哲学であり、生き方だという。「多くの人は何もない真っ白な部屋をミニマリズムだと思っているでしょう」と彼女は言う。だがそうではない。「ミニマリズムとは、自分らしく生きる(本質を知る)ことです。物質的にどうこうではなく、自分が幸せでいられる場所であるかが問題なのです」。2010年に女性を対象にしたある研究では、家が散らかっているとストレスホルモンのコルチゾール値が上昇することがわかった。物を減らすと、身の回りを管理する意識が生まれ、ストレスが減り、より大事なことに集中しやすくなるという。ミニマリズムでは、不要なものや自分に合わないものを手放したり、既に使っているものを別の目的で活用したり、必要なアイテムをさらに使い勝手の良いものに置き換えたりする。

〝Live Well with Less〞というサイトを運営するミニマリスト・コンサルタントで作家のレジーナ・ウォンは、ミニマリズムとは自分を最も幸せにするものに最大限のスペースを与えることだと言う。「喪失ではなく喜びをもたらすものです」と彼女は説明する。「どれだけ最小限で暮らせるかというよりも、ないと生活できないものに目を向けるのです」。また彼女は、これからミニマルな生活を行う人はトレンドの罠にはまらないように、と警告する。「真っ白な壁や、マイクロワードローブや、リュックサックに収まる100個の物だけを持つことがミニマリズムではありません。自分にとって必要かどうかが問題です!」

ミニマリズムという言葉に違和感を持つウォンは、代わりに「意図的な生き方」というフレーズをよく用いる。「自分が何者で、何を望んでいて、どのように生きたいかを自問しそれに従うのです」
ヴォンダーハールも同意見だ。ミニマリズムとは単に自分が何を意図するかであり、平穏と幸せをもたらす機会や人々を受け入れるための精神的、肉体的なスペースを空けることだと彼女は言う。だが真の安らぎのためとはいえ、いきなり最小限の暮らしに変えるのは難しい。「時間をかけて」と、ヴォンダーハールは言う。自分にはできないと思ってしまうのは、どこから手をつけたらいいかを知らないからだ。「まずは自分がいる場所から。最初に気になるところから始めましょう」と彼女は助言する。ホームプラクティス用のスペースをつくるために客用の寝室を片付ける必要があるなら、そこから取り掛かろう。ガレージを整理したい気分なら、そうしよう!

どんな練習にも言えることだが、ミニマリズムも自分のために行うものだ。結果として片付いた部屋よりも、そこに至るまでの過程が大事だ。いきなり部屋全体に取り掛かるのが無理なら、まずは財布などの整理から始めるとよい、とウォンは言う。「小さくて扱いやすいものがすっきりすると、さらに大きなものでもやってみようと思えるようになります」。それを足掛かりにすれば、最終的には散らかったクローゼットとも別れられるだろう。

また、デジタルミニマリズムとは、デバイス画面を見る時間を最小限にし、自分に害のある情報を避けることだ。不安や自信喪失をあおるアカウントのフォローを外して、恐怖や興奮をかきたてるようなチャンネル、番組、情報は避けよう。つまりミニマリズムとは本当に必要なものだけに意識を置き、不要なものを排除することだとヴォンダーハールは説明する。

このように見ると、ミニマリズムはパタンジャリの根本経典ヨーガスートラにあるヤマ(やってはいけないこと)の5つ目、アパリグラハ(不貪)の実践とよく似ている。「アパリグラハは、必要以上に抱え込まず、持ちものに執着しない実践です」と話すのは、ロサンゼルスでコンサルティングスタジオ「True Ayurveda」を運営するアーユルヴェーダとヨガの講師、ジュリー・ベルニエだ。

「ヨガの練習やアーユルヴェーダのライフスタイルを通じて私たちは自らの内面に向き合い、本来の自分により近づきます。ですが、まわりの人々や所有物と調和することも大切です」。つまり、自分にとって本当に大切なもの、愛するものは何かを考え、それ以外は潔く排除するのだ。「このヤマの教えに従えば、私たちは必要以上に物を買わなくなり、ため込んだ余分な物を手放すようになります」とベルニエは言う。「自然にミニマリストになるんです!」

だからといって持ち物すべてを処分する必要はない。自分たちの消費習慣にもっと注意を払えば、環境にも優しくなれる。既にあるものを長持ちさせたり、再生不可能なものや、それらを家に届けるために環境を汚染するサプライチェーン(供給網)全体を避けるのもひとつの手だ。バンライフに使命感を持つ人も、心をすっきりさせて地球を守りたい人も、生活をシンプルにしたいなら次ページからのガイドを参考にしてほしい。家から物を減らしてスペースをつくれば、既にあるものにも新たな可能性が生まれるし、本当に好きなもののためにより多くの時間を費やせるようになる。

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by Cady Drell
illustrations by Maria Grejc
translation by Sachiko Matsunami
yoga Journal日本版Vol.75掲載

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