【何歳からでも目がよくなる方法】裸眼視力2.0の専門医が教える「目にいい食べ物」
目は一生ものです。何歳になっても「よく見える目」でいられるように、今日から、あなたに合った視力改善方法を実践していきましょう!裸眼視力2.0の日本一目がいい博士、平賀広貴(ひらが ひろき)先生の著書『最新の視力研究で導き出した 何歳からでも目がよくなる方法』(アスコム)より内容を一部抜粋してご紹介します。
積極的に摂りたい 「目にいい食べ物」とは?
さて、ここからは目に影響する食べ物について解説していきます。成分と役割から、ひも解いていきましょう。網膜を守ってくれるルテインやゼアキサンチンは、カロテノイドと呼ばれる植物由来の色素成分です。ほうれん草やブロッコリーなどに含まれています。この成分は体内で合成することができないため、食事やサプリメントから摂取する必要があります。特に、成人になると紫外線の影響や、酸化ストレスが影響して、網膜を守る力が減少するため、ほうっておくと加齢黄斑変性などの眼疾患のリスクを増加させるおそれがあると言われています。ルチンやケルセチンといった抗酸化作用のある成分は、フラボノイドと呼ばれる植物由来の化合物の一種で、ビタミンCの吸収促進や老眼予防などの効果が期待できます。ルチンはそばやほうれん草、ケルセチンはブドウなどに含まれているので、積極的にとっていきましょう。このように、ひと口に目にいい食べ物といっても、目に及ぼす要因はそれぞれ異なります。特におすすめの食べ物をピックアップしていきます。
ブドウパワーで網膜を徹底的にガードする
目にいい果物として、まずピックアップしたいのが、ブドウです。ブドウは近年、目の健康維持に効果的であるという論文が、数多く発表されています。たとえば、ブドウを定期的に摂取すると、「黄斑色素光学密度」という目の健康に重要な色素の密度が大幅に増加することが、2023年のシンガポール国立大学の論文で発表されています。34名の被験者が16週にわたりグレープパウダーとプラセボ薬(偽物の薬)を摂取したところ、グレープパウダーに明らかな効果があったのです。
また、ブドウに含まれるポリフェノールは、眼圧の維持やグルコース代謝、炎症のもとになるサイトカインの抑制に効果的で、目の健康に役立っているという報告もあります。さらには、白内障を予防し、水晶体の損傷を軽減させる効果もあることがわかっています。酸化ストレスによる損傷から網膜を保護し、網膜の健康を維持する効果もあります。じつは、私の実家はブドウ農家なのですが、子どものころは、おやつと言えばいつもブドウ。ずっと食べていました。いまでも実家に帰省した際は大量に持ち帰りますし、ワインやジャムなどの加工品も送ってもらい、年中摂取しています。そのおかげで、いまでも視力2・0を維持できているのだと考えます。
じつは実力派食材「ほうれん草」
ブドウと併せて摂取してほしい食材として、ほうれん草があげられます。ほうれん草には前述した「ルテイン」という、黄斑の細胞を保護する栄養素が、たっぷり含まれています。 ほかにも、
・光の刺激から目を保護してくれる「ゼアキサンチン」
・暗闇での極端な視力低下をふせぐ「ビタミンA」
・網膜の毛細血管の壁を強くしてくれる「ルチン」
など、目にいい栄養素が含まれています。また、冬のほうれん草には、夏のほうれん草の3倍ものビタミンCが含まれていることが知られています。厚生労働省が4万人を対象に行った食生活のアンケートでは、ビタミンCをたくさん摂っている人は白内障になりにくい傾向にある、という報告もあります。さらに、正常眼圧緑内障(眼圧が高くないのに、視野欠損など緑内障の症状が出る状態)の方の血中濃度には、ビタミンCの濃度が正常な人に比べて低い傾向が確認されているので、ほうれん草もブドウと同じく積極的に摂取してください。
濃淡をハッキリさせてくれる「ダークチョコレート」
じつは近年の研究で、チョコレートが視覚機能にいい影響を及ぼすことがわかってきました。特に、ポリフェノールの一種であるフラボノイド含有量が多く、カカオマスが40~60%の「ダークチョコレート」は、短期的に視力を向上させる効果があります。2028年には、テキサス州インカーネート・ワード大学の調査で、ダークチョコレートの摂取後2時間程度で、文字のコントラスト感度が向上して視力が上がる、という結果が得られました。視力改善目的でチョコレートを購入する場合は、カカオポリフェノールを打ち出している商品を選ぶといいでしょう。また、ダークチョコレートには、抗酸化作用があることで知られるフラボノイドが豊富に含まれています。これらの化合物は血流を改善し、酸化ストレスを軽減し、視覚能力の向上につながる可能性があります。同様にココアも網膜を酸化損傷から保護する効果があるとされているので、チョコレートが苦手な方はココアを試してください。
教えてくれたのは…平賀広貴(ひらが ひろき)先生
裸眼視力2.0の日本一目がいい博士。株式会社ブライトアイ代表。
1980年生まれ。2008年東北大学理学研究科化学専攻博士課程修了。株式会社東芝研究開発センターを経て2023年に独立。12歳から科学者を志し勉学に励むも、なぜ自分だけ視力が落ちないのか不思議に思っていた。特許76件、論文15件、第25回井上研究奨励賞や東芝イノベーションアワードなどの受賞13件。本業の傍ら、人間の視覚や「見る」とは何かを独自に探求し、目と脳、身体をアップデートし続け、「裸眼視力2.0」をキープしている。JAXA宇宙飛行士候補者選抜試験では、その視力の良さに検査員に驚かれた。現在はこの知見を活かし、脳と健康の指導を行っている。長男と次男も視力1.5以上をキープ中。
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