ストレス解消には自律神経が左右する?!身体と心を整える3つの食事法
忙しい日々を送る現代人にとって、「自律神経の乱れ」はとても身近なものです。 忙しさによるストレス、スマートフォンやパソコンの刺激、夜型生活、不規則な食習慣。こうした積み重ねが、交感神経と副交感神経のバランスを崩し、心身に不調をもたらしてしまいます。 今回は、自律神経を整えたいと感じている方に向けて、アーユルヴェーダの観点から日常生活で取り入れやすい食事のポイントをご紹介していきます。
そもそも自律神経が乱れるとは?
なんとなく疲れが取れない、眠りが浅い、理由もなく焦りや不安を感じる……そんなサインに心当たりはありませんか?もしこれらの症状を感じていたら、自律神経が乱れているサインかもしれません。
アーユルヴェーダで考える「自律神経の乱れ」とは?
アーユルヴェーダでは、私たちや自然界の中に、「ヴァータ」「ピッタ」「カパ」という3つのドーシャがあるとされています。ドーシャとは、生命エネルギーのこと。身体や心のバランスを左右しています。このうち、現代のストレス社会で乱れやすいと考えられているのが「ヴァータ」です。ヴァータは「風」と「空」の要素を持ち、動き・軽さ・冷たさ・乾燥などの性質を持っています。
ヴァータが乱れると、次のような不調が現れやすくなります。
・不安感、焦り、イライラ
・眠りが浅い、寝つきが悪い
・食欲の不安定さ、便秘
・手足の冷え、肩こり
・集中力の低下、疲れやすさ
これらはまさに、自律神経の乱れによって引き起こされる症状と重なります。つまりアーユルヴェーダでは、自律神経を整えるには「ヴァータを整える」ことが鍵だと考えるのです。
自律神経を整える食事の基本
アーユルヴェーダでは、心と身体は切り離せないものと考えます。身体を整えることが心を整え、心を癒すことが身体の回復につながります。そのため、アーユルヴェーダの食事法は「消化力を高め、心身のバランスを取る」ことをとても大切にしているのです。ここからは、具体的に消化力を高め、ヴァータを整える、自律神経をサポートしてくれる食事方法をご紹介します。
①温かく、潤いのある食べ物
ヴァータには、「冷たさ」「乾燥」の性質があるとされています。そのため、温かく、潤いがある食事を意識することが、ヴァータを整えることに繋がります。
・あたたかいスープや煮込み料理
・炊きたてのお米
・温野菜
なるべく冷たいサラダや冷えた飲み物は控え、身体の内側から温めてあげることがポイントです。
②良質なオイルを適度に取り入れる
軽くて乾燥の性質を持つヴァータには、オイルのしっとり重たい性質が、ヴァータを落ち着かせる大切な要素です。
食事に良質なオイルをプラスすることで、心と身体に潤いを与えることができます。
・ギー
・良質なごま油
・オリーブオイル
特にギーは、1000の効果効能を持つとされ、アーユルヴェーダでは「生命力を高める食材」として重宝されてきました。ほんの少しでも食事に取り入れると、消化力を高めながら自律神経をサポートしてくれます。
③決まった時間に、適量を食べる
自律神経が乱れているときは、食欲にも波が出やすくなるのが特徴です。そんなときに「お腹が空いてないけど食べる」「忙しくて食べそびれる」ということをしていないでしょうか?
これらが続くと、ヴァータはさらに乱れ、心身の不調が加速してしまいます。
できるだけ毎日同じ時間に、空腹を感じたタイミングで、食べすぎず腹八分目を意識することが大切です。また、夜遅くの食事は副交感神経を妨げるため、できれば夜8時までに夕食を済ませるように意識してみましょう。
食事よりも大事にしたいこと
アーユルヴェーダでは、何を食べるか以上に、どう食べるかを大事にしており、「消化力(アグニ)が健康の土台」と考えます。
消化力が弱まると、未消化物(アーマ)が体内に蓄積し、心と身体の両方に悪影響を及ぼします。アーマが増えると、身体が重だるくなり、心もモヤモヤと重く、不安定になりやすいのです。
つまり、消化力を整えることは、自律神経を安定させる大きな土台になります。
・テレビやスマホを見ながら食べない
・ゆっくり噛んで、食事の香りや味をしっかり味わう
・感謝の気持ちを持って食べる
・食後はしばらく座って静かに過ごす
これらは「食べすぎない」「消化に負担をかけない」「胃腸を休める時間を作る」ということにつながり、消化力を落とさないようにする食生活です。このような小さな習慣が、自律神経を深く整えるサポートになります。
ストレスを感じやすい現代社会では、無意識のうちに自分に負荷を与えてしまっていることがあります。
そんな中、毎日の小さな積み重ねや、身体と心に優しく寄り添う選択が、自分をケアし、無理なく整えていくことができるのです。アーユルヴェーダの知恵は、忙しい私たちに「もっと頑張る」ではなく、「自分を大切にする」ことを思い出させてくれるもの。
毎日の食べることを通じて、自分をいたわる時間をぜひ作ってみてください。
AUTHOR
- SHARE:
- X(旧twitter)
- LINE
- noteで書く




