「春だから?日中どうにも眠くて、仕事中に隠れて居眠りしています…」対策は? #毒出し保健室


アーユルヴェーダの中で大切にされている考え方をシンプルに言うと、"体に毒を溜めない/毒を排出する"という『毒出し』。「大きな声ではちょっと言えない」「身近な存在の人には知られたくない」と言った悩み事を抱えていませんか? 体調や心の悩み、人間関係やら恋愛、夫婦やパートナー間のあれこれまで、皆さまの悩ませている毒を溜めずに排出するべく、アーユルヴェーダアドバイザー/ヨガ講師の桑子麻衣子がアーユルヴェーダとヨガの智慧をベースにお悩みに答えます!
今回、毒出し保健室を訪れてくれたのは、日中の眠気にお悩みのMさん。お話を伺ってみると、どうやら春特有の変化にカラダがついていけていないようです。
「春は眠い…。日中眠くならない方法を教えて」
Mさん: 毎日、眠たくて仕方ありません。時々、本当に耐えられなくて…仕事中に隠れて居眠りするくらい。目が開かなくなってしまうんです。
桑子: それは辛いですね。朝は起きられていますか?
Mさん: しんどい時もあります。朝起きた瞬間から疲れているなんてことも。けれど、頑張って起きています。きちんと眠れていないのかもしれません。
桑子: 睡眠の質も落ちているわけですね。そういった症状が出始めたのは最近のことでしょうか?
Mさん: そうですね。暖かい日が増えてきてからだと思います。
桑子: 起床時間、就寝時間は決まっていますか?
Mさん: 平日は、朝5時半に目覚ましをかけて、6時までにはベッドを出ます。夜は、0時から2時の間くらいでしょうか。土日は、バラバラです。
桑子: 花粉症などはありますか?
Mさん: ないと思います。気になったことはありません。
桑子: ここ最近、環境の変化や強いストレスを感じることなどはありましたか?
Mさん: それも特にはないですね。ストレスがないわけではありませんが、社会人3年目で仕事も楽しくもなってきたのでネガティブなストレスではないです。ただ、暖かくなったり、急に寒くなったりするのは、ちょっとキツイなと思っています。
桑子: 寒暖差ですね。普段、冷えは感じますか?
Mさん: 冷え性ですね。暖かい日でも、手足が冷えていることが結構あります。
桑子: 運動習慣はありますか?
Mさん: ヨガに行ったり、行かなかったり…。運動を習慣化はできてないですね。
春は眠りにとって過酷な時期?その原因は
陽の光が少しずつ穏やかになり、暖かい日も増えてくると、なんだか睡眠の質が上がるのでは・・・?と思ってしまいますが、実は春に睡眠の悩みを抱える方はとても多いんです。とは言え、日中強い眠気に襲われるのは、お仕事や日常生活にも支障をきたしてしまうため、どうにかしたいものですね
春の眠気の原因ははっきりとは分かっていないのですが、どうやら3つ原因が考えられているようです。
1) 環境の変化 2)アレルギー症状 3) 寒暖差
1つ1つ見ていきましょう。
1) 環境の変化
春は環境の変化が大きくなる時期。そのため、知らず知らずのうちに、疲れやストレスが溜まり、心身の調子を崩してしまうことも。これによって、睡眠の質を下げてしまうと考えられます。
2) アレルギー症状
春は、花粉や黄砂、PM2.5など、アレルギー症状を引き起こす物質が大量に飛散します。くしゃみや鼻水が止まらず眠れない、あるいは薬の副作用によって日中に強い眠気に襲われることも。
3)寒暖差
Tシャツ1枚で外を歩けるようになったかと思えば、翌日にはセーターを引っ張り出さないと…なんてことも珍しくない春。実は、1年のなかでもっとも寒暖差の激しい時期なんだとか。この寒暖差に、カラダはついていけず自律神経が乱れやすくなります。自律神経とは、活動モードの時に優位になる交感神経とリラックスモードの時に優位になる副交感神経からなる神経のこと。自律神経のバランスが崩れると体のリズムが崩れやすくなってしまい、夜にうまく眠れなかったり、日中強い眠気に襲われることがあります。
また、アーユルヴェーダ的なお話もさせて下さい。私たちのカラダは、ドーシャと呼ばれる3つのエネルギー(ヴァータ、ピッタ、カパ)で構成されています。このエネルギーは、それぞれ年齢や環境、また季節に影響を受けます。人によってそのバランスは変わってきますが、春はカパと呼ばれるエネルギーが増加。カパは、冷たく、重く、そして油っぽいことが特徴のエネルギー。カパが強くなりすぎてしまうと、カラダが冷えたり、重くなってしまって、カラダがだる重になってしまう傾向があります。カラダがだる重くなると、カラダを動かすのが億劫になってしまったり、眠気に襲われるということも。
春の眠気対策
春の眠気対策のおすすめは、1)自律神経を整えること 2)睡眠の質を上げること。この2点に意識を向けてみて下さい。以下、Tipsになります。ぜひ参考にしてみて下さい。
朝日を浴びてスタート
朝起きたら、まずカーテンをあけて、朝日を浴びて1日をスタート!朝日によって脳内で分泌されるセロトニンという物質が、夜に睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌を促すことが分かっています。朝日を浴びることで「睡眠予約」がはいるわけですね。夜の上質な睡眠は、朝起きた瞬間から準備が必要なわけです。しっかり寝ることで、1日を健やかに過ごせるようになるはずです。
睡眠リズムは規則正しく
起床と就寝時間は毎日同じリズムにするのがベター。アーユルヴェーダでは理想的なライフスタイルとして規則性をとても尊重しているんです。睡眠生活を同じリズムで繰り返すように、カラダもそのリズムに馴染んでよく眠れるようになるはず。就寝は、21時から23時くらいの間までにするのが理想的です。
カラダを冷やさない
どんな症状においても、カラダを冷やすことはNG。特に、冷えは自律神経の乱れに影響して、睡眠の質を大きく下げてしまうことが懸念されます。
気温が上がると、どうしても冷たいものを選びがち。飲み物などはなるべく温かいものを意識して飲んでみるのが◎。またまだまだ気温が不安定なこの時期は、急な寒さに備えて羽織物を常備するのがベター。
アーユルヴェーダ的には、目覚めの一杯として白湯を飲むことをおすすめしています。カラダの内側からポカポカ温めてくれて、代謝もあがるはず!
適度な運動
適度な運動を習慣化することで、活力が上がると同時に、睡眠の質も上がります。特にカパは、溜め込みやすいエネルギーのため、定期的に運動していないと、上手く循環せず、様々な不調に見舞われることになってしまいます。
忙しい場合は、普段の暮らしの中からできることを。例えば、エレベーターを階段に変えてみたり、一駅歩いてみるなどもおすすめ。もし可能であれば、昼食後30分から1時間以内に15分程度のウォーキングなど軽めの運動をしてみるのが、とてもおすすめです。新鮮な空気によって眠気がスッキリすると同時に、血糖値の上昇(食後の眠気の原因)も抑えてくれるため眠たくなりずらくなります。
香りを活用
就寝前にアロマを焚くというイメージはありますが、実は鼻から脳へとダイレクトに刺激を与えてくれるアロマは眠気をスッキリさせる効果も期待できるんです。
おすすめは、ペパーミント、ローズマリー、ユーカリ、ハッカなど。スプレータイプのものであれば、秒でスッキリすることができるので、デスクの上に忍ばせておくのはいかがでしょうか。
いかがでしたか?陽の光がだんだんと穏やかになり、過ごしやすい日も増えてくる時期。眠気に負けてなんていられませんよね。睡眠の質を上げ、また自律神経のバランスを整えて、楽しい春を過ごして下さいね!
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