「常に眠い」「寝過ぎてしまう」…大丈夫?それとも病気?心の専門家が教える原因と対処法
春になり、「最近なんだか眠たいな」「寝過ぎているけれど大丈夫かな」等と悩んでいませんか?今回は寝過ぎてしまう原因について解説します。
春に寝過ぎてしまう理由
「春眠暁を覚えず」というように、春になり眠気を感じる人は多いのではないでしょうか。春に寝過ぎてしまう理由を紹介します。
日照時間や気候の影響:気候が暖かくなると、交感神経が活発となり、日中の活動量が増えやすくなります。活動量が増えたことで疲労感が増え、眠気を感じやすくなります。
花粉症やアレルギー:春には花粉が多く飛散するため、花粉症の症状が現れることがあります。花粉症は、鼻づまりやくしゃみなどの症状を引き起こし、睡眠の質を低下させることがあります。また、アレルギー反応が疲労や睡眠不足を引き起こす可能性もあります。
環境の変化:春は就職や進学、引越しなど環境の変化が多い季節です。新しい環境への不安やストレスによって疲労感が増し、眠気を感じやすくなっている可能性があります。
寝過ぎてしまう理由とは
寝過ぎてしまう理由は、「春のせい」以外にもあるのでしょうか。以下に紹介する他の要因を検討してみましょう。
睡眠不足のリカバリー
連日の睡眠不足が原因で、その補填として身体が長時間の睡眠を必要としている可能性があります。特にストレスや忙しさが続く場合、睡眠時間が不足しがちになり、そのリカバリーが必要となります。
心理的な要因
ストレスや落ち込み、不安などの心理的な要因によって寝過ぎてしまうことがあります。ストレス等による脳疲労は睡眠で回復をします。心が休息を求め、睡眠が過度になっているのかもしれません。
生活習慣
不健康な生活習慣は、睡眠パターンに影響を与える可能性があります。例えば、夜遅くまで動画配信を見ている、ゲームをやっている等です。スマホやPCを使用することは、睡眠の質を低下させ、結果として寝過ぎてしまう可能性があります。
睡眠障害
睡眠時無呼吸症候群やナルコレプシー(過眠症)などの睡眠障害がある場合、過度の睡眠を引き起こす可能性があります。
健康上の問題
一部の健康問題や薬の副作用によって過度の睡眠を引き起こす可能性があります。例えば、甲状腺機能低下症や糖尿病などの疾患は、睡眠のパターンに影響を与えることがあります。
寝過ぎてしまう場合の考えられる要因を紹介しました。まずは、自身の生活状況や健康状態をよく理解することが重要です。そして、必要に応じて医師と相談しましょう。
寝過ぎてしまう場合の対処法とは
寝過ぎてしまう場合は、以下の対策を試してみましょう。特に睡眠の質の低下によって過眠している場合は、睡眠の質を向上させることが大切です。まずは自分自身で改善できることから取り組みましょう。
睡眠スケジュールの調整
毎日同じ時間に寝ることや起きることを心がけると、体内時計が安定し、睡眠のリズムが整います。
健康的な生活習慣
バランスの取れた食事を摂り、適度な運動を行うことで、睡眠の質を向上させることができます。また、夜遅くまでスマホやPCを使用せず、寝る前は簡単なストレッチ、アロマなどリラックスできる時間を増やしましょう。
ストレス・マネージメント
ストレスが過眠の原因になっている場合、意識的にストレス対処法を身につけましょう。ストレスに対する向き合い方を認知行動療法などで身につけること、ストレス解消法やマインドフルネスなどを取り入れることで、ストレスを軽減し、睡眠を改善することができます。
睡眠環境の見直し
快適な睡眠環境を整えることで、より良い睡眠を得ることができます。静かで暗い部屋、快適な寝具、適切な温度などが重要です。特に枕やマットレスは睡眠の質に影響をするので見直してみましょう。
寝過ぎてしまう状態が長期間続く場合は、医師に相談し、適切な治療法を受けることが重要です。特に睡眠障害や健康問題が原因である場合は、専門家の助言を受けることが必要となってきます。自分一人で抱え込まずに相談してみましょう。
AUTHOR
石上友梨
大学・大学院と心理学を学び、心理職公務員として経験を積む中で、身体にもアプローチする方法を取り入れたいと思い、ヨガや瞑想を学ぶため留学。帰国後は、医療機関、教育機関等で発達障害や愛着障害の方を中心に認知行動療法やスキーマ療法等のカウンセリングを行いながら、マインドフルネスやヨガクラスの主催、ライターとして活動している。著書に『仕事・人間関係がラクになる「生きづらさの根っこ」の癒し方: セルフ・コンパッション42のワーク』(大和出版)がある。
- SHARE:
- X(旧twitter)
- LINE
- noteで書く