4月。異動や転勤など生活の変化で疲れていませんか?心理師が教える、変化による疲れを癒やす方法
みなさん、生活の変化に疲れていませんか?就職や転職、転勤や部署移動、入学や進級、引っ越しなど。春は様々な生活の変化があるシーズンです。自分自身は生活の変化がなくても、家族の生活の変化による影響もあります。ささやかな変化でも私たちにとってはストレスになりますので、今回は生活の変化での疲れの癒やし方について紹介します。
なぜ生活の変化はストレスになるの?
生活の変化がストレスになる理由はいくつかあります。まず、私たちは「予測できないこと」を不安に感じます。例えば、仕事内容の変化、新しい職場や住環境への移動、人間関係の変化など、生活に起こる変化は私たちの日常のパターンやルーティンを変える可能性があります。「上手くやっていけるのか」「どうなるのか」実際の生活に慣れるまでは答えが出ません。そのため、私たちの安定感やコントロール感が揺るぎ、ストレスを引き起こします。また、生活が変化した後、適応に時間がかかることもあります。新しい環境や状況に適応するには、新しいスキルや戦略を学ぶ必要があります。この適応期間中は、不安や焦燥感が高まり、ストレスを感じることがあります。新しいことをする、慣れないことをする、いつも以上に周囲に気を使う、調べること・学ぶことが多いなど、時間や労力が費やされ、ストレスが増えるでしょう。そして、生活の変化によって、人間関係の変化から孤独感などの感情が引き起こされることがあります。人は孤独になると、何かに依存したくなります。例えば、お酒や甘いもの、ゲームやSNSなど刺激が強いものに頼りがちです。しかし、これら「モノ」によっても孤独感は癒えないため、悪循環に陥りやすくなります。これから紹介する癒し方も参考にしてください。
どうやって生活の変化による疲れを癒すの?
生活の変化による疲れを癒すためには、自分自身を大切にして、身体と心の両面に焦点を当てることが重要です。
身体の疲れを癒す
身体的な疲れを癒すためには、十分な睡眠を取ったり、バランスの取れた食事を摂ったり、定期的な運動を行うことが大切です。特にストレスがたまっているときは、リラックスするための活動を取り入れることが重要です。ストレッチやヨガなどの身体を柔らかくし、リラックスさせる運動は、筋肉の緊張をほぐし、ストレスを軽減します。
心の疲れを癒す
心の疲れを癒すためには、ストレスや不安などの感情をマネジメントするためのテクニックを身につけることが役立ちます。例えば、マインドフルネスや瞑想を行うことで、心を落ち着かせ、ストレスを軽減することができます。また、セルフケアや趣味に時間を割くことも重要です。自分の好きなことや興味を持つ活動に時間を費やすことで、心をリフレッシュし、ポジティブな気持ちを養うことができます。そして、ストレスや疲れを解消するためには、自分の感情やストレスの原因に向き合うことも必要です。私たちはネガティブな感情ほど目を逸らしたり、否定したりしがちですが、生活の変化の中でどのような感情も「あって当然」です。自分の中の感情を認めて「不安だよね」「しんどいね」と共感してあげましょう。最後に、自分一人で対処できないと感じたらカウンセリングや心理療法を受けることもおすすめです。最も大切なのは、自分自身を大切にし、自分の気持ちやニーズに気づき、必要な行動をすることです。
新しい環境に慣れるまでの時間は?
生活の変化後に慣れる・適応するまでの期間は個人や状況によって異なりますが、小さな変化の場合は適応に数週間から数ヶ月かかることが多いでしょう。例えば、仕事内容の変化や新しいルーティンの確立などが含まれます。しかし、大きな生活の変化の場合は、適応に数ヶ月から半年以上かかる場合があります。例えば、転職や引っ越し、家族構成の変化などです。新しい環境に慣れるためには、より多くの時間と労力が必要です。もちろん、今までの経験や性格、特性など個人差がありますので、自分自身や周囲の人々のサポートを受けながら、ゆっくりと時間をかけて新しい状況に適応していくことが大切です。
AUTHOR
石上友梨
大学・大学院と心理学を学び、心理職公務員として経験を積む中で、身体にもアプローチする方法を取り入れたいと思い、ヨガや瞑想を学ぶため留学。帰国後は、医療機関、教育機関等で発達障害や愛着障害の方を中心に認知行動療法やスキーマ療法等のカウンセリングを行いながら、マインドフルネスやヨガクラスの主催、ライターとして活動している。著書に『仕事・人間関係がラクになる「生きづらさの根っこ」の癒し方: セルフ・コンパッション42のワーク』(大和出版)がある。
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