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【最新研究結果】バターをオリーブオイルなどの植物油に変えるだけで寿命が延びる！？

山口華恵 2025-03-23

ハーバード公衆衛生大学院が実施した大規模な研究によると、バターを植物油に置き換えることで、早期の死亡リスクが低下し、特に心血管疾患やがんによる死亡リスクが減少することが明らかになった。この研究は、アメリカ国内の20万人以上を対象に、33年にわたって食生活と健康状態を追跡したものである。

バターの摂取と死亡リスクの関係

バターはその風味とコクで広く愛されているが、健康面でのリスクが心配されている。ハーバード公衆衛生大学院の研究によると、バターを多く摂取する人々は、摂取量が少ない人々に比べて、全死亡リスクおよびがんによる死亡リスクが高いという研究結果が得られた。バターは飽和脂肪酸を豊富に含み、この脂肪酸が血中のLDL（悪玉）コレステロールを増加させ、動脈硬化を引き起こす原因となることが知られている。動脈硬化は心血管疾患のリスクを高め、最終的には心筋梗塞や脳卒中を引き起こす。今回の研究では、33年間にわたり、アメリカ国内で20万人以上を対象に追跡調査を行い、そのデータを分析した結果、バターが死亡リスクを高める要因であることが確認された。特に、バターを多く摂取することで心疾患やがんによる死亡リスクが顕著に上昇することが分かっている。バターに含まれる飽和脂肪酸が体内で炎症を引き起こし、動脈を硬化させ血液の流れを妨げるため、長期間にわたる摂取が健康に悪影響を及ぼすのだ。

植物油に切り替えると死亡リスクが低下

一方で、植物油（特にオリーブオイル、キャノーラ油、大豆油など）は死亡リスクを低下させることが確認された。これらの植物油には、不飽和脂肪酸が豊富に含まれており、これが心血管疾患やがんの予防に効果的であるとされている。ハーバード公衆衛生大学院の研究によると、植物油を多く摂取している人々は、全死亡リスクが16%低いことが分かっている。植物油が血管の健康を守り、血液中のコレステロール値を改善することが示唆されており、特にオリーブオイルやキャノーラ油は、単不飽和脂肪酸や多価不飽和脂肪酸が豊富で、心血管疾患やがんのリスクを低減させる効果がある。さらに、1日10g（約大さじ1杯）のバターを植物油に置き換えることで、全死亡リスクおよびがんによる死亡リスクがそれぞれ17%低減することが分かった。

健康に良い植物油とは？

植物油の中でも特に推奨されるのは、オリーブオイル、キャノーラ油、大豆油である。これらの油は、不飽和脂肪酸を豊富に含んでおり、血液の流れをスムーズにし、心血管疾患の予防や健康の維持に役立つ。また、これらの油には抗炎症作用があり、体内の炎症を抑えることで、がんやその他の慢性疾患のリスクを低減する効果もある。一方で、コーン油やサフラワー油などの植物油は、効果が十分に証明されていない。また、パーム油やココナッツオイルなどのトロピカルフルーツから抽出される油には飽和脂肪酸が多く含まれており、過剰に摂取すると健康に悪影響を及ぼす可能性がある。そのため、飽和脂肪酸の摂取は控えめにし、植物油を積極的に取り入れることが推奨される。

心疾患リスクを防ぐためにもバターは控えめに

アメリカ心臓協会（AHA）は、飽和脂肪酸の摂取を総カロリーの6%以下に抑えることを推奨している。例えば、1日2000カロリーの食事を摂取している場合、飽和脂肪酸の摂取量は13g（バター1杯分程度）に留めることが理想的である。バターの代わりに植物油を使うことで、健康維持に必要な脂肪酸を適切に摂取できる。また、AHAは、「飽和脂肪酸を不飽和脂肪酸に置き換えることで、心疾患リスクが約30%低下する」と報告している。ハーバード大学の専門家たちも、「心臓発作を防ぐためにはバターを植物油に変えるべきだ」と強調している。健康を維持するためには、日々の食事選びが大切である。バターを植物油に切り替えることは、心血管疾患やがんの予防につながり、長期的な健康維持に大きな影響を与える。キッチンにある油を見直し、植物油を積極的に取り入れることで、より健康的な生活を実現できる。