【冷凍野菜】栄養はある?ホームフリージングとの違いは?「冷凍野菜」のギモンに管理栄養士が回答!


野菜の価格高騰が続きますね。価格が安定している「冷凍野菜」は手軽で便利ですが、なんとなく栄養がなさそうなイメージはありませんか?むしろ冷凍野菜は生野菜より栄養価が高い場合もあります。その理由と冷凍野菜を活用するメリットを3つ、管理栄養士が解説します。
冷凍野菜に栄養はある!その理由は?
結論から言うと冷凍野菜にも栄養はあります。その理由は栄養価の高い「旬の野菜」を「急速冷凍」しているためです。冷凍野菜は90℃~100℃ぐらいの熱湯に漬けたり蒸気に当てて、70%~80%加熱します。(ブランチングと呼ばれる工程)下処理した野菜を−30度から−40度で急速冷凍し、包装して出荷されます。急速冷凍することで野菜の細胞壁を壊さず栄養素の流出を防ぐことができます。急速冷凍した後は−18度以下で保存されます。代表的なビタミンの1種であるビタミンCは−18℃以下で保存すると食品中の減少率が緩やかになり、ビタミンの残存率が安定することもわかっています。
冷凍野菜を取り入れるメリット3つ
値段と栄養がお得
冷凍野菜は鮮度が良く栄養価も高い野菜を急速冷凍して出荷されています。例えばほうれん草は夏と冬の2回旬がありますが、冬採りの方がビタミンC含有量が高いです。旬を過ぎた生野菜を買うより、旬の野菜を加工した冷凍野菜の方が価格も栄養もお得に取り入れられます。
保存料不使用で安心・衛生的
−18度以下の低温で保存することで食中毒の原因となる細菌が活動できなくなります。食品を長持ちさせるために使われる保存料を使用する必要もないため、安心で衛生的です。
下処理済みで手軽に使える
冷凍野菜はヘタや皮を取り除かれているので捨てるところがなく無駄がでません。また70%~80%加熱加工されているため調理時間の短縮にもつながります。まな板や包丁を使わなくて済むので手軽に普段の食卓に野菜をプラスできます。
自宅で冷凍保存するのと何が違う?

家庭用冷蔵庫の冷凍室で食品を凍結させることをホームフリージングといいます。ホームフリージングと冷凍食品の違いは、食品が凍るまでにかかる時間と温度です。家庭用の冷凍室はだいたい−18度に設定されています。冷凍食品は−30度〜−40度で凍結されるため、まず凍結温度に圧倒的な違いがあります。温度が低いと食品が凍るまでに時間がかかりますが、食品がゆっくり凍ると食品の細胞・組織が壊れ、解凍した時に元の品質に戻らなくなってしまうことがあります。解凍した時にドリップが大量に出て、それと共に栄養も流れ出てしまいます。
まとめ
冷凍野菜は安定した栄養素の野菜をお得に食べられること、安心で衛生的であること、下処理不要で手軽に使えるという3つのメリットがあります。野菜摂取量の不足は生活習慣病のリスクを高めます。自分や家族の健康を守るためにも、冷凍野菜を活用して賢く野菜を取り入れてみましょう。
〈参考文献〉
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