TENGAがまじめに作った「セックスガイド」が伝える、お互いに満足できるセックスのマナー

 TENGAがまじめに作った「セックスガイド」が伝える、お互いに満足できるセックスのマナー
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「AVをセックスのお手本にしてはいけない」はよく聞く言葉です。しかし、信頼性のある正確な情報に出会うのが難しいのも事実ではないでしょうか。性に関する悩みや課題の解決に取り組んでいるTENGAヘルスケアでは、「TENGAがまじめに作ったセックスガイド(以下、セックスガイド)」を制作・販売しています。制作の経緯や内容について、制作チームのお一人である、本井はるさんにお話を伺いました。

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お互いにハッピーなセックスをするためのガイド

——「セックスガイド」はどういった経緯で制作されたのでしょうか。

最初は「トレーニングテトラ」という、腰振り練習器具(クッション)の購入特典として企画されたものです。

「腰振りに悩んでいる人は、セックスにも悩んでいるだろう」と考え、腰振りだけでなく周辺知識を盛り込んだガイドがあれば、より使用のモチベーションが高まると思いました。

どこまで情報を取り入れるか検討する中で「セックスそのもののガイドにしてしまった方がいい」という意見が出て、セックスガイドを作ることに。弊社で実施したアンケート調査(※1)では、20代から50代の男性の悩みの一番が「相手がセックスに満足しているかどうか」であり、セックスについて、TENGAとして言語化して取り組む必要があるという話にもなりました。

内容としては、セックスのテクニック的な話だけでなく、TENGAヘルスケアとして扱っている、性機能障害(早漏や遅漏)・腰振り・妊活・性教育など。制作しているうちに、質的にも量的にも単独で販売できるものが完成したため、noteにて販売し、セックスガイドだけでも購入できるものにしました。

監修は、女性向けAVで活躍している一徹さん、セックスコラムニストのBETSYさん、AV男優で性愛に関する研究や考察をされている森林原人さん、泌尿器科医の福元和彦さんに依頼しています。

なお、制作チームは女性3人で、社内ヒアリングで男女ともに意見を聞きながら制作しました。

——セックスガイドの構成についてはどのように決めていったのでしょうか。

最初に巷にあるセックス本やセックス情報のリサーチを行いました。多くのものは、どうやって相手を開発するか、イカせるか、ホテルに連れ込む方法など、自分の欲望が中心にあるテクニックの話が多かったです。

でもTENGAが目指すのは、自分も相手も満足できる状態にすること。TENGA社のミッション「性を表通りに。誰もが楽しめるものに変えていく」に立ち返ると、お互いがハッピーであることが前提です。

お互いに愛情を持って相手を気持ちよくしたい、自分も気持ちよくなりたいと思っている人をターゲットにして作成したかった。その上でどういう項目が必要なのかをチームでリストアップしました。

ハッピーなセックスをするためには、性的同意は外せないため、「相手を誘うときのコミュニケーション」を入れることは序盤に決まりました。

その後、社内でヒアリングも行って。

——どんなことが見えてきましたか?

「あなたはセックスのときどんなことが重要ですか」と質問してブレインストーミングを行いました。

その中では、「いきなりキスされたときにびっくりした」「こんな手マンだと痛かった」「こんな言葉攻めが怖かった」など、やめてほしいことの意見がいくつか出てきました。

「体に感覚を集中させたいから、気が散らないよう電気は真っ暗がいい」「体を密着させると安心感が増える」「腰振りは体幹がぶれないことが大事」など自身の体験からのメソッドのシェアも。

ヒアリングの中で、男女で「セックスの定義」の捉え方の傾向が違うことも見えてきました。

——どこからどこまでが「セックス」と認識しているかが違うと。

男性社員は挿入のことを「本番」と呼んでいました。つまり、セックスの本番=挿入してから射精までというイメージです。

一方、女性社員や制作チームでは、「多くの女性にとっては、セックス前のコミュニケーションからピロートークまでがセックス」という感覚という話になりました。

これに似ているのですが、「セックスと食事は共通することが多い」と話す社員がいたのが印象に残っています。セックスのメインとして捉えられがちな挿入行為ですが、それはレストランで考えると=料理そのものです。

確かに料理の味は大切ですが、レストランへ行って食事をすることが良い体験だったかの決め手は料理だけではありません。お店の雰囲気やテーブルや椅子の使い心地、接客などがあってこそ、深みのある感情が引き出されてきます。

そういう話を聞いて、包括的にセックスがどう向上させられるか、という視点を持つようにもしました。

テクニックだけでなく気持ちも大事に

——セックスに関する正確な情報を得る機会が少ないため、無意識レベルを含め、AVをお手本にしている人は少なくないように感じます。

今回の監修のお一人でもあるAV男優の一徹さんにお話を伺ったとき、「僕たちがAVでやっているようなセックスは、パフォーマンスの要素が大きいですよ」といったお話をされていたことが印象的でした。たとえば体全体を使った激しい腰振りも、あくまで映像的に盛り上げることを目指してやっていることで、実際にするなら疲れて体力がもたないと。

——AV以外でも、セックスに関して双方のコミュニケーションに関する情報は少ないですよね。

まさに、市場調査をする中で見た「テクニック系」の情報は、セックスによって自分の支配欲を満たしたり、自己効力感を味わいたいという点がゴールになっているものが多いように感じました。

これまでの情報は、「心技体」でいうと、技と体が中心だったので、TENGAのセックスガイドは心の部分をきちんと含んで作ろうという話し合いを行ってきました。

——たしかに「心」に重点を置いた情報には、今まであまり出会わなかったかもしれません。

今回、「愛撫の前の心構え」など、アクションの前の心の準備に関する情報を厚めに入れています。

セックスの中で、何のために様々なアクションをするかというと、相手を気持ち良くしたいからですよね。自分の手捌きを見せたいわけではないはず。

その視点が抜けたまま「こうしたらいい」という情報だけ学んでも仕方がない、という話し合いもしました。相手を気持ち良くするためには、女性の体の構造を知り、気持ちいい触り方を学ぶことも重要であるため、目的を見据えたうえで、テクニック的な情報も入れています。

女性にもおすすめする理由

——セックスガイドは、元は男性向けに作成されたものと存じますが、実際にどんな方が購入しているのでしょうか?

購入者へのアンケートを見ると、男性がほとんどだと思います。購入後の反響を見ていると、「セックスの入門編の知識を得たい・もっとセックスについて知りたい」という思いからご購入いただいたようです。

「愛撫や射精への意識が変わった」「知識が偏っている男性が多いし、知らない女性も多いので、全員に読んでほしい」「夫と一緒に読みました」という声もいただきました。

——ちなみに女性におすすめするとしたら、どんなところでしょうか?

私が女性に勧めるとしたら、愛撫に関する部分です。リサーチの中で「どう触ってほしいか」を言語化できていない女性が多いことがわかったためです。

また、自分の経験からも、愛撫が痛かったことがあって「もう少し優しく触って」と伝えたところ、表面をさするぐらいで弱すぎたということもあり、感覚の希望を伝える難しさを感じました。

今回、監修のBETSYさんや一徹さんのお力を借り「指の腹で軟膏を塗るぐらいの強さで」といった具体的な表現をしています。このように例えて伝えられるようになると、理解が深まってより満足度の高いセックスができるようになるのではと思います。

※後編に続きます。

※1:株式会社TENGAが実施した「男性の性の意識に関する調査」(2023年12月15日~12月18日に1030人の男性を対象に調査)

※TENGAセックスガイドは、「トレーニングテトラ」の購入特典、もしくはnoteでの単独購入も可。

■TENGAがまじめに作ったセックスガイド
https://note.com/tenga_healthcare


【プロフィール】
本井はる(もとい・はる)

株式会社TENGA  国内コミュニケーション部 部長。お茶の水女子大卒業後に早稲田大学大学院政治学研究科でジャーナリズムコースを専攻。地方新聞社の記者職を経て、性に対する認識変容を目指し2019年1月にTENGAに入社。TENGAヘルスケア、iroha、CARESSAのブランド・製品・サービスの広報とPRを担当している。

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AUTHOR

雪代すみれ

雪代すみれ

フリーライター。企画・取材・執筆をしています。関心のあるジャンルは、ジェンダー/フェミニズム/女性のキャリアなど。趣味はヘルシオホットクックでの自炊。



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