女性向けセルフプレジャーブランド「iroha」が10周年。アンバサダーに水原希子さんが就任!

 水原希子さん
水原希子さん(撮影:雪代すみれ)

「性を表通りに、誰もが楽しめるものに変えていく」というビジョンを掲げている株式会社TENGA。同社の「iroha」では女性向けセルフプレジャーやデリケートゾーンケアのアイテムを展開しています。3月に10周年を記念した記者発表会が行われ、アンバサダーにモデル・俳優の水原希子さんが就任しました。

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irohaの製品
irohaの製品(撮影:雪代すみれ)

irohaの立ち上げは2013年3月。商品開発には約3年を要したといいます。2010年頃の女性の「性」というと、「ないもの」として扱われ、タブー視されていました。市場調査を行ったところ、男性が女性に使うなど「男性目線」でつくられたアイテムが中心。「女性が手に取りたいと思える商品をつくりたい」——そんな思いからirohaは始まりました。

開発過程で行ったことの一つが「マスターベーションの再定義」。「マスターベーション」や「オナニー」、「自慰」という言葉だとハードルが高いため、言葉を変える必要があったのです。女性社員たちにヒアリングをすると、寝付きをよくするためとか、リラックスするためとか、必ずしもオーガズムをゴールとしていないことも見えてきました。そこで自分なりの喜びを見つける行為・自分の身体と向き合う行為と定義し「セルフプレジャー」という言葉を用いました。

「セルフプレジャーを日常のこととして捉えてほしい」という思いを持ってきたものの、“エログッズ”としてしか見られないなど、メッセージが伝わりにくく、苦労したこともあったそうです。転機は2018年8月。大丸梅田店でirohaのポップアップストアが行われました。irohaが百貨店に置かれるのは初めてでしたが、13日間で1500名の来場があり、当時大丸梅田店のポップアップスペースで歴代1位の売上を記録。iroha広報の西野芙美さんは「様々な年代の女性が洋服やメイク用品を選ぶように楽しそうにirohaを選んでいて、一度も見たことのない光景でした」と話します。

この後、女性誌やテレビで取り上げられることが増え、女性医師の「セルフプレジャーは自分の身体を知るというメリットがある」というコメントが紹介されたり、2021年にラフォーレ原宿にてポップアップストアを開いた際には「あなたにとってのセルフプレジャーは?」という問いに対して、女性の著名人がコメントを寄せたりしました。このような経緯について西野さんは「irohaが本当に伝えたいメッセージが本当の意味で伝わる世の中になってきました」と振り返ります。

現在、irohaでは全17種類47アイテムを展開。irohaアイテムを扱うお店は10年で2802店舗、2017年より発売されているデリケートゾーンケアアイテムの「iroha INTIMATE CARE(イロハインティメートケア)」の取り扱いは1万店舗を超えており、ドラッグストアや雑貨店にも並ぶようになりました。

10周年を迎えたirohaは、ブランドステートメントを「女性らしくを、新しく。」から「LOVE MY COLOR きもちよさを、自分らしく。」へリニューアル。2013年に比べ、女性の性がオープンに語られ始めていることを踏まえて、もっと女性たちがポジティブに性に向き合えるよう、気持ち良さに能動的に向き合えるように、という思いを込めているとのことです。

今後はプレジャーアイテムやデリケートゾーンケアアイテムに限らず、女性のさまざまな悩みに寄り添い、人生を支える「フェムケアブランド」として新しいフェーズに突入していくことも発表されました。

水原希子さんとiroha社員のみなさん
水原希子さん(中央)とiroha社員のみなさん(撮影:雪代すみれ)

アンバサダーに就任した水原希子さんとiroha社員によるトークセッションも行われました。

以前「キコキカク(Amazonプライムビデオで配信中) 」でTENGA社を訪問した際にも、irohaについて熱く語っていた水原さん。アンバサダー就任については「いちファンだったので心から嬉しかったです」とコメント。

「昔のアイテムは隠しておかなきゃいけないって思うような商品が多かったですが、irohaは見た瞬間から女性向けにつくられたことがわかりました」と初めて見たときには衝撃を受けたとのこと。

確かにirohaの製品はかわいらしいデザインで、部屋に置いてもなじむものが多いですよね。

今後、女性の性を取り巻く環境がどのようになっていくといいと思いますか?という問いには「私がアンバサダーになってメディアで話すことで、より多くの人に言葉が伝わって、周囲の人と話すきっかけになったらと思います。最初の一歩を踏み出すことは勇気が必要ですが、女性同士でも思っていることや学んだことをもっと気軽にシェアできたらいいなと思いますし、『恥ずかしいこと』『隠さなきゃいけない』という概念が覆されてほしいです」と熱く語りました。

現在、水原さんとirohaのコラボレーションアイテムの製作が進んでいて、2023年夏に発売予定とのことです。

私の中の「セルフプレジャー」への偏見

2010年頃を振り返ると、女性のマスターベーションとは、性に関心の高い一部の人や「セックスする相手のいないモテない女性がすること」という、今思うと恥ずかしい偏見がありました。でも「セルフプレジャー」という言葉によって、そのイメージが少しずつ変容した感覚があります。

私はセクシャルウェルネスに関する記事を何度か執筆していますが、それでもセルフプレジャーに関することは、まだ少し恥ずかしさや女友達に切り出すことのハードルがあります。「思いきって話してみて、引かれてしまったらどうしよう……」という不安も。

もちろん「恥ずかしい」という感覚も一つの感情で、ダメなものではないと思います。でも私の中にある「恥ずかしさ」って「女性は性に受け身であるべき」という抑圧とともに刷り込まれたものでは……?とも。だからやっぱり殻を破ってみたい!と。なので、日常会話のように話される水原さんの姿にはエンパワーされ、背中を押してもらった感覚です。

irohaのYouTubeチャンネルでは、水原希子さんのインタビュー動画も公開されています。irohaの印象や、お気に入りのirohaなどについて楽しく話されている様子を見て、セルフプレジャーについて話すことに抵抗感のある方も、少しハードルが低くなるかもしれません。

■iroha10周年特設サイト(https://iroha-tenga.com/10th_anniversary/
■水原希子さん特設サイト(https://iroha-tenga.com/kiko_mizuhara/

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雪代すみれ

雪代すみれ

フリーライター。企画・取材・執筆をしています。関心のあるジャンルは、ジェンダー/フェミニズム/女性のキャリアなど。趣味はヘルシオホットクックでの自炊。



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