女性が理想とする挿入時間は…?TENGAの「セックス小テスト」からわかったセックスに関する誤解
「AVをセックスのお手本にしてはいけない」はよく聞くものの、ネットには不正確な情報もあり、信頼性のある情報を手に入れるのにもハードルがあります。性に関する悩みや課題の解決に取り組んでいるTENGAヘルスケアでは、「TENGAがまじめに作ったセックスガイド(以下、セックスガイド)」を制作・販売しています。制作チームのお一人である、本井はるさんにお話を伺いました。後編では、セックスガイドに関連して公開されていた「セックス小テスト」や、セックスガイドの内容にも触れています。
理想の挿入時間の平均は意外と……?
——セックスガイドに関連し、「セックス小テスト」の公開もされていましたね。
ネット上のセックスに関する情報は信憑性が低いものも多く、誤った情報を参考にしている人もいるのでは、という課題意識から、手軽に自分のセックスを客観視できる機会として、特に勘違いされやすい知識を厳選して作成しました。
セックスガイドの内容をベースに、心構え・愛撫・挿入・ピロートークの4パート・計10問で構成しています。2024年8月から10月末頃まで公開し、約5000人の回答を得ました。
——正答率はいかがでしたか。
全参加者の平均点は6.34点で、回答者で最も多かったのは7点の方です。今回、6点までを「追試」としていて、約半数が「追試」の点数でした。満点を取れたのは8.4%です。
——どの問題の正答率が低かったのでしょうか?
「女性の理想の挿入時間の平均は何分でしょうか?」という問題があります。正解は9.7分(※1)で正答率としては4割弱、12.3分と19.6分を選んだ人の合計は4割を超えるため、理想よりも長い挿入時間を選んだ人の方が多かったです。
もちろん相手の好みにもよるので、平均=目の前の相手とのセックスにおける正解ではありませんが、相手の好みを知る前でしたら、10分弱を目安として覚えておくといいかもしれません。
「ロマンチックな雰囲気」は性的同意ではない
——ほかに正答率が低かった問題はありますか?
性的同意に関する問題も正答率が低かったです。「セックスに誘いたい時の行動として、最も適切なものを選びましょう」という問いで、正解は『「セックスがしたいと思っている」と言葉で伝える』で、正答率は52.5%。
「ロマンチックな雰囲気を出しつつ、相手を見つめる」が32.3%で二番目に多い回答でした。「手をつないでホテルまで一緒に歩く」が8.4%、「不意にキスをしてドキッとさせる」が6.8%もいました。
セックスをしたいときは、しっかりと伝え、相手からも明確にYESを得ることが必要です。ロマンチックな雰囲気を作っても、手を繋いでホテルまで歩いても、同意をとったことにはなりません。キスやハグという行為にも同意は必要です。
「性的同意」という言葉の認知度は若者を中心に高まってきているものの、まだまだ伝えていく必要があると感じました。
——正答率が高かった問題はどんな問題ですか?
相手の好みが把握できていない前提で、クリトリスを愛撫するときの適切な触り方を問うものでは、「ニキビに軟膏を塗るくらいの力加減で優しく塗る」が正解で回答率は92.7%です。
「セックス中のコミュニケーションのうち、相手に不安を抱かせるリスクが高いもの」についての問題は、「かっこいい自分であるため、あまり喋らずスマートさを演出する」が正解で、79.3%の人が選んでいます。
——セックス小テストの結果をどう振り返っていますか?
約5000人の方が受けてくださったことが嬉しく、同時にニーズの高さを感じました。誰も教えてくれないけれども、正解を確認するのは難しいことであるため、テストを受ける方が多かったのではと分析しております。点数の高低にかかわらず、セックスに対する考え方を見直す機会として活用いただけたなら幸いです。
正答率が低い問題は、コミュニケーションが大切な場面に関するものでした。自分と相手のしたいこと・したくないこと/されたいこと・されたくないことを、言葉にして伝えるよう心がけることで、より良いセックスをつくっていけるのではないでしょうか。そのお手伝いができるよう、TENGAヘルスケアでは、これからも情報発信を行っていきます。
なお、2024年11月には、大人向け性知識メディア「おとなセイシル」もローンチしています。こちらでもセックスやコミュニケーションのカテゴリーがありますので、ご参考にしていただければ幸いです。
「前戯:挿入」の時間のバランスを意識する男性は多い?
——セックスガイド内「射精のタイミングとコントロールのコツ」には、「射精=セックスのゴールではありません」と書かれています。
社内ヒアリングでも、重度の遅漏を自覚している男性社員は「正直、自分が射精できなくてもいいと思っている」とは言っていたものの、射精=ゴールと考える男性は多いのではないかと思います。
ただ、射精=ゴールと捉えることは、思うような射精ができないときにプレッシャーを感じる原因になったり、自分本位の行為のもととなってしまう恐れもあります。
——射精をセックスのゴールと考える男性は多いのかもしれませんが、セックスの目的=射精ではないですよね。
男性社員からのヒアリングの中で「挿入時間が短すぎると、前戯とのバランスが悪いのではと不安に思う」という話が印象的でした。
それを聞いていた女性たちは「どういうこと?」となったのですが、詳しく聞くと「前戯はこれぐらいのボリュームだったから、挿入もちょうどいいボリュームがあるはずだ」と思い、その時間頑張ろうと思っているということでした。
——バランスとは「前戯:挿入」に適切な時間の割合があると意識しているということでしょうか?
そこまで具体的に数値化されてはいなくて、誰が決めたのかわからない感覚的なもののようです。個人的な感覚で「前戯がこれくらいだから、挿入はこれぐらい頑張らなきゃ」と。
ただ、ヒアリングの中でも女性たちは「そこまで射精について気にしていない」という意見が多かったこともあり、男性にとって、射精がオーガズムを迎える大事な瞬間であるのはわかりつつも、「射精=セックスのゴールではない」と強調して書いています。
——体の構造も、これまでの生活で浴びてきた情報も違うので、やはり目の前の相手とのコミュニケーションが大事ですね。
話し合いながら、お互いの好みをすり合わせしていくことが重要です。相手に聞かずに察し合いをしていたら、すれ違いも起きやすくなります。監修のお一人である、セックスコラムニストのBETSYさんも「どんどん話していったほうがいいですよ」とおっしゃってました。
※1:女性の理想の挿入時間の平均は、TENGAヘルスケアが2017年に女性449名を対象に実施した調査がベース
※TENGAセックスガイドは、「トレーニングテトラ」の購入特典、もしくはnoteでの単独購入も可。
■TENGAがまじめに作ったセックスガイド
https://note.com/tenga_healthcare
【プロフィール】
本井はる(もとい・はる)
株式会社TENGA 国内コミュニケーション部 部長。お茶の水女子大卒業後に早稲田大学大学院政治学研究科でジャーナリズムコースを専攻。地方新聞社の記者職を経て、性に対する認識変容を目指し2019年1月にTENGAに入社。TENGAヘルスケア、iroha、CARESSAのブランド・製品・サービスの広報とPRを担当している。
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