身体オタクなトレーナー目線で解説!映画『ウィキッド』主役のボディメイクの秘訣

 身体オタクなトレーナー目線で解説!映画『ウィキッド』主役のボディメイクの秘訣
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mikiko
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2025-02-03

ニュージーランドで俳優なども指導するパーソナルトレーナーのmikikoが、話題の海外セレブのフィットネス事情を『身体オタクなトレーナー目線』で解説。 自身も芸能人の身体を目指してダイエットに失敗していた過去があるため、「あの芸能人みたいになりたい」と気軽にダイエットを始める人に向けて、「身体のプロは舞台裏で一般人とは比べ物にならない程の時間と労力を費やしてるんだよ」という新たな視点を紹介します。

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話題の映画『ウィキッド』は、主役の2人の身体を張った演技やインタビューで話題が持ちきりでしたね。エルファバ役を演じたシンシア・エリヴォと、グリンダ役を演じたアリアナ・グランデは、それぞれの役作りのために独自のフィットネスルーティンを取り入れていました。

エルファバ役シンシア・エリヴォのフィットネスルーティン

フィットネスは役作りのためだけでなく、心と身体の健康を維持するためにも普段から大切にしている彼女。エルファバ役に備えるため、トレーナーの私ですら「た、ただもんじゃねえ…!」と驚きを隠せないフィットネスルーティンを実践していたようです。

▼深夜1時

とあるインタビューでの発言がこちら。

「起きてすぐ2時間のワークアウトをしたら、2時間エルファバのメイクで椅子に座り続け、朝5時の撮影開始に間に合わせます」

どういうこと…?朝の5時スタートに合わせて深夜1時にワークアウト開始するってこと…?しかも3時間睡眠で撮影に臨むことも何度もあったとか。この情報だけでも「と、とんでもねぇ…!」なんですけど、私自身は職業病ゆえ「仕事として関わるなら」という目線で見てしまうので、「そのワークアウトって、パーソナルトレーナーつけてたのかな…。深夜1時に召喚されて対応できるトレーナーってどんな境遇の人…?」とか考えてしまいます。映画制作に関わる人みんな体力がすごいですね。

 

▼ランニング

シンシアはプロ並みのランナー。筋トレばかりで筋肉がつきすぎないよう、ランニングをしているそうです。ハーフマラソンを1時間47分で完走し、その日の夜にはブロードウェイでの公演を行うなど(2回も…!)、超人並みの持久力は際立っています。

ライブやミュージーカルではハイヒールで2時間走り回ったりするのだから、歌手って本当に「歌えるアスリート」なんだなと感じます。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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ウェイトトレーニング

ステージ上でのパフォーマンスに必要な体力・筋力を確保するため、普段からウェイトトレーニングも取り入れています。映画ではスタントやダンスも自分でやりながら歌っているので、相当追い込んで体幹トレーニングをやったんだろうなぁと想像できます。

制作インタビューでは、コルセットやハーネスをつけて体幹部を固定したまま歌うため、歌い方のテクニックを変えなければいけなかったとも言っています。

メンタルケア

ハードな撮影期間を乗り越えるため、精神的な健康を維持するためのセラピーは欠かさなかったようです。インタビューでは、彼女のセラピストとの会話についてオープンに語ることも。その他にも赤外線サウナブランケットの使用など、リラクゼーションや回復のための手段を積極的に取り入れていたようです。

グリンダ役アリアナ・グランデのフィットネスルーティン

子供の頃からの夢であったグリンダ役に向けて、ポップスターとしての仕事やイメージを全部取り消してでもオーディション準備するとインタビューで答えていたアリアナ。世界中でコンサートをこなしてきたトップアーティストの彼女でも、そんなに準備が必要だったんだ…と驚いてしまいます。

ダンス

グリンダ役は多くのダンスシーンを含むため、毎日のようにダンスリハーサルを行っていたようです。普段のライブでハイヒールで踊るのには慣れているものの、飛んだり跳ねたりぶら下がったりするダンスは身体にとっても新たな刺激だったことでしょう。

天井にぶら下がったり、手すりに登ったりする様子を見ながら、「これ何テイク撮ったんだろう…」とか「次の日に筋肉痛になったりしたんじゃないかなぁ」と考えてしまう私でした。

ボーカルトレーニング

popやR&Bで知られるアリアナ・グランデとしてのキャラクターから、ミュージカルの歌い方をするグリンダとしてのキャラクターへ変更するために、ボーカルトレーニングも入念にしていたようです。ボーカルトレーニングは、声を出すための顔の筋肉、喉の筋肉、肺の周囲の筋肉、腹筋の使い方、呼吸の仕方まで教わるので、ジャンルを変えたら身体全体の使い方が変わるはずです。「以前のアリアナと現在のアリアナで喋り方が違う」とネットで騒がれていましたが、やっているトレーニングが変われば多少声の使い方変わるのも納得できますよね。

ウェイトトレーニング

今回の映画準備に向けてに限ったことではありませんが、彼女の専属トレーナーであるハーレイ・パスターナック(Harley Pasternak)は、ダンベルなどを用いて全身をターゲットにしたエクササイズを取り入れていると述べています。下半身・上半身に加え、ハイヒール履いて動き回るには体幹が必須なので、体幹も入念に鍛えているとか。

これは私がアーティストを指導する際に気をつけていることですが、筋肉痛で演技に影響が出ないように、撮影スケジュールに合わせて「筋肉痛にならない種目や強度」を選んだりします。おそらく、彼女もスケジュールに合わせてトレーニング内容を調整していたことでしょう。

メンタルヘルスケア

撮影期間中、感情的なシーンやプレッシャーがある中でも精神的な健康を維持するために、セラピーに通っていたようです。撮影最終日には、感極まって涙を流し、「セラピストに連絡を取らなきゃ」と冗談交じりに語っています。心の不調は身体の不調につながるため、日頃からこうしたメンタルヘルスケアを大切にしているようです。

ビーガン

動物愛護と環境への配慮を理由に、10年以上ビーガン主義の彼女。大好きな日本食もビーガンのものを食べているようです。私もこれまで数々のビーガン主義者を指導してきていますが、栄養バランスの管理には知識が必要なため、専門家の指導の元おこなうのがオススメです。体質的に合わない人や、逆に不調になってしまう人もいるので、自分に合わないと思ったらやめるようにしましょう。

気軽に真似をしてはいけない

同じ映画に出演する役者とはいえ、全く異なるアプローチなのが興味深いですね。「自分に合った方法」を熟知しているなぁという印象です。ここまでくるのにたくさんの試行錯誤あって、そのうえでの「私にはこのやり方が合ってる」なんでしょうね。

できる限り信頼度の高いメディアから引用していますが、こうしたセレブ情報には、名前を使ってクリック数を稼ごうとするだけの嘘記事もたくさん混ざっているので、100%信じない癖をつけておいた方がいいかもしれません。

セレブたちもやっていること全部を公の場で話しているわけではないので、彼女たちのルーティンを真似するのではなく「こういうこともルーティンの一部としてやってるんだな〜、頑張ってるな〜」というエンタメ程度に収めておくようにしましょう。

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