尿が臭う、下腹部が痛い…実は女性は夏に「膀胱炎」になりやすい【夏休み前に知りたいリスクと予防策】
暑い季節は楽しい一方、健康に影響を及ぼすこともある。特に女性は、気温が上がると膀胱炎のリスクが増加するという。
膀胱炎とは?
膀胱炎は、尿路に細菌が侵入して発症する感染症で細菌は皮膚や直腸から尿道を通じて膀胱に入り込み、感染を引き起こす。膀胱炎にかかると、頻繁な排尿、痛み、濁った尿や血尿、匂いの強い尿、下腹部の痛みや圧迫感、発熱や悪寒な度が起こる。通常は抗生物質で迅速に治療することができる。しかし、女性の60%が生涯に一度は膀胱炎を経験するとされており、特に夏の間にそのリスクが高まる。
夏に膀胱炎が起こりやすい理由とは?
夏の間、気温と湿度の上昇により膀胱炎のリスクが高まる理由はいくつかある。
脱水症状
暑い季節には汗をかきやすくなり、体内の水分が失われやすくなる。脱水により尿の濃度が高まり、細菌の増殖が促進される。
増加する汗
汗をかくことで下着や水着が湿った状態になり、細菌が繁殖しやすい環境が整いやすい。
水遊び
プールや海での活動が増えると、水着の着用時間が長くなり、湿気と熱が細菌の繁殖を助長する。
性行為の増加
夏はレジャーや旅行が増えるため、性行為の機会も増えることがある。性行為後の適切なケアが不足すると、膀胱炎のリスクが高まる。
膀胱炎の予防法
夏に膀胱炎を防ぐためには、以下のポイントを押さえることが重要だ。
十分な水分補給
水をたくさん飲むことで尿を薄め、頻繁に排尿することで細菌を尿路から洗い流すことができる。
排尿を我慢しない
尿意を感じたらすぐに排尿することが重要。尿を溜め込むと、細菌が膀胱内で繁殖する可能性が高まる。
通気性の良い衣類を着用する
夏は綿素材の通気性の良い下着や衣類を選ぶことで、汗による湿気を減らし、細菌の繁殖を抑える。
トイレでは前から後ろへの拭き取り
トイレの後は前から後ろに向かって拭くことで、肛門から尿道への細菌の移動を防ぐ。
性行為後の排尿
性行為後はすぐに排尿することで、尿道に入った細菌を洗い流すことができる。
刺激物の避ける
香り付きのフェミニンケア製品や洗浄力の強すぎる石鹸や膣洗浄剤は、膣の自然なpHバランスを乱し、感染のリスクを高める可能性がある。
汗をかいたらすぐに着替える
濡れた服を長時間着続けると細菌が繁殖しやすくなるため、汗をかいた後はすぐに乾いた服に着替えよう。
水泳後のシャワー
プールや海で泳いだ後は、シャワーを浴びて皮膚や生殖器周辺の細菌を洗い流すことが重要だ。
温める
膀胱炎による痛みを和らげるために、温かいタオルやホットパックを下腹部に当てると良い。
クランベリージュースを飲む
研究によると、クランベリージュースは細菌の成長を抑える効果があるとされている。
プロバイオティクスの摂取
ヨーグルトや他の発酵食品に含まれるプロバイオティクスは、腸内や尿路の健康的な細菌バランスを保ち、感染のリスクを低減する。
カフェインやアルコールの制限
これらの飲み物は膀胱を刺激し、排尿の頻度を増加させるため、特に暑い季節には控えることが望ましい。
夏は膀胱炎のリスクが高まる季節だが、適切な予防策を講じることでそのリスクを大幅に減らすことができる。十分な水分補給や適切な衛生管理、適切な衣類の選択などを心掛け、快適な夏を過ごそう。もし膀胱炎の症状が現れた場合は、早めに医師に相談し、適切な治療を受けることが大切だ。
出典:
Is UTI more common in summer? 12 tips to avoid it
Health Matters: How To Prevent Summertime UTIs
Why does my urine smell like sulfur?
AUTHOR
山口華恵
翻訳者・ライター。大学卒業後、製薬会社やPR代理店勤務を経て10年間海外(ベルギー・ドイツ・アメリカ)で暮らす。現在は翻訳(仏英日)、ライフスタイルや海外セレブリティに関する記事を執筆するなど、フリーランスとして活動。趣味はヨガとインテリア。
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