トイレでちゃんと排尿しているのに、くしゃみで「ちょびもれ」するのはなぜ?泌尿器科医師が答えます
40代以降の女性なら、誰でも「尿もれ」になる可能性があります。それは、女性ホルモンの分泌量減少のせいで、尿道を支える筋肉が衰えてしまうから。尿もれは、自然に治ることはないので、ちょびもれし始めたら、なるべく早く改善トレーニングを始めましょう。泌尿器科専門医師・伊勢呂哲也さん監修の書籍「尿もれ・頻尿・夜間頻尿 尿トラブルの治し方」(Gakken)からご紹介します。
なぜトイレに行ってるのに、尿もれするのか?
それには、2つの原因があります。
1つ目は、くしゃみをするとき、無意識にお腹に力が入っているから。これを「腹圧性尿失禁」と言い、笑ったり重いものを持ったりしたときにも、尿もれが起こります。
2つ目は「切迫性尿失禁」と言い、過活動膀胱という病気のせい。過活動膀胱とは、膀胱内に溜められる尿の量が少なくなっているにもかからわらず、尿意を感じること。
この「腹圧性尿失禁」と「切迫性尿失禁」が組み合わさったものが、今回の「混合性尿失禁」です。2つの原因が混合することにより、頻繁にトイレに行っているのに、なぜか咳やくしゃみをすると尿もれが起こる、という不快な症状が引き起こされるのです。
2つの原因を同時にケアする!
「混合性尿失禁」の場合、2タイプの尿失禁の治療を同時に行わなければ、効果は不十分。まずは、治療の目安を測るために、どちらの症状が強く出ているのか、下記をチェックしてください。
どちらのタイプでも、原因として共通しているのは「骨盤底筋の衰え」。まずは、ヨガはもちろん、下半身トレーニングで骨盤底筋を鍛えましょう。
尿漏れは恥ずかしいことじゃない!
リストでは、どちらの尿失禁の症状が強く出ていましたか? チェックの多い尿失禁タイプを多めに、早速尿もれケアを始めていきましょう!
「腹圧性尿失禁」の症状が強がった場合……
・体重コントール(肥満から脱却する)
・便秘解消(いきみむクセをなくす)
「切迫性尿失禁」の症状が強かった場合……
・排尿間隔をメモしておく
・尿意を感じたら、肛門や膣をキュッと締めて少し我慢
・カフェインの摂取を控える
・お酒を控える
・刺激のある食べ物を控える
上記のケアをしても、尿もれの症状が改善されない場合。とくに「切迫性尿失禁」は、膀胱炎や脳の病気が関わっている場合があるため、泌尿器科を受診しましょう。
白髪が生えてくるように、ある日突然尿もれは起こる
自分は絶対にならない! といくら意気込んでみても、白髪が生えてくるように、ある日突然尿もれは始まります。これは、嘆き悲しむことではなくて、私たちの体の自然な現象。白髪は染めればいいし、尿もれがはじまったら、簡単なケアで改善すればいいだけのことなのですから。
教えてくれたのは…伊勢呂哲也先生
医療法人インテグレス 理事長、大宮エヴァグリーンクリニック 理事長・院長、東京泌尿器科クリニック上野/池袋消化器内科・泌尿器科クリニック/新橋消化器内科・泌尿器科クリニック 理事長。書籍『尿もれ・頻尿・夜間頻尿 尿トラブルの治し方』(Gakken・刊)を監修。
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ヨガジャーナルオンライン編集部
ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。
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