連載:ヨガと私の生きる道 Vol.1 「つながりを体現する」小野田貴代先生インタビュー
ヨガワークライフコンサルタント、ヨガインストラクター向けキャリアアドバイスセミナー講師として活躍する伊藤香奈氏が、注目の若手ヨガインストラクターにインタビュー。なぜヨガだったのか、どうやってヨガを伝えていきたいのか…ヨガと向き合う等身大の姿勢を取材しました。現役のインストラクターで自分らしい指導を模索している人やこれからインストラクターを目指す人必読です!
“つながる”を体現するヨガインストラクター:小野田貴代先生
「大手ホットヨガスタジオが、やっと1店舗目をオープン頃だったと思う」というほど、まだ日本でヨガが広まっていない頃にヨガを始めた小野田貴代先生。インストラクター養成講座の講師も務めるなど、指導歴も経験豊富な若手実力派ヨガインストラクターです。常に初心者に寄り添うレッスンを行う小野田貴代先生の、多岐にわたる活躍の秘訣をうかがいました。
―若くしてヨガ経験15年にもなるとのことですが、ヨガとの出会いを教えてください。
小野田先生「『汗をかきたいな』と思って、何か運動を始めたいなと思っていたんです。でも、もともと運動が得意ではなかったので、なんとなく“私でもできそう”な運動を探して、気軽な気持ちでホットヨガを始めました。ちょうど大手ホットヨガスタジオの1店舗目がオープンした頃で、まわりにヨガをやってる人もいないし、だったらみんな初心者のはずだし、私でも恥ずかしくないんじゃないか?!と思っていました(笑)。でもやっぱり1回目のレッスンでは汗がなかなか出なくて。2回目でやっと汗が出るという感覚を味わうことができました。私からしたら、何かを始めて2回目で変化を感じるのがとても大きいことだったので、それで続けようと思いました」
―そこから養成講座に通おうと思ったきっかけは何だったのでしょうか?
小野田先生「『もっと知りたい』という思いからですね。ホットヨガに通っていたものの、自分のしているポーズが合っているかわからないし、ポーズの名前もいまひとつわからなくて。もっと勉強したいという気持ちが芽生えてきた時、どうせお金を払って通うのであれば、養成講座に通ってもいいかなと思い、通い始めました。インストラクターになろうという意気込みは全然なく、いつか仕事になればいいかなくらいの軽い気持ちでした。ですが、養成講座に通うなかで、ヨガの奥深さを学び、ヨガの良さというものを改めて実感。養成講座の卒業前からヨガクラスを自主的に開催したり、オーディションも受け始めていました。大学も『卒業見込み』で就職活動しますよね(笑)それと同じ感覚で、ヨガを仕事にするための活動を同時並行で始めていました」
―いきなり自主開催をするのは大変ではありませんでしたか?
小野田先生「最初は、地元の静岡に帰省するタイミングで、地元の友達を誘って公民館で自主開催していました。ダメならダメでいいかぐらいの気持ちでいたので『人が集まらなかったらどうしよう』といったような不安はそこまでありませんでしたね。地元はヨガスタジオも少ないし、ヨガをやったことがない人が多いので、初心者向けクラスから始めました」
―今も初心者向けのクラスをメインで行っていらっしゃるそうですね。その理由とは?
小野田先生「世界中で起きている震災を目の当たりにして、地元の人、身近な人に何かがあった時に、ちょっとした運動ができたら絶対にいいはず!と思ったことがきっかけです。エコノミー症候群や車中泊で何日も過ごしているという人のニュースを見聞きしていたので、ヨガ初心者の方にちょっと覚えて帰ってもらえたり、ちょっとしたタイミングでできるストレッチを持ち帰ってもらって、自分で自分を癒す方法を知ってもらえたらいいな、と。それが私のやりたいことだなと感じたので、今でも初心者向けのクラスを心がけています」
―最近はオンラインレッスンなど、面白い取り組みもされていますよね。新しい取り組みは、どう思いつくのですか?
小野田先生「私は妊娠中のつわりもすごかったんです。ちょっと外に出るのもとてもしんどくて…。ヨガは直接指導されたほうがいいかもしれないけど、それにこだわっていたらいつまでもヨガできないし、それはつらいと思ったんですよね。それで、自分の実体験をもとに、オンラインレッスンを始めることにしました。ランチ付きのカフェヨガや宅配野菜付きのレッスンを思いついたのも、自分の経験や自分の欲求をカタチにしちゃった感じです(笑)。どう思われるかという不安で、多くの人は一歩を踏み出せないと思うのですが、私の場合『悩むよりは行動してみよう』という性格なので、あまり不安が先に立つことはないみたいです。今まで失敗もたくさんしてきたので、新しいことに対して恐怖心や抵抗感がないのかもしれません」
―さらに小野田先生は、色々な商品のアンバサダーをされていてSNSの発信も活発でいらっしゃいます。SNSの発信が苦手という方も多いですが、小野田先生にとってのSNSとは?
小野田先生「Facebookを始めたのも10年以上だし、インスタも早く始めたほうです。簡単に言ってしまえば、私ってミーハーなんですよね(笑)。Facebookでレッスンの告知をしたのも『チラシは作るのにお金がかかるけど、Facebookの投稿で告知すればタダ!』というくらいの気持ちです。なんでもカンタンなものだったら、自分でつくれた方がいいかな、と思って」
―ヨガブランドや食品などのアンバサダー活動も活発にされてますよね。
小野田先生「自分が楽しんで投稿していたら、それを楽しみに見てくれる人が増えて。それで、たくさんのご縁につながって、アンバサダーのお声がけをいただくことになりました。最初は、自分の好きな商品のモニターに申し込んだりしていました。本当に自分が好きで納得したものを使っていましたし、当たり前ですが、リアルな感想だけ載せていました。商品が送られてきた時の箱や包装が素敵だったものは『プレゼントにもいいですよ!』など、梱包について細かく感想を書いたこともありました。アンバサダーでもないのに(笑)勝手に商品の詳細やキャンペーン情報なども書いていたら、次第にアンバサダーとしてお声がけをいただけるようになってきました。そうしてお仕事が増えてきて、インスタグラムのプロフィールに#PRや#アンバサダーというハッシュタグをつけるようになりました。
コツとかハウツーなんて特になくて、私の場合は『SNSを使って楽しんでる』それだけなんです。SNSばかりやっていると、直接的なコミュニケーションがなくなるってよく言われていますが、SNSからのつながりでお仕事や直接会う機会が増えていると実感しています」
―大手ヨガインストラクター養成スクールで、インストラクターとしてたくさんのレッスンを担当しながら、何百人のインストラクターを輩出してきた小野田貴代先生。現在はランニングにもはまっているとのことですが、ヨガとランをつなげたきっかけは何なのでしょうか?
小野田先生「ヨガをしていく中で『こうじゃなきゃ!』というこだわりが強くなったり、ヨガをやりすぎて逆に自分の軸が見えなくなった時期がありました。新しいことへのチャレンジ精神を失っているんじゃないかという不安も芽生えてきて。そんな時に出会ったのが、ランニング。ランニングは自分の体の状態にも向き合いながら、タイムというチャレンジもある。ヨガとラン両方をやることで、バランスが整った感じがしました。良いタイミングで、女性誌のランニングチーム応募したところ、幸運にも所属することができ、その後『ランニング指導員』の資格を取得しました」
―ランニングをはじめたばかりで、すぐに指導員ですか?
小野田先生「ランニングの指導員というと、元実業団選手や年配の方っていうイメージがあるじゃないですか。そんな中、若い女性で選手経験者じゃない指導員って、意外に少ないんです。ヨガのインストラクターとしてSNS等の発信も得意としていたこともあり、ランニング指導員を取得後、指導員の登録ウェブサイトにプロフィールを載せていたら、すぐにランイベントにもお声がけいただきました。その時は、ランニング指導者とランの後のアフターストレッチとして、ヨガも取り入れてもらいました」
―どんどんランニングのお仕事がふえていったわけですね。
小野田先生「走ることにおいてプロっぽくないというところが逆によかったのかもしれません(笑)。CMのランニングシーンの監修のお仕事もいただきました。ヨガでも監修の経験があったので、それが活かせました。ランニングの監修とはいえ、タレントさんたちは初心者ばかり。年齢も含めて、ベテランの先生よりも近い立場の私が重宝すると思ってくださったみたいです。さらに、ヨガの経験から『正しいフォーム』ではなく映像や写真で『映える姿勢』のアドバイスできるという期待もいただいて、お仕事をいただいていたようです」
―ヨガとランニングの両方の経験が活きたわけですね。
小野田先生「そうですね。ヨガ業界では、若い&女性というのは当たり前ですが、ラン業界では貴重な存在だったというのは私も意外でした(笑)。『アフターケアにヨガも教えられますよ』というのが私の売りかなと思ってラン指導を始め、SNSでも発信していたところ、予想に反してお仕事のご縁もたくさんいただくことになって。SNSが、いいご縁をもたらしてくれましたね」
おわりに
最近は「#子連れワーカー」というハッシュタグをつけて、ヨガレッスンやラジオパーソナリティ等の活動をしている小野田貴代先生。ヨガの“つながる”力を活かして、ランと繋がったり、SNSを通してお仕事やお客様との繋がりを広げたり、常に「新しいヨガインストラクターの働き方」の可能性を見せてくれているように感じました。これからヨガインストラクターになりたいという方、さらにインストラクター駆け出しという方も、小野田先生の新しい取組みや、SNSの発信を参考にしてみてはいかがでしょうか。
プロフィール:小野田貴代
ヨガインストラクター、ベビーマッサージインストラクター、ラジオパーソナリティ。静岡県、富士山の麓生まれ 学生時代にヨガに出会い、社会人を経てヨガの道へ。ヨガインストラクター養成講師を経てフリーランスに、現在は神奈川を中心に活動。一児の母。通常クラスに加え、マタニティ・産後・子連れヨガやベビーマッサージも伝える。ヨガというツールと自分らしさを模索していく中、趣味が高じてランニングインストラクターに。2017年からFMラジオにて「ヨガチャンネル」始動。ラジオMCや読者記者ブロガーとしても幅広く活動している。インスタグラム
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