【お悩み相談】「肌のたるみをどうにかしたいけど…更年期世代は諦めるしかない?」 #毒出し保健室
アーユルヴェーダの中で大切にされている考え方をシンプルに言うと、"体に毒を溜めない/毒を排出する"という『毒出し』。「大きな声ではちょっと言えない」「身近な存在の人には知られたくない」と言った悩み事を抱えていませんか? 体調や心の悩み、人間関係やら恋愛、夫婦やパートナー間のあれこれまで、皆さまの悩ませている毒を溜めずに排出するべく、アーユルヴェーダアドバイザー/ヨガ講師の桑子麻衣子がアーユルヴェーダとヨガの智慧をベースにお悩みに答えます!
今回「毒出し保健室」を訪れてくれたのは、お肌のたるみが気になるというYさん(47歳)です。「更年期にも突入していますし…肌のハリは取り戻すために美容医療も検討しているんですが…まずは、セルフケアでどうにかならないものでしょうか?」と話します。
【お悩み相談】「更年期の肌のたるみをどうにかしたい」
桑子: こんにちは!今日はどんなお悩みでいらっしゃいましたか?
Yさん: お肌のたるみが気になって。40代も後半に入り、いよいよ本格的な更年期に突入していますし仕方ないのかなと思いつつ…これまで髪の毛をポニーテールやおだんごにして上に引っ張り上げて顔のたるみをごまかしていたんですが、ひっぱり過ぎて、余計にたるんできたような気がします。肌のハリを取り戻すために美容医療も検討しているんですが.. まずはセルフケアでどうにかならないでしょうか?
桑子: 肌のたるみが気になるのは、お顔だけですか?デコルテとか首とかも気になる方が多いですが。
Yさん: 一番は顔のたるみですね。
桑子: 最近急激に体重が落ちたということはありませんでしたか?
Yさん: うち体重計ないんですよ(笑)なので、厳密には分からないんですけど、ここ最近よく「痩せたね」って言われることが多くなってきましたね。
桑子: 周りの方から「痩せた」と言われる前と、現在で食生活は何か変わりましたか?
Yさん: プラントベースにしました。動物性のタンパク質は基本的にとりません。野菜中心の食生活をしています。去年受けた健康診断で、コレステロール値が高いので植物性のタンパク質に切り替えた方がいいと言われて。
桑子: タンパク質は、豆とか豆腐とかが中心ということですね。プラントベースにされてから、体調の変化とかは何かありますか?
Yさん: それが…実はあんまり合ってないのかなとか思ったりしてます。結構、体がスッキリするとか、軽くなるとか言うじゃないですか。けど、私の場合、体が重くなったような感じがするんです。痩せたって言われるのに、なんかおかしくないですか?
桑子: 私もそういう経験があります。エネルギーが1日もたないっていう感じでしょうか。
Yさん: うん!そうですね。1日の終わりにはぐったり…夕方くらいには、もう早くベットに横になりたいーって思っています。
アーユルヴェーダアドバイザーのアドバイス
加齢+体重の減少が肌のたるみの原因の可能性大
スキントラブルを抱える方は、年齢を重ねれば重ねるほど増えてくるケースが多く見られます。特にお顔は、体の部位の中でも一番目につきやすいため、ご自身としては気になりますよね。(私もすごく気になるので、とてもお気持ち分かります!)
さて、肌のたるみの原因ですが、Yさんがお察しの通り、加齢によってお肌がたるんでくることはよくあります。これは、肌を支えるコラーゲンやエラスチンという成分が減少し、肌のハリや弾力を保てなくなることで起こると言われています。
また、体重減少もお肌のたるみを引き起こしやすいと言われています。Yさんのお話をお伺いしたところ、プラントベースのお食事にされてからエネルギーが足りてないと感じているようなので、もしかしたら食生活がお肌のたるみにつながっている可能性があるかもしれません。プラントベースにしてから、体調がよくなったという方も実際いらっしゃいますが、中にはYさんのように体調が悪くなったという方もいらっしゃるんです。(何を隠そう私もその一人)。著名人の方が実践されていたり、メディアやSNSでも「プラントベースがいい」「ヴィーガンがいい」というのはここ数年よく見かけるとうになりましたが、合っているか合っていないかは、人ぞれぞれ異なるのではないでしょうか。(みんながみんな、それで健康になるのであれば、もちろん万々歳ですが…)コレステロール値が高かったためという理由で、プラントベースに切り替えたということですが、食べ方次第では動物性タンパク質を食べながらコレステロール値を下げることも◎ 例えば、青魚には、EPA、DHAなどコレステロールを下げる脂肪酸がたくさん含まれていますので、煮魚にして脂を逃がさずに食べるとコレステロールは下がるなんて言われています。現在の体調も踏まえて、食事方法について一度管理栄養士さんに相談してみるのもいいかもしれません。
話が肌のたるみからソレてしまいましたが、最後にちょっとした豆知識をシェアさせてください。更年期はに入ってから痩せるという方も意外と多いんです。よく言われる原因が、子育てや介護、また社会的なストレスから、心と体が大きく揺すぶられることの多い更年期世代特有の食欲不振あるいは、消化器系の働きが鈍くなってしまうことです。
ただでさえ踏ん張りが必要な時なのに、外的ストレスも大きいなんてあんまりですよね。けど、そればかりは仕方ないです。だから、加齢を止めてコラーゲンやエラスチンの減少を抑えることは残念ながら難しいですが、それでも、それらを補うことはできます。せっせと補うのが一番効率良いです。痩せてしまうことに関してもそう。だから、まずはお食事の改善からおこなってみるのがいいかもしれません。
加齢+減量後の肌のたるみを改善する方法
タンパク質を多く摂る
良質な肌にはタンパク質が欠かせません。なぜなら、タンパク質を多く含む食品は、エラスチンとコラーゲンを供給するから。さらに、これらの食品には肌によい油分が含まれています。加えて、Yさんがお悩みのエネルギーの枯渇にも効果が期待できます。牛乳、豆腐、赤身肉、ナッツ類、低脂肪チーズ、豆類、卵、全粒穀物などがおすすめです。
ビタミンCの豊富な食品を摂る
オレンジ、レモン、キウイ、イチゴ、トマト......これらの食べ物は、たるんだ肌をどうしたら解消できるか悩んでいるときの強い味方。ビタミンCは、肌に栄養を与え、肌の弾力を取り戻すために体内でコラーゲンの生成を助けるので、肌にとって最高の栄養素のひとつと言われています。ビタミンCは水溶性なので、定期的に摂取して下さいね。
内も外も保湿
アーユルヴェーダ的には、白湯は最も健康的で毒出し作用のあるものと言われています。また一気にガバっと飲むのではなく、少しずつ小分けにして飲むのもポイント。「喉が乾いたー!」と言って飲むのではなく、喉が渇く前に飲んで下さいね。また、肌の外側からも潤い補給することは重要です。常に保湿を心がけましょう。
筋トレ
痩せたことで緩んだ皮膚を引き締めるのに一番いいのは、筋肉をつけることです。減量に成功した脂肪の代わりに、皮膚の下に層を形成することで、筋肉はたるんだ外見を引き締まったものに変えます。
アビヤンガを毎日行う
今回は、新鮮で珍しい感じのアーユルヴェーダっぽいアドバイスからは遠ざかってしまったような気がします。(言ってしまえば、結構普通っぽいことしか話していません)なので、最後にアーユルヴェーダ的な肌のたるみ改善方法をお話させて下さい。緩んだ肌を引き締めるのに最適な方法は、アーユルヴェーダ用語で「アビヤンガ」と呼ばれるセルフマッサージです。ココナッツオイル、アーモンドオイル、オリーブオイルなどのオイルを使って、毎日マッサージを行いましょう。血液の循環がよくなり、組織が引き締まり、シワが消える強力なテクニックです。さらに、これらのオイルにはビタミンEのような抗酸化物質がたっぷり含まれており、肌を若々しく健康的に見せてくれる。また、アビヤンガには心身に素晴らしいリラックス効果をもたらします。毎日のアビヤンガが、あなたの生涯の健康習慣になるかもしれません。
AUTHOR
桑子麻衣子
1986年横浜生まれの物書き。2013年よりシンガポール在住。日本、シンガポールで教育業界営業職、人材紹介コンサルタント、ヨガインストラクター、アーユルヴェーダアドバイザーをする傍、自主運営でwebマガジンを立ち上げたのち物書きとして独立。趣味は、森林浴。
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