閉経後の性生活のお悩み「セックスが痛い」を解決するには?婦人科形成医のアドバイス
更年期以降、なんだかセックスが苦手になっていませんか? 性欲自体はあるものの、セックスに痛みを感じたり、衰えてしまった体を直視することがつらくなったり……。その悩み、ちゃんと解決できる方法があるんです。
セックスが痛いと感じるのは、しょうがない!?
性生活に悩みを持っている更年期以降のカップルは、とても多いんです。その女性側に多い悩みが、性交痛。
腟の壁は、女性ホルモン(エストロゲン)の働きによって、弾力と潤いが保たれています。しかし、更年期により女性ホルモンが減少すると、膣が乾燥し萎縮が起こるため、性交痛が起きてしまうんです。
でも大丈夫。腟萎縮はちゃんと解決方法があります。
ステップ1:潤滑ジェルを使う
セックスの前に、潤滑ジェルを使いましょう。今は、タンポン型のジェルがあり、セックスの前に自分で手軽にケアすることができて、行為の最後まで潤いを保つことができます。
このジェルは、普段の生活で腟の乾燥に悩んでいる方にもおすすめです。潤いが増えることで、生活の質が改善できます。
注意してほしいのは、潤滑ジェルの種類。今はドラッグストアなどで、さまざまなタイプの潤滑グッズが販売されています。腟の中はデリケートなため、性交痛のために使うなら「腟に中に入れても問題ない潤滑ジェル」を選ぶことが大事です。
ステップ2:女性ホルモン補充療法
減少してしまった女性ホルモンは、医療で補うことができます。婦人科で相談すれば、内服・貼る・錠剤・クリームなど、さまざまな方法で、女性ホルモンが補充できます。
ご自身のライフスタイルや好みに合わせた処方を受けましょう。ただし、乳がんや子宮筋腫などの疾患がある場合、女性ホルモン補充療法を受けられない場合があります。
ステップ3:腟レーザー治療など
それでもまだ、性交痛を感じる場合は、婦人科での治療方法があります。腟に専用のヒアルロン酸を入れたり、「フェムタッチ」というレーザー治療も選択肢のひとつとしておすすめです。
やっと見た目の老化を受け入れたのに、シモの老化を実感するのは……正直しんどい。でもそんな私たちに、ちゃんと寄り添ってくれるアイテムや医療があるのだから、前向きな選択肢として、利用していきたいものです。
*クリニックで受けられる性交痛治療については、以下も参考にしてください。
AUTHOR
喜田直江
婦人科形成医。京都府立医科大学卒業後、産婦人科医として多数の分娩・手術症例を経験。平成15年より形成外科医として、形成外科の基本から縫合の技術まで幅広く習得。平成18年には大手美容外科にて美容外科・美容皮膚科全般を習得。とくに婦人科系の美容手術は、日本でも有数の症例数を誇る。平成23年10月、東京・銀座で「なおえビューティークリニック」を開院。
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