【ニラはどこから切ったらよい?】間違えている人が多い!栄養素をムダなくとる調理法を栄養士が解説

 ニラのイメージ
photo by canva

強い香りが特徴的なニラ。実は、葉の部分や根元の部分で含まれる栄養素が大きく異なります。根元を大胆に切り落としていたり、全ての部分を細かく切っている場合は、栄養素の量が減っているかも…。今回は、ニラの栄養素をムダなくとる方法について紹介します

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ニラに多く含まれる栄養素や香り成分

特徴的なものを3つ紹介します。

カリウム

体内の浸透圧や水分の調整に役立ち、過剰摂取した塩分を排泄する働きがあります。そのため、むくみ対策や血圧を下げる効果があるミネラルです。

β-カロテン

抗酸化作用があり、老化防止やがん予防に効果的です。体内で必要な分だけビタミンAに変換されて働きます。

アリシン

香り成分で、切ったり加熱したりすることでつくり出されます。唾液や胃液などの消化液の分泌を促し、食欲を増進させたり、消化吸収を助ける効果もあります。また、豚肉や穀類に多いビタミンB1の吸収率をアップさせ、疲労回復効果が期待できます。

どの部分に栄養素が多い?

ニラの葉の部分には、β-カロテンやビタミンCが多く、根元の部分にはアリシンが葉の部分の4倍も含まれています。

切ったニラのイメージ
photo by canva

場所によって多く含まれる栄養素が異なるため、切り方を工夫すると、より効率よく栄養素をとることにつながります。

栄養素をムダなくとるには…

根元の切り落としは最小限に!

根元の部分こそアリシンが多く含まれるため、切り落とすのはもったいないです。気になる場合は最小限に抑えましょう。

部位によって切り方を変える。

葉の部分は大きめに、根元の部分は細かく切りましょう。葉の部分に多いビタミン類は細かく刻むと減少してしまいます。また、根元に多いアリシンは刻むことで発生する成分です。

根元を細かく切るニラのイメージ
photo by canva

加熱時間は短く!

加熱することで、カリウムやビタミンCなどは減少してしまいます。加熱時間は1~2分程度でさっと仕上げるのがおすすめです。

油やビタミンB1を多く含む食品と一緒に調理する。

油と一緒に調理することで、アリシンやβ-カロテンの吸収率がアップします。またビタミンB1を多く含む豚肉や穀類ととることで、ビタミンB1の吸収率が10倍もアップします。

ニラの炒め物のイメージ
photo by canva

冷凍する。

ニラの中に含まれる水分が凍ることにより、細胞が破壊され、アリシンになる前のアリインという成分が9.6倍も増加します。使いやすい大きさに切ったニラをラップで包むまたは保存袋に入れて冷凍するだけでOKです。

ニラの栄養価をムダなくとり、疲労をためにくい身体づくりに役立てましょう。

【参照】
『その調理、9割の栄養捨ててます!』(世界文化社)
『その調理、まだまだ9割の栄養捨ててます!』(世界文化社)
『八訂準拠 ビジュアル食品成分表』(大修館書店)
ニラ|とれたて大百科|食や農を学ぶ|JAグループ

ライター/おがわ ゆり
フリーランス管理栄養士。保育園栄養士、小学校栄養教諭、専門学校で栄養学の講師を経験。出産を機に退職し、家族の食事を考える中で「食を楽しむ笑顔をもっと増やしたい、そのためにも食事づくりを楽にするサポートがしたい」という思いが芽生え、フリーランスの道へ。現在は母親向けの時短簡単レシピの発信、栄養や健康に関する記事執筆や講師業、DNAダイエットプランナーとしてダイエットサポートをしている。Instagram:@yuri_eiyou_health

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NS Labo(栄養サポート研究所)

NS Labo(栄養サポート研究所)

全国の栄養士、管理栄養士をサービスパートナーとして、健康やダイエット、美容関連の 商品開発や監修、講演やコラム執筆、メディア出演などウェルネス分野を中心に幅広く事 業を行っている。 また、2020年に「ウェルネスライフコーチ協会」を立ち上げコミュニティを通して健康貢 献活動を行っている。



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