【専門家が警鐘】ADHD(注意欠如・多動症)の子どもが避けたほうが良い「4つの食品」とは?

 【専門家が警鐘】ADHD(注意欠如・多動症)の子どもが避けたほうが良い「4つの食品」とは?
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山口華恵
山口華恵
2024-02-02

長らくの間、専門家たちは特定の食品が注意欠陥多動性障害(ADHD)と何らかの関連があるのではないかと考えてきた。

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ADHDに対する有益な食事に関する研究は進行中だが、今のところは特定の食品がADHDを引き起こすという確たる結論は得られていない。ただし、注意が必要なのは一部の食品がADHDの症状を悪化させる可能性があるという点だ。今回は、専門家の意見やエビデンスを元に、ADHDの子どもが慎重になるべき食べ物を紹介したい。

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合成の食品添加物

米カリフォルニア州は、昨年10月7日、アメリカ国内で初めて、潜在的な健康リスクを理由に、赤色3号を含む4つの食品添加物を禁止した。2027年から施行されるこの法律は「スキットルズ・バン」とも呼ばれ、アメリカで人気のキャンディ、スキットルズはカリフォルニアでの製造、販売、流通が禁止となる。ADHDの専門家や食品安全の提唱者は、FDA(アメリカ食品医薬品局)に全国的な禁止令を発令するよう求めている。この法律の裏には、合成の食品添加物はがん、生殖問題、子どもの行動および発達の問題に関連しているという研究がある。特に、赤色3号は、子どもの行動異常と関連付けられており、ADHDを持つ子どもたちに影響を及ぼす可能性があるのだ。専門家は、ADHDの子どもたちに対して、食品添加物を含む食品を避けるよう推奨している。赤色3号は、清涼飲料水、ジュース、ヨーグルト、スナック、キャンディ、シリアルなど様々な製品に使用されている。

参考までに以下のような天然食品着色料は問題ない。:アナトー、アントシアニン、ベータカロテン、キャラメル、コチニール、クロロフィル、パプリカ、レッドビート、サフラン、ターメリック。

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清涼飲料水

甘いジュースや炭酸飲料など清涼飲料水には、果糖コーンシロップやカフェインなど、ADHDの症状を悪化させる可能性のある成分が多く含まれている。「過度な砂糖とカフェインの摂取は、ともに過動性や気が散りやすい症状を引き起こす原因となる」とメイヨー・クリニックのミシェル・バーンヒル医師は述べている。ある研究では、炭酸飲料を飲んでいた5歳の子どもたちの中には攻撃性や社交的な引きこもりの傾向がより見られるという結果も出ている。

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冷凍の果物と野菜

新鮮な果物と野菜はすべての子どもたちの食事に重要だが、とりわけADHDの子どもたちにとっては、症状の緩和を期待できる。研究によれば、ADHDの子どもたちが果物と野菜をより多く摂取すると、注意欠如のような症状が軽減される可能性が高まるという。一方、一部の冷凍の果物や野菜に含まれる合成着色料は、不注意、衝動的な行動、過剰な活動などを引き起こすことが確認されている。また、バーンヒル医師は、一部の冷凍食品が別の理由でADHDの症状を悪化させる可能性があると述べている。「(殺虫剤として使用される)有機リン系農薬が使用された食品はリスクが高い」という。冷凍食品を利用する代わりに、フレッシュな野菜を購入して家庭で調理して摂取する方が望ましい。

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フード・センシティビティや食物アレルギーを引き起こす食品

食物アレルギーやその手前とも言えるフード・センシティビティ(食物に対する敏感さ)がある場合、問題の食品を排除し、食事を変えることがADHD症状を著しく改善する可能性がある。食物アレルギーやフード・センシティビティを持つ多くの子どもたちは、特定の食品を食べた際、ADHDの症状を示すことがある。ADHD反応を引き起こす可能性のある主な食品には、牛乳、チョコレート、大豆、小麦、卵、豆、とうもろこし、トマト、ぶどう、オレンジなど。

実際、2011年に医学雑誌「ランセット」が発表した研究では、ADHD症状への食事の影響を評価した。100人のADHDを持つ子どもを対象に、50人には制限された食事、50人には通常の食事を提供した。5週間後、制限食の子どもの64%がADHD症状に著しい改善を示し、通常食の子どもでは改善しなかったという結果が出ている。

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出典:
5 Foods to Avoid if Your Child Has ADHD

5 Things Kids with ADHD Should NOT Eat

Red Dye No. 3 Banned in CA, Linked to Behavioral Problems

Eggs, Dairy, Nuts, and Soy: Testing for Food Sensitivities with an ADHD Elimination Diet

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山口華恵

山口華恵

翻訳者・ライター。大学卒業後、製薬会社やPR代理店勤務を経て10年間海外(ベルギー・ドイツ・アメリカ)で暮らす。現在は翻訳(仏英日)、ライフスタイルや海外セレブリティに関する記事を執筆するなど、フリーランスとして活動。趣味はヨガとインテリア。



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