慢性的な腰痛、病院に行くべき?放置しても良い?腰痛専門医の見解は

 慢性的な腰痛、病院に行くべき?放置しても良い?腰痛専門医の見解は
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ぎっくり腰になったら、迷わず病院や接骨院へ行きますよね。でも、なんとなく痛みが続く、たまに腰が痛くなるという場合、そのまま放置していませんか? その痛み、椎間板のせいかもしれません。

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慢性的な腰痛は、放置しても治らない

腰痛は、2種類あります。ぎっくり腰など、発生から4週間以内に痛みが治る「急性腰痛」。日々の腰への疲れが蓄積し、じわじわと痛みが続く「慢性腰痛」。この慢性腰痛、急性腰痛のように、放っておいても自然治癒することはありません。

なぜなら、慢性腰痛の原因には、椎間板変性が大きく関わっているからです。

椎間板の代表的な治療法

椎間板とは、背骨と背骨の間を支える、クッションのようなもの。ちょうど腰の辺りにある背骨(=腰椎背骨)の間にある椎間板の変形の仕方によって、椎間板ヘルニアなどさまざまな腰痛が引き起こされます。

椎間板 椎間板ヘルニア
椎間板ヘルニア/イラストAC

その椎間板の変化や劣化は、自然治癒することはありません。そのため、痛みや症状に合わせた治療が必要になります。

<腰の痛みだけの場合>

痛みを和らげる薬物療法、温熱療法、神経ブロック。同時にストレッチや体操を行い、筋力向上で腰痛をサポート

<腰に加え、臀部、足の痺れがある場合>

PLDD(レーザー治療)、脊髄手術(椎間板ヘルニア摘出術、LOVE法など)

<歩行障害がある場合>

全身麻酔による外科的手術

これらの治療は、椎間板そのものを治すのではなく、痛みを取り除くための治療になります。

フランス発の新しい治療法!

近年、慢性腰痛の主な引き金となる椎間板そのものを修復する、新しい治療法「セルゲル法」(自費診療)が、日本でも受けられるようになってきました。

セルゲル法とは、劣化した椎間板内部にDiscoGel(ディスコゲル)という特殊な液体状の物質を充填することで損傷部分の修復を促し、椎間板そのものや椎間板ヘルニアなどの脊椎疾患に由来する腰痛の改善を目指す治療方法です。「修復する」「引き込む」「満たす」の3つの作用で、脊椎疾患に起因する諸症状の改善を目指します。

今まで腰痛の治療法といえば、今までは温存か痛みを取り除く手術のみ。しかしこのセルゲル法なら、椎間板の劣化した部分に薬剤を注入することで、椎間板自体を修復し、正常な機能を取り戻すことができるのです。

さらに、局所麻酔で日帰り手術が可能だそう。一昔前まで、椎間板ヘルニアになったら、ごまかしながら一生付き合っていくしかありませんでした。でも、入院不要な手術で、完治する時代がくるなんて!これからの腰痛治療の有力な選択肢になりそうです。

教えてくれたのは…蓑輪忠明さん

医療法人OJ会 ILC国際腰痛クリニック東京院長。日本医科大学卒業後、日本医科大学付属病院、海老名総合病院、江東病院などを経て2022年よりILC国際腰痛クリニック東京院長に就任。日本医師会認定産業医、日本がん治療認定医機構 がん治療認定医。

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構成・文/池田ゆき

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ヨガジャーナルオンライン編集部

ヨガジャーナルオンライン編集部

ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。



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