脂肪肝の人が食べてはいけない食品ってある?控えるべき食品の特徴と控えるコツ|管理栄養士が解説
近年では食べ過ぎが原因で脂肪肝を発症する人が増えているといわれています。食べ過ぎによる脂肪肝を改善するには、食事量を抑えたり脂肪肝の原因となる食品の摂取を減らしたりすることが重要です。 「食べ過ぎに注意すべきなのは分かるけど、どんな食品を控えたら良いの?」と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。 そこで、今回の記事では脂肪肝において控えた方が良い食品について管理栄養士が解説します。
控えるべき食品はどんなもの?
脂肪肝は摂取したエネルギー(カロリー)のうち消費しきれなかった分が脂肪として肝臓に多く蓄積されることで発症します。余分なカロリーを摂取しないためには、食べ過ぎないことやカロリーの高い食品を控えることがポイントです。カロリーの高い食品としては、ご飯やパンなどの糖質を多く含む食品、揚げ物や肉など脂質を多く含む食品などが挙げられます。さらに脂肪肝を発症した人は、果糖や飽和脂肪酸の摂取が多い傾向があるといわれています。これらを多く含む食品も控えるべきと考えられます。では具体的にどんな食品を控えると良いのでしょうか?
脂肪肝を予防・改善するために控えるべき食品4選!
脂肪肝を予防・改善するためには、以下の4つの食品を食べ過ぎないように注意する必要があると考えられます。
脂身の多い肉
脂身の多い肉には飽和脂肪酸が多く含まれており、飽和脂肪酸の摂取は脂肪肝のリスクと関連がある可能性があります。そのため、脂肪肝の人にとっては控えるべき食品の一つとされています。普段の食事で肉料理が多い場合は、食べる頻度や1食あたりの摂取量を減らしたり、脂身の少ない肉に代えたりすると良いでしょう。
菓子パン・洋菓子
菓子パンや洋菓子などには飽和脂肪酸を多く含むバターやショートニングが含まれています。そのため、菓子パンや洋菓子を含む食品の摂取にも注意が必要です。主食として菓子パンを食べている場合は、甘味の少ない全粒粉のパンや食パンに代えることで飽和脂肪酸の摂取を減らせます。またパンにバターやマーガリンをつける際には、つけすぎないように意識しましょう。
ファーストフードなどの加工食品
加工食品は手軽に食べられる、保存が効くなどのメリットがあるものの、健康において好ましくありません。加工食品の摂取と脂肪肝との関連を調べた研究によると、加工食品の摂取量が増えると脂肪肝のリスクが高まることが示唆されています。そのため、ファーストフードや冷凍食品などの加工食品の摂取を控えることが重要です。ただし、現代では時間や経済的な理由からファーストフード、レトルト食品、冷凍食品などを利用することが増えており、いきなりこれらの摂取を制限するのは難しいと考えられます。毎食のようにレトルト食品や冷凍食品を食べている場合は、加工食品の摂取量や摂取頻度を減らす、1日1食は自炊にするなど少しずつ変えられると良いですね。
炭酸飲料などの甘い飲み物
ジュースなどの甘い飲み物は果糖が多く含まれているため、控えるべき食品の一つといわれています。実際に砂糖や人工甘味料を含む炭酸飲料と脂肪肝の関連を調べた研究では、砂糖を含む炭酸飲料を摂取すると脂肪肝のリスクが高くなる可能性があると示唆しています。さらに缶コーヒーやカフェラテにも砂糖が多く含まれているものがあります。これらの摂取にも注意が必要でしょう。普段からジュースや炭酸飲料などを飲む場合はお茶や水などにする、缶コーヒーやカフェラテを飲む場合は砂糖を含まないものにするなど甘い飲み物を控えるように心掛けてくださいね。
今回は脂肪肝の人が控えるべき食品についてご紹介しました。食べ過ぎや飲み過ぎ、偏った食生活は、脂肪肝をはじめさまざまな病気のリスクを高め健康を損なう原因となります。食べ過ぎたり特定の食品のみを摂ったりすることは控え、バランスの良い食事を心掛けていきましょう。
【参考文献】(2023年10月2日閲覧)
・日本消化器病学会「NAFLD/NASHガイド」
・文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
・AE Henney et al. Ultra-Processed Food Intake Is Associated with Non-Alcoholic Fatty Liver Disease in Adults: A Systematic Review and Meta-Analysis. Nutrients, 2023;15(10):2266.
・K Wijarnpreecha et al. Associations of sugar- and artificially sweetened soda with nonalcoholic fatty liver disease: a systematic review and meta-analysis. An International Journal of Medicine, 2016;109(7):461-466.
AUTHOR
一ノ木菜摘
管理栄養士/ライター。短大卒業後、病院で栄養士として働きながら管理栄養士免許を取得。その後は病院の管理栄養士やコールセンターなどの経験を経てライターとして活動を始める。ダイエットや食品、メンタルなどのヘルスケアについて論文などの科学的根拠をもとにコラムを執筆している。
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