「脂肪肝」と診断された人が脂肪肝を改善するために行うべき3つの食事ポイント|管理栄養士が解説
脂肪肝と聞くとアルコールをイメージする方がいらっしゃるかもしれませんが、近年ではアルコールだけではなく食べ過ぎが原因で脂肪肝を引き起こされるといわれています。そのため、脂肪肝といわれたら食事を改善することが必要です。 そこで今回の記事では脂肪肝を改善するための食事のポイントを解説していきます。
脂肪肝の原因とリスク
脂肪肝とは肝臓に脂肪が蓄積した状態のことを指します。肝臓は「沈黙の臓器」とも呼ばれ、脂肪肝になってもほとんど症状がありません。そのため気づかないうちに進行して肝硬変などを招く恐れがあります。
脂肪肝の主な原因は食べ過ぎと飲み過ぎといわれています。肝臓は消化・吸収した栄養素を全身に供給する重要な役割がありますが、食べ過ぎや飲み過ぎによって消費されなかったエネルギー(カロリー)は脂肪となり肝臓に蓄積されて、脂肪肝を引き起こしてしまうのです。
では具体的にどのようなことに気をつければ良いのでしょうか。
脂肪肝を改善するための食事のポイント
脂肪肝を改善するためには原因となる食べ過ぎや飲み過ぎを控え、栄養バランスの良い食事を意識することがポイントです。
それぞれのポイントを詳しく解説しましょう。
(1)食べ過ぎに注意する
脂肪肝を発症している方のほとんどは食べ過ぎていると考えられます。まずは今まで食べていた量よりも減らすことを意識しましょう。1食あたりご飯を2杯食べていたのを1杯に減らす、大盛りを頼まないなど必要以上にカロリーを摂り過ぎないことがポイントです。揚げ物や肉類などカロリーの高い食品の摂取を控えましょう。
また食事以外に摂取する間食にも注意が必要です。間食で洋菓子やジュースなどをよく食べている方はカロリーを摂り過ぎている可能性があります。間食を控えるか、1日当たり200kcal程度の間食を摂取すると良いでしょう。
(2)栄養バランスの良い食事を摂る
食事では食べ過ぎに注意するだけではなく、栄養バランスを意識した内容にすることも重要です。野菜を積極的に取り入れ、主食・主菜・副菜が揃ったバランスの良い食事を意識しましょう。
(3)お酒を控える
飲み過ぎが原因と考えられる場合は、お酒を控えることも重要です。厚生労働省では節度ある飲酒量として1日平均純アルコール量で約20g程度であるとしています。そのため1日当たりの飲酒量は日本酒では1合、ビールでは中瓶1本、酎ハイでは1缶、ワインでは2杯程度を目安とすると良いでしょう。ただし、女性や高齢者、飲酒習慣のない方は目安の量よりも少なくすることが望ましいです。また、週に1、2日ほどの休肝日を設け肝臓を休ませるようにしましょう。
お酒を飲む際は一緒に摂るおつまみにも注意が必要です。カロリーの高いおつまみを食べ過ぎないように心掛けてくださいね。
食事量や食事内容を意識しよう!
脂肪肝は食べ過ぎや飲み過ぎなど食生活によって発症することが多いとされています。脂肪肝といわれたらご自身の食生活を見直すきっかけと捉えて、食事量や食事内容を改善していきましょう。
【参考文献】(2023年9月25日閲覧)日本消化器病学会・日本肝臓学会「NAFLD/NASH診療ガイドライン 2020(改訂第 2 版)」、厚生労働省 e-ヘルスネット「間食のエネルギー(カロリー)」、厚生労働省 「アルコール」
AUTHOR
一ノ木菜摘
管理栄養士/ライター。短大卒業後、病院で栄養士として働きながら管理栄養士免許を取得。その後は病院の管理栄養士やコールセンターなどの経験を経てライターとして活動を始める。ダイエットや食品、メンタルなどのヘルスケアについて論文などの科学的根拠をもとにコラムを執筆している。
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