もしかしてあなたも隠れ脂肪肝?「お酒を飲まないのに脂肪肝」が増えている最大の理由は|専門医が解説
糖質制限、と聞くと思い浮かぶのは、ダイエット。ですが、糖質過多になると、見た目の問題だけでなく、様々な病気や体調不良を引き起こすこと、ご存知ですか? そこで、ベストセラー「空腹こそ最強のクスリ」の著者、青木厚医師に糖質のもたらす害と改善方法について、お話を伺いました。
現代日本人の多くが、糖質過多
「私は医師として、長年多くの糖尿病の患者さんと向き合ってきました。その中で痛感しているのが、糖質過多なのです」(青木厚医師)
成人に必要な糖質は、1日170gと言われています。ですが、茶碗1杯の白米のうち、糖質は約50g。1日3食ご飯を食べるだけで、ほぼ必要な糖質は摂取できてしまいます。ですが、糖質は加工品、甘味、果物など多くの食品に含まれているため、いざ調べてみると驚くほどの糖質過多になっている人も少なくありません。
ではなぜ、私たちは糖質を摂取することをやめられないのでしょうか?
糖質を摂取すると、簡単に幸せになれる。でも……
糖質は、脳内麻薬と言われる「ドーパミン」と「β–エンドルフィン」を増やすことがわかっています。そのため、甘いものを食べると「幸せ~♡」と笑顔になれる、と言うわけなのです。
その反面、摂取し過ぎた糖質により、上がった血糖値を下げるために、体内ではインスリンが分泌されます。すると、急激に低血糖になるため、眠くなったり、だるくなったり、やる気が無くなる状態に。
「糖質は、まるでジェットコースターのように、摂取した人の気分を乱高下させるため、心身のバランスを崩す元凶となってしまうのです。ものを食べた後、すぐに眠くなる人は要注意です」(青木医師)
糖質過多が、肝臓癌を引き起こす
「脂肪肝」といっても、ピンとくる人は少ないかもしれません。でも今、4人に1人が発症している病気で、痩せ型でも、アルコールを飲まない人でも脂肪肝になる人が増えている、といったらどうでしょうか?
「糖質過多で一番ダメージを受ける臓器は、肝臓かもしれません。過剰な糖質は肝臓で中性脂肪に変わり、どんどん貯蔵されます。その結果、異常な量の脂肪が溜まった『脂肪肝』になるのです」(青木医師)
特に、糖質過多による脂肪肝が進行すると、肝硬変や肝臓癌といった命を脅かす病気につながります。同時に糖尿病の発症リスクが高まるため、常に糖質の取りすぎに気をつけなければいけません。
16時間断食で糖質過多を防ぐ
糖質制限を行なっている人も多いですが、より簡単に、手軽に糖質過多を予防できるのが、「16時間断食」です。
「1日1回でも1週間に1回でも、ものを食べない時間(16時間)を作ることで、普段、糖質を摂りすぎている人でも、いったん血糖値を下げることができます。さらに、肝臓に溜め込んでいた脂肪を分解し、エネルギー源にもできるのです」(青木医師)
教えてくれたのは……青木厚先生
医学博士。あおき内科 さいたま糖尿病クリニック院長。自身が40歳のときに舌がんを患うも完治。その後、著書にあるよう1日2食、16時間断食を用いた食事療法を実践し、がんの再発を防いでいる。著書に「空腹こそ最強のクスリ」(アスコム)。
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ヨガジャーナルオンライン編集部
ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。
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