心臓疾患、糖尿病、不妊治療まで。米・マサチューセッツ医療機関が提供する「心と体のための医療」とは
米国においては、医療の現場にヨガが取り入れられることは、もはや一般的になりつつある。マサチューセッツ総合病院もそのひとつだ。
米国の中でもっとも医師が働きやすい都市のひとつにあり、もっとも研究レベルの高い大学医療センターのひとつでもある、マサチューセッツ総合病院。その中の、心と体のための医療を提供するベンソン・ヘンリー・インスティテュートは、心と体とを結びつけるスキルを診療に取り入れる、駆け出しの医者のための訓練に向けた機能を十分に備えた医療機関だ。
個人に合ったヨガ療法を
この科の創始者であり、名誉理事を勤める医師、ハーバート・ベンソンは、ストレス反応に対するパワフルな解毒剤としてのリラックス反応に関する研究を行った先駆者であり、瞑想で起こるリラックス反応の結果、新陳代謝や心拍数、脳の活動に変化が起きることを最初に述べた医師のひとりである。
この医療機関は、研究に献身的に取り組もうとするその姿勢によって、今でも特別な存在であり続けている。ベンソンは最近、同僚の研究者たちとともに、瞑想とヨガを含めたリラックス反応を導き出すプラクティスにより、遺伝子発現の一部に起こる変化について述べた、画期的な研究を発表した。この医療機関では、心臓疾患から糖尿病、不妊治療まで、ありとあらゆる患者の治療が医師によってサポートされ、身体と精神両方に起こる、さまざまな症状の治療を補助するため、個人に合ったヨガ療法が施される。ここで医局長と、医学教育長を勤めるダーシャン・メータによると、ベンソン・ヘンリー・インスティテュートでは、研究と患者のケアへ力を注ぎながら、医学生や実習生のための統合医療の教育にも、熱心に取り組んでいるのだと言う。「ここは、医学界のリーダーを育成することで知られています」とメータは言う。「私たちは、次世代の医師たちに、心と体のための医療がもたらす恩恵について知ってもらわなくてはいけない。ベンソン・ヘンリー・インスティテュートで学んだ後、彼らが少なくとも、その価値を認めることができ、また、何らかの形でそれを診療に生かしてくれたら、と願っています」。
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