脱水状態だと二日酔いになりやすい?【飲酒時に知っておきたい水分補給のコツ】管理栄養士が解説
暑くなると飲みたくなるのがビールをはじめとしたお酒。喉が渇いた時にキンキンに冷えたビールを飲むのは、お酒好きにはたまらないですよね。でも飲み方に気をつけないと脱水状態になりやすいことはご存知ですか?
アルコールを飲むとなぜ脱水状態になりやすいのか?
アルコールを飲むとトイレが近くなるのは、経験したことがある方も多いのではないでしょうか。それは以下の理由によって水分が体外に出やすくなるからです。
①アルコールに利尿作用があるから
お酒、特にビールは利尿作用があります。ビールを1L飲んだ場合、1.1Lの尿が体外に排出されると言われています。
この暑い時期、外でバーベキューをしながらビールを飲むようなシチュエーションだと、汗によっても水分が奪われるので、脱水には特に注意が必要です。
②アルコールの分解に水が使われるから
アルコールを飲むと、2割が胃から、8割が腸から体内に吸収され、肝臓で分解されます。肝臓ではアルコール(エタノール)はアセトアルデヒド、酢酸を経て、最終的には水と二酸化炭素まで分解されて体外に排出されます。実はアセトアルデヒドから酢酸に分解される過程に水が必要なのです。
ちなみに、二日酔いの症状はアセトアルデヒドが原因。身体が脱水の状態だと、アセトアルデヒドが分解できず、二日酔いの症状が長引いたり酷くなったりすることもあるので、適切な水分摂取が必要なのです。
飲酒時に知っておきたい 水分補給について
そもそも1日に必要な水分量はご存知でしょうか?身体の大きさや気温などにもよりますが、目安として1日2.5Lの水が必要と言われています。そのうち、1Lは食事に含まれる水分から、0.3Lは体内で作られる水分からまかなわれるので、飲料からは1.2Lの水が必要と考えられます。体内に一度に吸収できる水の量も限りがあるので、一度に大量の水を飲むのではなく、こまめな水分摂取を心がけましょう。
またお酒を飲むときは必ず水を一緒に用意し、お酒の合間に飲むようにしましょう。特に入浴中と就寝中はたくさん汗をかいて水分不足になりやすいので要注意。お酒を飲んだ時は入浴前や就寝前、起床時にコップ1杯のお水を飲むように心掛けてくださいね。
また食べ物を食べずにお酒だけを飲むのは酔いがまわりやすくなるだけでなく、電解質も不足しがちに。枝豆やきゅうりのお漬物など、塩分を含むおつまみと一緒に飲むようにしましょう。
<参考元>
厚生労働省 「健康のため水を飲もう」推進運動
東邦大学 お酒と腎臓
AUTHOR
和田 梓
管理栄養士。これまでヘルスケアIT企業にて、ダイエット・糖尿病・IBD・CKDなど、幅広い悩みに向けたレシピ開発を100件以上行う。その他、記事執筆、WEBページの企画・編集、保健指導などに従事。ハーブやスパイスを使った創作家庭料理が得意。
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