「自分は自分のままでいい」モデル・イラストレーターAVIさんが語る、美しさの哲学とは?
「ヨガする人は美しい」連載企画。日本をはじめグローバルに活動するモデルとして、ヨギとして、本誌やさまざまな媒体で誌面を華やかに飾るAVIさん。エキゾチックでクールビューティ、抜群のプロポーションにうっとりしながら、陽だまりのようにピースフルな空気感を纏う彼女は、そこに居るだけで周りをそっと癒してくれます。6年前からは海外を転々とするライフスタイルへ、そして一児の母となり、モデルとしてはもちろん、イラストレーター、さらには「パーソナルビューティースタイリスト」として新たな活動もスタート。ますます「私らしさ」を輝かせるAVIさんに、セルフケアと幸せのヒントを教えてもらいました。
──海外を飛び回りながらの家事や子育て、それでいていつも変わらず穏やかなAVIさんですが、「自分らしくいるために大切にしていること」はどんなことですか?
私は1日のうち、必ずどこかで「一人の時間」を持つようにしていて、そこで本来の自分に戻ることを心がけています。海外生活も6年目になって、今は家族、とくに2歳になる息子を中心に生活していますが、子育てで慌ただしく、頭の中もゴチャゴチャしたまま過ごしていると渦中に飲み込まれてしまって、感情も乱れやすくなったり。でも、1日のどこかで必ず、10~20分でもいいから一人の時間を作って、「私、今どんな感じかな」ってそのとき感じている感情や状況を、少し離れたところから客観視してみるんです。バタバタしているときは気遣いが足りなくなったり、見逃していることも多いけど、一人になって冷静に振り返ると「あ、いま慌てているな」「私いま、ちょっと余裕がないんだな」「あ、こんなに視野が狭くなっちゃっていたな」など、気付かされることが多いんですよね。意識的にその時間を持つだけで、イライラやザワザワしていた心もスーッと落ち着いて、ニュートラルな自分に戻れる、そして「あ、もうちょっと優しくなろう」って思えたりもします。それって、ヨガで内観力を培われたからこそ得られる気づきだなってすごく思います。
私はヨガに出会う前、20代の頃はすごく落ち込むことが多くて、1ヶ月に1回は気持ちが沈んでしまう時期があったくらい。その頃はそのストレスから過食ぎみになったり精神的なアップダウンも大きかったんですが、ヨガに出会ってからは、体とともに心を内観することを学んで、悩みがあっても「あ、私は今こういう状態なんだな」と俯瞰視できるようになりました。たくさんあったコンプレックスも、ヨガ哲学で「人と比べない」ことを学んだら、すごく心が軽くなって。コンプレックスって多かれ少なかれ誰でも感じることだと思いますが、それって「人と比べるからこそ、自分が劣っている・人と違うと感じてしまう」んですよね。でもそこに気づけたら「あ、人は人、自分は自分でいいんだ」っていう感覚が深まって、コンプレックスや劣等感もどんどん減っていきました。ヨガを通して「客観的に見る」ことや「自分軸」の大切さを学べたことは、いま海外生活を送るなかでもとても支えになっています。
──モデルとしての顔だけでなく、拠点が海外に移り、結婚して妻になり、一児の母になり、そうしてライフステージが変化していくなかでも、ヨガの学びはAVIさんの人生に寄り添い続けているんですね。
本当にその通りで、ヨガに出会えて良かったなって思います。内観といっても私は座って瞑想をするのは苦手なんですが、なるべく溜め込まないように、ちょっとの時間を見つけてこまめに心身をリセットしています。今は息子がお昼寝している時間に、一人でのんびり過ごしながら内観したり、それができなくても数分でも、たとえばトイレやお風呂など、個室で一人になる時間も私のリフレッシュタイム。とくにお風呂のシャワータイムは、私にとって絶好の瞑想タイムなんです。頭頂部にシャワーを浴びながら、その心地よさに委ねていると、頭頂の第7チャクラがふわぁ~っと開くような感覚でスーッと瞑想状態に入れるんです。ときどきシャンプーをしたかどうかも忘れて、一回洗ったのに「またシャンプーしちゃった!」っていうくらい深い瞑想状態に入るときも(笑)。シャワー瞑想の間には、いろんな気づきや閃きが降りてくることも多くて。そうして一人になれる時間を意識的に作って、ニュートラルな自分に戻るようにしています。
──2年前にご出産されたAVIさん、産後はますますボディラインが引き締まったそうですが、身体はどのようにケアされていますか?
朝晩のヨガプラクティスは習慣にしていて、朝ヨガでは体を目覚めさせながらシェイプアップ効果も高いポーズを取り入れたり、太陽礼拝に筋トレ要素のあるエクササイズをMIXしたり。私がヨガをしていると、息子も興味津々でマットの上にのってくるので、今は息子と一緒にヨガを楽しんでいます。夜はストレッチ効果の高いヨガポーズを取り入れて、体をほぐしてから眠るようにしていますね。
実は私、産前よりも産後のほうが体型がスッキリしたんです。それも、とくに特別なトレーニングをしたわけでもなくて。というのも、私はコロナ禍が始まった頃に海外で出産して、両親など誰も頼る人がいなかったこともあり、出産直後から普通に動き回って家事もこなし始めたんです。そのおかげもあって体重は自然と落ちていき、今は毎日、体重13kgの息子を抱っこしたり、抱っこしたまま階段を上り下りしたりするだけで、自然と下半身や二の腕のエクササイズになっています! 息子を抱き上げるだけでも、ウエイトを持ったスクワットのような効果があり、それも1日に何度も抱っこをしたり、床に落としたものを拾うときも抱っこしたまましゃがむので、そこでまたスクワット運動(笑)。以前は自重スクワットすらも苦手だったのに、今は自然とできるようになって、気がついたら太腿や二の腕が驚くほどスッキリしていました。
──ご家族と幸せな日々を贈るなかで、内と外から美しく輝いているAVIさんですが、そんなAVIさん自身が「美しい」と感じる人の共通点は?
やっぱりポジティブで、アクティブで、視野も広くて包容力がある人はとても素敵だなって感じます。視野が狭い人って、「そんなことで怒る?」と感じるようなことでもプリプリ怒ったりしますよね。でも、そんなときに「いや、それってこっちの違う側面から考えたら当たり前だよね? そこで怒るのはおかしいよね」と多角的に、物事を冷静に捉えられる人は素敵だなって。私もそういう器の広い、包容力のある人になりたいですね。そして、人の悪口を言わない人も、心の美しさを感じます。そもそも陰で悪口を言うより、「言いたいことがあるなら本人に直接伝えたらいいのに」と思いますし、どんなことが起きても、たとえネガティブに感じることでも、常にポジティブに転換して捉えながら、アクティブに生きる人にも憧れます。
私もそんな人たちに刺激をもらいながら、もっと自分の好きなことにチャレンジしてみたくて、2022年は新しく「パーソナルビューティースタイリスト」というプロジェクトも立ち上げました。モデル業を通してたくさんの洋服に袖を通してきたからこそ分かること、ファッションの着こなしやサイズ感、メイクや髪型、TPOごとのコーディネート、海外旅行で現地の空気感に馴染めるヒントなどもアドバイスしています。ビジネスシーンでもプライベートでも、「人の印象は最初の2秒で決まる」とも言われるからこそ、自己プロデュースは大切。だから「どんな自分になりたいか」を伺って、その方らしさを最大限に引き出しながら、さらに魅力的になれるスタイリングを提案していきたいなと思って。お客様は男女問わず、「自分にどんな服が似合うのか、初めて知りました」「ファッションってこんなに楽しいんだ!」「自分に自信が持てました」「自信を持ってプレゼンができました」といった声も多くいただいて、やりがいも感じています。これからも私自身の経験を活かしながら、皆さんがますます輝けるお手伝いができたらいいなと思っています。
AVI
モデル。大阪府生まれ。イギリス人の父と日本人の母を持つ。女性誌や広告、ショー等で活躍しながら、ヨガ講師資格RYT500も取得。6年前から海外へ移住し、日本と海外でのモデル活動のほか、イラストレーター業も。2022年からは「パーソナルビューティースタイリスト」の活動もスタート。HP内のロゴやアイコン、イラストやデザインも自身が手がけ、スタイリッシュでクリエイティブな才能を発揮。HP:avistyling.com
ブラックワンピース¥62,700(ラシュモン/アペリア)、中に着たキャミソール¥49,500(ヘンネ/ヘンネ カスタマーサポート)、ネックレス¥66,000、バングル¥198,000ともに(カラットアー/イセタンサローネ 東京ミッドタウン)、ピアス¥51,700(プライマル)、靴¥39,600(アンチショルド/アンチショルド カスタマーサポート)
ジャンプスーツ¥88,000(ヘンネ/ヘンネ カスタマーサポート)、ネックレス¥19,800、ブレスレット¥39,600ともに(リューク)、ピアス¥6,600(CONN)、リング(バウゴヘイアン)
AUTHOR
ヨガジャーナルオンライン編集部
ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。
- SHARE:
- X(旧twitter)
- LINE
- noteで書く