「自分と向き合う時間が、私を自由にする」田上陽子さんインタビュー【わたしの、はじめの一歩】#03

 「自分と向き合う時間が、私を自由にする」田上陽子さんインタビュー【わたしの、はじめの一歩】#03
(Photo by Yuuko Konagai)
関早保子
関早保子
2018-05-05
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――すごい体験ですね。ハワイ島に行ったのはプライベートですか?

はい。お仕事もご一緒させて頂いている仲の良いヘアメイクの方と一緒に、ハワイ島とモロカイ島に行ってきました。毎年恒例のスピリチュアルツアーです。雲の上にいるような、いわゆる「骨抜き状態」になるんです。緊張がほぐれてニュートラルになり、やさしい自分になれる。だから毎年大きいリトリートは行くようにしています。そうやって、日々の忙しさとバランスを取るようにしていますね。

――リトリートの場所は毎回どのように決めているのですか?

変な言い方かもしれませんが、呼ばれたところに行っています(笑)。何か「今だっ!」って思う感じ。現地の方に会うと、「君は呼ばれたんだね」と言われるような場所も多いです(笑)。
実は、自分で気づかないうちに体を酷使してバランスをくずしてしまい、医者に通っていた時期がありました。どうにも元気が出ず、それこそ笑顔になれないこともありました。でもリトリートのおかげで、いろいろなものごとから解放され、違う次元で自分を見れるようになったんです。だから定期的に、意識的に自然に身を置くようにしています。

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去年はスリランカに行き、アーユルヴェーダにどっぷりと。写真はYoga&Meditationの時間。

――自分と向き合うことって意外と難しかったりしますよね。リトリート以外に、意識して行っていることはありますか?

自然に身を置くという意味では、週末に温泉に行くことはよくあります。フットワークは軽い方なので、日帰りでサクッと行ったり。
あとはヨガやピラティスをすることかな。手がけているブランドで、ヨガイベントを行ったこともあります。チャクラに響くオリジナルのサウンドを聴きながらの「サウンドメディテーション」と腸活ランチイベントは、とても好評でした。もっと日常で言うと、呼吸を整えることですかね。簡単にですが、瞑想もよくしています。自分と向き合う時間は、意識して作るようにしていますね。

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(Photo by Yuuko Konagai)

――やわらかい笑顔のお話がありましたが、嬉しい!という大きな笑顔になれるのはどんなときでしょうか。

やっぱり仕事をしているときかな。この前も改めて実感したんです。外部の方々も含め、今一緒にやっているチームが、ひとつのところに向かいつくり上げている瞬間の喜びの大きさを。チームの一体感から生まれる興奮というか、アドレナリンが出まくりますね。もちろん仕事ですが、お金のためではなく、良いものを伝えたいと思っている人たちが集まってくれています。私自身も、自分の使命は伝えることだと思っていて。そういう気持ちが一体となり、共感できるのは心底嬉しいですし、やっていて良かったと思えますね。それが実際にお客様の目に触れ、買ってくれる人がどんどん増えていくことが更なる喜びです。お客様からコメントも頂くのですが、「元気をもらいました」「メイクが好きになりました」などと言われると、ガッツポーズで自分でも最高の笑顔になれていると思います!

――入社7年目とのことですが、入社したときはどんな5年後、10年後を想像していましたか?

全く想像できていませんでしたね。想像する暇がなかった、と言った方が正しいかもしれません。今の会社に入る前はPR会社にいたのですが、いくつものブランドを忙しく担当していたので、愛情が注ぎきれないこともありました。そこに何年も切なさを感じながら、毎晩のように飲み歩き、身体もボロボロになってしまって(笑)。そんなときに出合ったのが、オーガニックコスメだったんです。ボロボロだった私を癒してくれた存在。そこから勉強し、今の会社に入ってブランドを手がけるまでになりました。まさかこんなに2ブランドが成長するとは、思ってもいませんでした。ブランドを始めるときは、当時の社長に「こんなブランドを立ち上げよう、絶対にヒットする!」という話しをよくしていました。それは今でも一緒。良い意味で無知なところを利用して、大きいことを言っています(笑)。普通だったら言えないことも、言えちゃうキャラクターだと自分でも思っていて。怖じ気づかずに言うことがポリシーでもあります。そうやって自分にプレッシャーをかけながら、有言実行できる人でありたいと思っています。

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(Photo by Yuuko Konagai)

――最後に、田上さんの夢とは?

理想は、極限までシンプルな自分を保つ生活をしていること。不安を感じることもよくありますが、それは自分の理想と現実のギャップに気が付くからだと思います。自分で自分を理解しているようで理解できていないことってありますよね。でもリトリートの旅はもちろん、いろんな方と話したりしながら、少しずつ自分が見えてきた気がしています。約37年生きてきて、自分という人間がだいぶ腑に落ちてきた。だからこの先何をしていても良いけど、リリースされたシンプルな自分でいれたらなと思っています。
今は伝えるために、手段として仕事をしているけど、自然のある場所で家にソーラーパネルがあって…なんていう生活ができたら本望ですね(笑)。

リトリートやヨガ、瞑想…「自分と向き合い、見つめることは、趣味みたいなもの」と笑った田上さん。スピリチュアルな話をし始めると止まらない。自分を解放してくれるそれらの時間があるからこそ、仕事でも輝けるのではないだろうか。日々忙しく働きながら、どんなときも笑顔で美しくあることは、実は至難の業と言えるだろう。彼女のブランドが掲げる、女性の“奥ゆき”は、もちろんメイクだけで完成するものではない。彼女のような考え方、生き方そのものがあってこそ、そんなメイクが似合うようになるのだろう。

田上 陽子/Yoko Tagami(Instagram:yokotagami
PR会社に勤務し、数多くの美容系クライアントを担当した後、2013年にオーガニックビューティーブランド「F organics」を立ち上げ、商品開発からPRまで幅広く手掛ける。2016年には、天然由来成分をベースに、先進テクノロジーを用いたスキンケアラインと、洗練モードを追求したメイクアップラインを揃える新ブランド「Celvoke」をスタート。現在は、2ブランドのディレクターとして活躍する。

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Interview:Sahoko Seki
Photo:Yuuko Konagai



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