環境活動家・養蜂家のハニーさんインタビュー|「わたしたちが美しく健康になれば自然が喜ぶ」その理由

 環境活動家・養蜂家のハニーさんインタビュー|「わたしたちが美しく健康になれば自然が喜ぶ」その理由
一般社団法人ハニーファーム

大自然に囲まれると体も気持ちもふっと軽くなるという経験をしたことはありませんか?”自然にはわたしたちを癒やす力がある”ということはいくつかの研究で明らかになっています。なぜ自然はわたしたちを癒やしてくれるのでしょうか?その疑問の答えに近づくため、一般社団法人ハニーファーム 代表理事 養蜂家・環境活動家の"ハニーさん"こと船橋 康貴さんにお話を伺うことにしました。

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ハニービーセラピーとは?

—— ハニーさんの提供されているハニービーセラピーにとても興味があります。ハニービーセラピーとは、どんなことをするんですか?

ハニーさん: 参加者の方々がすることはミツバチの巣箱の前で寝転んでもらうことだけです。するとミツバチたちが巣箱から出てきて参加者の方々をドームのように包み込みます。ミツバチたちはその人の不調や乱れを感じている部位に集まり、そこへ振動を送り参加者を癒やしてくれるといったものです。

—— とても不思議な体験ですね。どのようにして生まれたんですか?

ハニーさん: 以前から養蜂場の中に入ると「気持ちが良くなるな」という感覚がありました。けれど、そこにはミツバチのブーンという羽の音だけがあるだけ。だからきっとそれは自分たちだけの感覚だと思っていたんです。

それがハニーファームを訪れたある方が「ここ(養蜂場)に入ると気持ちいい」とおっしゃられたんです。そこで直感が働いて、試しに外に出てもらったんです。すると「外に出ると普通に戻る」と言うものですから「これは何かあるのかもしれない」と思ったのが始まりです。

その後、実験をはじめました。以前からミツバチたちの動きを観察していてある仮説をたてていたので、ミツバチの巣箱の前に自分たちで寝転んでみました。すると、巣箱から出てきたミツバチたちが、僕たちの体の前にドームを作ったんです。通常であれば花蜜をとりに行ったり来たりするのがミツバチの仕事です。けれど、その大切な仕事を置いてミツバチたちは目の前の寝転んでいる人間の周りに集まり、その人を癒やそうとしているように見えました。しかも、1匹や2匹ではなくミツバチ全体が一致団結して。

繰り返し続けてみて気づいたことが、人間の体の外側にあると言われるわたしたちの目では見えない気の流れをミツバチたちはかき回しているかもしれないということです。そして実験を重ねて、どうやらミツバチたちは寝転んでいる人たちの弱っている部位や、慢性的な辛さを抱えている部位に振動を送っている傾向があることが分かってきました。

—— ミツバチたちは何もトレーニングを受けずにそうしたということですよね?

ハニーさん: そうですね。 僕はセラピーの前に巣箱に行って「今日も頼みますよ。よろしくね」と言います。そして、ミツバチの動きを眺めるようにしています。「見ていますよ」というふうに。これは多分すごく大事なことだと思っています。あとは、ミツバチたちがいつものように仕事をしてくれています。

—— ハニーさんとミツバチたちの間の信頼関係があってこそ成り立っているのかもしれませんね。

ハニーさん: ミツバチは、自分たちの園を荒らされると思うと巣を守るために自分の命と引き換えに攻撃をします。けれどミツバチたちが安心して仕事ができる振動を僕から送ることで、ミツバチも僕たちを信頼してくれます。

ハニービーセラピーを始めて6年たちますが、ミツバチに刺されたという参加者は一人もいません。それは、ミツバチたちにきちんと了解を得て「ちゃんと見ている」とサインを送っているからかもしれませんね。

一般社団法人ハニーファーム
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—— とてもシンプルなコミュニケーションですが、ハニーさんとミツバチの関係はとても深いように思います。

ハニーさん: 気にかけてもらえていると思うと安心感が生まれますよね。これは、ミツバチだけに関して言えることではありません。例えば、作物でもちゃんと愛情持って育てられた野菜や果物は美味しい。けれど、ちゃんと見てもらえていない野菜や果物は味が落ちてしまう。

また、人間関係でもそうですよね。結婚当初は「わたしのことを見ていてくれたのに、今は全然見てくれない!」と言って、そこからギクシャクした関係が始まってしまうなんてこともないですか?(笑)

それは自分自身に対してもそうです。自分が自分の体や心を二の次に、ちゃんと見てあげないと、病気になってしまいます。頑張らないといけない世界に生きてきたので、つい「それぐらいのことなら」と無理してしまうことが多いですよね。たくさんの人が自分をすっ飛ばして、周りのためにとか、”〇〇せねばらない”という世界にいます。けれどミツバチの世界にはそれがないんです。ミツバチも人間ももっと広く言えば自然界全体が一つなので。

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AUTHOR

桑子麻衣子

桑子麻衣子

1986年横浜生まれの物書き。2013年よりシンガポール在住。日本、シンガポールで教育業界営業職、人材紹介コンサルタント、ヨガインストラクター、アーユルヴェーダアドバイザーをする傍、自主運営でwebマガジンを立ち上げたのち物書きとして独立。趣味は、森林浴。



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