【整形外科医が考案】痛みが出やすい40代以降におすすめ！ヨガで「膝」が痛い人のためのワーク

40代以降は痛みが出る時期。いたわりながらヨガを続けて

腰や膝などの痛みを訴える、ヨガのインストラクターも多く訪れるという中村格子先生のクリニック。先生ご自身もヨガ実践者であり、痛みの治療だけでなく、どのようにヨガを続けていけばよいかの指導も行っています。 
「ヨガで体を痛める原因のひとつは、ヨガには過剰な可動域を求める動きが多いからです。たとえば、前屈の動きでは、腰椎の下部や仙腸関節の可動域を広げすぎてしまう場合があります」
無理のある動きが痛みとして表れてくるのが40代以降だといいます。年齢とともに体の柔軟性は落ち、特に女性の場合、更年期になり女性ホルモンが減少すると、加速するのだそう。
「ヨガでは股関節を開くポーズが多いのですが、股関節も年齢とともに開きにくくなります。合せきのポーズは膝が床につくのが理想と考え、膝を無理に押してしまうと、本来あまり回旋しないはずの膝関節を使うことになり、膝の内側半月板を痛めてしまうことも……。昔はできたのに、と無理な可動域を求めないことも大切です」
そもそも、関節は人によって骨の付き方が異なり、生まれもっての柔軟性が違うといいます。
「５年、10年やってできなければ、骨格上できにくいポーズだと考え、負荷をかけすぎないようにしましょう。完成形に憧れる気持ちはわかりますが、無理をして関節を痛めると、ヨガを続けられなくなってしまいます。ブロックやクッションなど補助具を使うことも考えるとよいでしょう」
では、痛みが出たら、どうしたらよいのでしょう？
「痛みはストップのサインです。特に、呼吸が止まるようなら要注意。痛みに体が抵抗して伸びない状態になっているため、いったん動きを中断し、今回紹介するチェックリストでどの動きが痛みを引き起こすのかを確認してみて。ご自身の痛みのタイプがわかったら、予防におすすめのワークを取り入れてみましょう。もし、痛みが長引くようなら、一度病院で診てもらうことをおすすめします」

ヨガを楽しむために気をつけたい体の変化

【40代～】体が硬くなり始める時期。変化を受け入れ、完成形を追い求めないように心掛けて。
【50代～】関節まわりのひずみが顕著に痛みとして表れてくる時期。筋肉を鍛えて関節を守って。

【腰が痛い】

腰痛は大きく３タイプに分けることができます。どの動作に痛みを感じるかで、必要なワークも変わります。

前屈すると痛い

前屈を伴うポーズで痛む場合は、腰椎の前側に問題がある可能性が。腰だけの前屈で腰椎をつぶさないよう、胸椎の可動域を広げて。

胸を丸めやすくするワーク

腰を動かさず胸だけを丸める
前屈で腰に痛みが出る人は、例えばキャット＆カウなどで背中を丸める際に胸が使えず、腰だけを丸めてしまい負担がかかっています。腰を固定し、直径20cmぐらいのエクササイズ用のボールや、クッションなどを使って胸を丸めるワークを行いましょう。

HOW TO
①仰向けになり、膝を立てて足を骨盤幅に開く。肩甲骨の下にボールを置く。頭を少し上げて手で支える。

②息を吸い、吐きながら肩甲骨でボールを押して胸を丸める。腰の位置は動かさず、みぞおちから起きるよう意識して。息を吸って吐きながら元に戻る。〈５～10回〉

POINT
NG：お尻が丸まり、恥骨が上がっていると、腰を使って起きている証拠。

教えてくれたのは…中村格子先生
Dr.KAKUKOスポーツクリニック院長。健やかで美しい体をつくる独自のエクササイズに定評がある。近著に『整形外科医がすすめる！一生スタスタ歩けるフリフリ体操』（学研プラス）。