【食べるだけでデトックス!?】苦みやアクを上手に取り入れよう!今が旬「春野菜」の賢い食べ方

 【食べるだけでデトックス!?】苦みやアクを上手に取り入れよう!今が旬「春野菜」の賢い食べ方
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半田葉子
半田葉子
2022-04-14
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(4)気を付けたい「苦味」「アク」とは

苦味で身体が冷える?

苦い食べ物の代表ともいえる「ゴーヤ」。ゴーヤは元来、真夏の暑い時期の沖縄の食べ物です。
苦味には老廃物を排出する作用がありますが、身体の熱を取る作用もあります。

また、摂り過ぎると肺や大腸に不調があらわれたり風邪をひきやすくなる傾向があります。

東洋医学では「苦」とのバランスをうまく取ってくれる五味は「辛」とされ、ねぎ・紫蘇・生姜・にんにく・胡椒・山椒など身体の巡りを良くする「薬味」の辛味が有効です。

薬味
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寒暖差の激しい春先は、毎日の気温の変化で自律神経も乱れがちです。気温差が不安定な時期ですので、春野菜と一緒に是非「辛」を摂ることをお勧めします。

苦味で失神?「イソチオシアネート」は要注意

「大根のすりおろしの絞り汁がからだに良い」と聞いたことはありませんか。

大根おろし
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脂の多い青魚や多くの料理の薬味に使われる大根おろし(大根おろしの汁)は「アミラーゼ」「ジアスターゼ」と呼ばれる消化酵素が多く含まれており、胃の働きを良くする作用や、血液をサラサラにする効能があります。

しかし大根に含まれる苦み成分である「イソチオシアネート」と呼ばれる苦み成分は、殺菌効果が高く、胃の粘膜を刺激してしまうため、空腹の胃や胃が弱い方、迷走神経反射など自律神経の弱い方が摂取してしまうと、激しい胃痛に襲われたり失神を招く恐れがあります。

イソチオシアネートは抗酸化作用がありがん予防動脈硬化予防排毒作用など身体に良い作用も多い物質ですが、大根に触れると手のかゆみが蕁麻疹が出たり、喉がイガイガしたり胃痛腹痛がおこる「大根アレルギー」症状が起こる方もいます。

「苦い=身体に良い」というイメージのまま、身体が受け付けていないのに無理に摂取することは危険ですので、苦味を自分が欲しているのか拒否しているのかを身体で感じて取ることも大切です。

苦味やアクを上手に取り入れましょう

苦み成分「イソチオシアネート」が含まれている主な野菜は「アブラナ科」の野菜です。

大根をはじめ、クレソン・からし(菜)・わさび(菜)などピリリとする野菜、水菜・小松菜・白菜・ブロッコリー・カリフラワー・かぶなどにも含まれています。

イソチオシアネートはすりおろしたり切ったり、野菜の細胞が壊された時に多く出ます。また、イソシアネートは加熱に弱いので苦手な方は調理方法で工夫してみましょう。

山菜やたけのこなど春野菜の「アク」には「シュウ酸」が含まれています。ほうれん草にも多く含まれている「シュウ酸」は結石や腹痛の原因となるため、糠や重曹などを用いて湯がくことでシュウ酸を取り除く必要があります。

ほうれん草
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また、「青酸(せいさん)といわれるアクも身体には悪く、青梅やじゃがいもの新芽や青い皮(食べるとピリピリします)に含まれています。肉を茹でた時のアクもあまり良くありません。それとは逆に、身体に良いアクもあります。

根菜類・芋類・豆類などのアクは抗酸化作用のある「ポリフェノール」「サポニン」が多く含まれ、身体をサビさせない作用や脂肪を流す作用があります。ポリフェノールやサポニンは水に溶けやすいため、根菜や芋や豆などを水にさらし過ぎは注意し、茹でた煮汁はそのまま調理することをお勧めします。

苦味に似た成分「アリシン」にも要注意

生の玉ねぎ・あさつき・にんにく・にらなどに含まれる「アリシン」には強い抗菌・殺菌力があり、気管支炎や風邪予防、食中毒を防ぐ薬味として古くから重宝されてきました。

しかしこの「アリシン」も「イソチオシアネート」同様、その効能が強いため、過剰摂取をすると胃腸内の善玉菌を殺してしまったり、胃腸障害を引き起こす原因となり、身体が弱っている時や自律神経が弱い方は失神に至るケースもあります。アリシン同様加熱に弱く、油と調理すると成分が分解されにくいため、生が苦手な方は油と一緒に加熱調理することをお勧めします。

(5)まとめ

「春野菜=苦味=デトックス」というイメージがありますが、調理法を間違えたり、身体が受け付けないのに無理に摂ろうとしたりすると逆効果なこともあります。

春野菜はしっかりアクを取る、自分の身体がどのくらい苦味を欲しているのか・美味しいと感じるのか、間違えた苦味を摂ってしまっていないかをしっかりと意識し、身体が喜ぶ「苦味」をうまく取り入れ春野菜を愉しみましょう。

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半田葉子

半田葉子

バウエル腸セラピスト/vegan菓子 [ 素果子|sugashi ] 店主 幼い頃から環境問題に興味を持つ。20代に心身のバランスを崩したことをきっかけに「からだに入れる選択」「免疫力」「心と身体のバランス」「出す力」の大切さに気づき、自然生活に活かせる食や腸を学びはじめる。会社員、自身のカフェでの菜食調理、地方veganカフェの立ち上げやメニュー提供、海外のオーガニック事情調査、腸講師などを経て、「からだ想いのお菓子を」とオンラインストア [ 素果子|sugashi ] を始動。お菓子作りを続ける傍ら、 長年のマクロビオティック生活と自身の経験や知識を活かし、個人の体質改善カウンセリング・腸マッサージの施術を行っている。InstagramID:kurashinotane_



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