「旬の食べものを食べる」ことが地球環境に優しいのはなぜ?【誰でもできるサステナブル】
「地球環境に優しいことがしたい」と思っても、難しく考えすぎてしまったり無理をして続かないことが多くあります。今回は5年間という短い期間ではありますがサステナブルな暮らしを研究してきた筆者が、”誰でも” "簡単に" できるサステナブルな活動として「旬の食材を食べる」ことをおすすめします。
旬の食材を食べることはどうして地球環境に優しい?
ハウス栽培など農業技術の向上また海外からの輸入などによって、スーパーマーケットには、季節を問わずあらゆる食材が並んでいます。好きな時に好きな食べものを食べることは、食欲を満たしてくれますが、実は様々な負担がかかっています。
例えば、輸送距離が遠ければ遠いほど、ガソリンや電気などエネルギーが使われていることは簡単に想像できますよね。これは、地球温暖化の原因にもなるCO2をたくさん排出することにつながります。
12月ごろからいちごが店頭に並ぶことが多いですが、実際のいちごの旬は5月。いちごは暖かい季節に育つ果物ですので、クリスマス時期のケーキの上に乗った大量のいちごは、暖房で温められたビニールハウスの中で栽培されたものです。
一方で、旬の食材は、わたしたちの住む場所に近いところでとれることも多いことから、輸送による二酸化炭素の排出を抑えてくれているともいえます。多くの人が旬の食材を選ぶようになれば、ハウス栽培で生産された季節外れの食材を栽培する必要性が低くなることも考えられます(ゼロになるのは難しいかもしれませんが)。
旬の食材は美味しく、その季節にわたしたちのカラダが必要としている栄養を与えてくれます。地域活性化や食の安全保障にも貢献することができるなど良いことづくめなのです。
季節の食材一覧をチェック!今旬の食べものは?
【1月】
- 野菜: ほうれん草、小松菜、大根、人参、れんこん、山いも、芽キャベツ
- 果物: オレンジ、はっさく、キウイ、きんかん
- 魚介: ぶり、マナガツオ、甘鯛、ヒラメ、鮭、タラ、ワカサギ、イカ、牡蠣
【2月】
- 野菜: 春菊、小松菜、大根、京菜、わけぎ、カリフラワー、ブロッコリー、カブ、ワサビ
- 果物: はっさく、いよかん
- 魚介: アンコウ、白魚、サヨリ、イワシ、カニ、タコ、帆立貝
【3月】
- 野菜: うど、からし菜、小松菜、春菊、あさつき、カブ、レタス
- 果物: はっさく、いよかん、さんぽうかん
- 魚介: ワカサギ、サワラ、サヨリ、コハダ、ニシン、サザエ、ハマグリ
【4月】
- 野菜: さやえんどう、竹の子、みつば、新じゃがいも、新ごぼう、ワラビ、ゼンマイ、木の芽、山うど
- 果物: はっさく、いよかん、夏みかん、いちご
- 魚介: 鯛、サバ、タチウオ、サヨリ、メバル、ニシン、トビウオ
【5月】
- 野菜; えんどう、新キャベツ、新玉ねぎ、アスパラガス、ふき、にら、たけのこ
- 果物: 夏みかん、いちご
- 魚介: 鯛、ハモ、カマス、タチウオ、イサキ、キス、カワハギ、カツオ、タコ
【6月】
- 野菜: じゃがいも、玉ねぎ、そら豆、ししとう、青じそ、さやいんげん
- 果物: 梅、ビワ、いちご、夏みかん、サクランボ、クワ、ユスラウメ、グミ
- 魚介: ハマチ、アナゴ、カマス、タチウオ、スズキ、ハモ、アユ、アイナメ、シタビラメ
【7月】
- 野菜: きゅうり、トマト、なす、ピーマン、かぼちゃ、ししとう、おくら、 とうもろこし、みょうが、モロヘイヤ、えだまめ
- 果物: 桃、プラム、スイカ、サクランボ
- 魚介: ハモ、タチウオ、シマアジ、カマス、スズキ、ウナギ、アユ、イワナ
【8月】
- 野菜: きゅうり、トマト、なす、ピーマン、かぼちゃ、ししとう、おくら、とうもろこし、にがうり、えだまめ、いんげん、とうがん、白うり
- 果物: スイカ、ナシ、ぶどう
- 魚介: イワシ、アナゴ、スズキ、クロダイ、アワビ
【9月】
- 野菜: かぼちゃ、里いも、とうがん、新しょうが、なす、ずいき
- 果物: ぶどう、ナシ、ザクロ、リンゴ、いちじく、栗
- 魚介: イワシ、サンマ、アジ、サバ、
【10月】
- 野菜:大根、白菜、人参、里いも、さつまいも、落花生、きのこ
- 果物: リンゴ、柿、栗、ナシ、ブドウ
- 魚介: サワラ、サバ、イワシ、サンマ、ハゼ、アマダイ
【11月】
- 野菜: 白菜、ごぼう、カブ、春菊、ほうれん草、長ねぎ
- 果物: リンゴ、栗、ナシ、柿、みかん
- 魚介: カレイ、サワラ、カワハギ、サンマ、サケ
【12月】
- 野菜: 白菜、大根、カブ、ねぎ、れんこん、山いも、ほうれん草
- 果物: リンゴ、みかん、柿、レモン
- 魚介: タラ、ブリ、アンコウ、サワラ、牡蠣、フグ
食事は命を循環させること
日本語の「いただきます」という言葉の意味には、二つあると言われています。
一つ目は、食事に携わってくれた方々への感謝。料理を作ってくれた方、野菜を作ってくれた生産者の方、魚を獲ってくれた方など、わたしたちのカラダや心を作ってくれる食事に携わってくれた方々へ感謝の気持ちを表しています。
二つ目は、食材への感謝。お肉やお魚はもちろんのこと、野菜や果物にも命があると考え「あなたの命を私の命にさせていただきます」とそれぞれの食材に感謝していると考えられています。
わたしち人間の命は、他の労働があり他の命をいただいて成り立っています。そう考えると、食事をするということは、命を循環させることなのかもしれません。不自然に生産された食材というのは、地球環境にとっても、わたしたちのカラダや心にも不自然ということになるのだと思います。
ぜひ、今日から食卓を季節の食材で彩ってみてはいかがでしょうか。
AUTHOR
桑子麻衣子
1986年横浜生まれの物書き。2013年よりシンガポール在住。日本、シンガポールで教育業界営業職、人材紹介コンサルタント、ヨガインストラクター、アーユルヴェーダアドバイザーをする傍、自主運営でwebマガジンを立ち上げたのち物書きとして独立。趣味は、森林浴。
- SHARE:
- X(旧twitter)
- LINE
- noteで書く