「ハンディキャップは苦しみではない」自身の失読症について語ったマヤ・ホークの思い

 「ハンディキャップは苦しみではない」自身の失読症について語ったマヤ・ホークの思い
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長坂陽子
長坂陽子
2022-02-07

日本の芸能界同様、ハリウッドも2世セレブたちが活躍している。そんな中でも特に目覚ましい活躍を見せているのがマヤ・ホーク。イーサン・ホークとユマ・サーマンを両親に持ち幼少時代からマスコミの注目を集めてきた彼女は モデルとしてデビューした後、俳優に転身。ドラマ「ストレンジャー・シングス」や映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』などに出演している。確かな演技力が評価され、今では2世セレブとは言わせないほどのキャリアを築いている。

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順調そのものに見えるマヤだけれど彼女にはハンディキャップがある。それは失読症。2020年、あるラジオで失読症について語って注目を集めた。失読症とは「文字の読み書きに困難がある疾患」。一般的には障がいと捉えられがちだがマヤの受け止め方は違う。

司会者から「失読症に苦しんでいるそうですね」と聞かれたマヤは「苦しんでいるとは言いたくない。むしろいろいろな意味で私の人生にもたらされた素晴らしい恵みの1つだと思う」とポジティブに回答している。

マヤ曰く「子どもの頃は文字が読めないという理由で学校から追い出されたこともあった。だから私は学習障がいのある子どもたちのための特別学校に通ったんだ。読み方を覚えるまでにはものすごく時間がかかったし、今でも読む能力には制限がある」。演じるときには脚本を覚え、ときには小説や論文に読み込み、準備をするのが必須。読む能力は仕事に欠かせないが、制限されたことでかえって演じることに興味や情熱を持ったと語る。「今の社会の素晴らしいところはたくさんの選択肢があること。私はストーリーを作り、入り込んでいく能力が制限されていた。でもそのことがあったから私はストーリーを作ることを愛し、理解し、その中で大人になっていくよう運命づけた」。

マヤは「進度が遅いクラスにいるのはとてもつらいことだった。進級するにつれて読解のクラスは下に下がっていくの。他の子たちにもそれがわかってしまう。いじめもあった。でも私の両親が応援してくれたからクリエイティブになることができた」とも。ハンディキャップを苦しみではなく恵みと捉える彼女の姿勢は勇気と新たな視点を与えてくれる。

イーサン・ホーク
父イーサン ・ホークとのツーショット。photo by Getty Images

 

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長坂陽子

長坂陽子

ライター&翻訳者。ハリウッド女優、シンガーからロイヤルファミリー、アメリカ政治界注目の女性政治家まで世界のセレブの動向を追う。女性をエンパワメントしてくれるセレブが特に好き。著書に「Be yourself あなたのままでいられる80の言葉」(メディアソフト)など。



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