深刻な摂食障害だったことを明かしたエマ・トンプソンの娘ガイア、SNSを通じて伝えたかったことは

イギリスを代表する俳優エマ・トンプソン。アカデミー賞主演女優賞を受賞した主演作『ハワーズ・エンド』はもちろん脇役を演じた『ラブ・アクチュアリー』『ハリー・ポッター』シリーズや『クルエラ』など多くの作品で存在感を発揮。演劇界への貢献を認められ大英帝国勲章も受賞している。プライベートでは映画『いつか晴れた日に』で共演した俳優のグレッグ・ワイズと結婚、2児をもうけている。

その彼女が2017年にしていた摂食障害に関する発言が改めて注目を集めている。エマは「男の子でも女の子でもただ食べない子どもたちや、女優たちがたくさんいる。ときには口を出さなくてはいけない深刻な場合もある」とコメントしていた。

16歳で摂食障害を発症して

注目を集めているのは、当時彼女の娘のガイアが深刻な摂食障害だったことが明らかになったから。ガイア自ら告白したことで発覚した。絵に描いたような順調なキャリア、幸せな家庭を築いていたように見えたエマ一家がみんなでこの病と向き合い、苦しい日々を送っていたことが驚きを持って受け止められている。

ガイアは現在21歳。16歳で摂食障害を発症した。一時期は痩せすぎてお尻の骨が椅子に当たって痛く座ることすらできなかったという。2017年にリハビリ施設に入りようやく病を告白できるまで回復した。そして今同じ病気で苦しんでいる人の助けになるかもしれないとマスコミやSNSを通じて自分の経験を語っている。最近も新聞「サン」のインタビューで「（摂食障害を克服するのに）大切なのは自分を許すこと。自分に優しくすること。摂食障害に完治という言葉はない。再発してしまった場合には自分に対する思いやりを持つことが一番大切だ」と語っている。もう1つ大切なのは「周りの人に正直になること。そして拒食症であることも治すことも恥だと思わないでほしい。治療は完璧にあなたのためになるということを忘れないで」とアドバイスする。

ガイアも最初は両親に隠し続けていたという。「摂食障害になると周りの人を上手に騙すようになる。変なのは自分ではなく周りだと思わせるのが得意になる。私も両親から『あなた、午前3時にエクササイズしていたでしょう？　音が聞こえた』と言われたことがある。私は『そんなことない。ただ家がきしんでいただけ。私は寝ていた』って答えていた」。過剰なまでにエクササイズしてしまうのも摂食障害の症状の1つだと言われている。

摂食障害は「真面目でいい子」「努力家の優等生」がなりやすいとも言われている。もちろんそういった事例だけではないがガイアもこの「優等生」に当てはまっていたと自分で分析している。「私は問題を起こしたくなかった。すべてをコンロトールしたかった。私は痩せることにだけ専念したの。他のことを考える時間はなかった。自分で管理できないことは全て頭から締め出していた」。人間関係など自分の力だけではどうにもならないものたくさんある中、体重だけは自分の力でコントロールできる。それがガイアにとっては救いになったという。

ガイアがSNSにシェアした「健康な体型への変化」

ガイアはインスタグラムに過去と今の体型を並べて披露。「たくさんの人がこの数年間で、特にロックダウンの間の成果として体の変化をSNSに投稿している。私が見たのは減量した事例が多いけれど私はそれとはちょっと違うものをシェアしたい。拒食症の体から健康な体型への変化よ」「摂食障害は人間がかかる最も致命的な精神疾患。最初の写真を撮ってから今までの間で最大の変化は実家を出て自分のアパートで暮らし始めたこと」。自立した生活を送れるようになることは回復のゴールの1つだと言われている。ここまで治すことができたのは周囲の多くの人の助けがあったおかげだとも。母エマや父のグレッグと一緒にファミリーセラピーを受けたことが大きな助けになったと語る。

▼ガイアがシェアしたインスタグラムの投稿

摂食障害はもちろんメンタルヘルスの問題は1人では解決できないことだとガイア。心の健康がますます重視される中、お互いをケアしあう大切さを改めて考えたい。