健康のための4つの柱 : アーユルヴェーダが推奨する、更年期障害の症状を緩和するための方法

 健康のための4つの柱 : アーユルヴェーダが推奨する、更年期障害の症状を緩和するための方法
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何千人もの健康を取り戻し、依存症や摂食障害、自律神経失調症をはじめとする数々の問題を克服するのを支えてきたマイラ・リューイン氏。強さと健康を維持するために心がけるべきことについて教えてくれました。

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なぜ更年期障害の症状が出るのか?

アーユルヴェーダでは、更年期は女性の人生における自然でスムーズなゆらぎの時期と考えられています。

しかし、心と身体のバランスが崩れ、心身が弱っていると、この移行がスムーズにいきません。その結果、多くの女性が、ほてり、体重増加、イライラ、落ち込みなどの症状を経験します。 アーユルヴェーダでは、健康は消化(アグニ)から始まると考えています。アグニとは、食べ物や物事を消化するエネルギーのを表しています。生活習慣や食生活の乱れ、過労、ストレス、睡眠障害、エネルギーの不適切な使用など、すべてがアグニを弱め、更年期障害の症状を悪化させる原因となるのです。

だからこそ、アーユルヴェーダやヨガの実践によって心身のバランスを整えることが大切なのです。

アーユルヴェーダはどのようにしてバランスを整えるのか?

アーユルヴェーダでは、バランスを整えるために、「アハーラ(食生活)」「ヴィハーラ(ライフスタイル)」「ニドラ(睡眠)「ブラフマチャリヤ(エネルギーの適切な管理)」という健康の4つの柱を挙げています。これらは、テーブルの4本の脚に似ています。私たちがバランスを維持し、支えられていると感じるためには、4本の柱が必要なのです。

アハーラ

1つ目の柱は、アハーラ(食生活)です。私たちが食べるものは、健康とバランスの維持に大きな役割を果たします。ホルモンバランスを保つには、バランスのとれた食事が大切です。消化管の内腔の健康は、ホルモンの適切な分泌と機能につながっています。消化が乱れると、ホルモンが正常に分泌されず、更年期障害の症状を生み出すのです。アーユルヴェーダでは、自然に最も近く、プラーナ(生命力)に満ちた、オーガニックで新鮮な食材を食べることを勧めます。

ヴィハーラ

2つ目の柱は、ヴィハーラ(ライフスタイル)です。アーユルヴェーダでは、日課(ディナチャリア)や季節ごとの習慣(リトゥチャリアといいます)を決めて、一日や季節の自然なリズムに従うことを推奨しています。シンプルな生活習慣を保つことで、一日の出来事に追われるのではなく、一日を自分で管理できるようになります。一日の自然のリズムに沿って行動すること、一貫性のあるスケジュールを組むことが、活力や免疫力にとって、最適な健康と幸福をサポートします。

ニドラ

3つ目の柱は、ニドラ(睡眠)です。ストレスや疲れがたまると、食べ物や物事を消化する能力も低下し、代謝毒素が発生して、バランスの乱れや病気につながります。私たちの多くは、7〜9時間程度の良質な睡眠が適切です。特に、午後10時から午前2時の間に眠ることで、心身の癒しと回復が促進され、ホルモンが生成されます。

ブラフマチャリャ

4つ目の柱は、エネルギーを適切に管理する「ブラフマチャリャ」です。私たちは日常生活において、食べ物、テレビ、会話など、五感を通して様々なものを摂取しています。このことを意識しないでいると、エネルギーの使い方を間違えて自分を消耗させてしまいます。例えば、コントロールできないものをコントロールしようとすると、疲れてしまいます。また、更年期の症状としてよく言われる、疲れや倦怠感、憂うつなどの原因にもなります。ブラフマチャリャとは、自分のエネルギーを、自分にとって最も大切なことに使うように、人生に対するアプローチを変えることです。

アーユルヴェーダが勧める、更年期障害の症状を和らげる方法とは?

アハーラ

加工された食品やパッケージ化された食品、オーガニックでない食品、化学添加物、辛くてスパイシーな食べ物やコーヒーなどのカフェイン、精製糖は避けましょう。これらは腸内環境を乱し、ホルモンバランスを崩すことがあります。調理したての、バランスのとれた料理を大切にしましょう。

ヴィハーラ

自分の日常生活とそれに対する態度を振り返ってみましょう。あなたは自分を甘やかしすぎていますか?それとも自分に厳しすぎますか?どんなに健康的な食事やライフスタイルにこだわっても、自分の態度が調和が保たれ平穏でなければ、大きな変化は望めません。何かがつらいと感じたら、視点を変えて、安らぎをもたらすものに焦点を当ててみましょう。

ニドラ

質の良い睡眠を促すために、朝は6時前に起床し、日中は15分以上の日光を浴び、夜10時前には寝ましょう。カフェインや電子機器などの刺激物は、睡眠の妨げになるので避けましょう。

ブラフマチャリャ

毎日の行動を振り返って、それぞれが心身にどのような影響を与えているかを考えてみてください。あなたは、自分のエネルギーを何に使っていますか?最もエネルギーを消耗するものは何ですか?あなたの人生における、優先順位は何ですか?何があなたを最も元気づけますか?あなたは自分のエネルギーをどのように活用したいですか?私たちは自分の行動に責任があり、自分にとって何がベストかを選択する力を持っています。

おわりに

更年期は、女性の人生において重要な節目です。健康の4つの柱である食事、ライフスタイル、睡眠、エネルギーの意識的な管理は、私たちの心身の健康に欠かせません。アーユルヴェーダとヨガは、しっかりと土台を築くことで、活力と健康が維持できることを教えてくれます。私たちが、人生を最大限に楽しむためのツールを与えてくれるのです。

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マイラ・リューイン

マイラ・リューイン

アーユルヴェーダとヨガを30年以上学び実践する。何千人ものクライアントが本来の自然なバランスのとれた健康を取り戻し、依存症や摂食障害、自律神経失調症をはじめとする数々の問題を克服するのを支えてきた。バリを拠点とするHale Pule アーユルヴェーダ & ヨガの創設者・代表として、この2つの変容の科学を学び癒しを得るための幅広い機会を提供する。その内容は、アーユルヴェーダ・ヘルス・コンサルテーションからヨガ・アーユルヴェーダ指導者養成コースにいたるまで多岐にわたる。栄養学とアーユルヴェーダの2方面からコンディションづくりをサポートする食事と、ヨガのクラスが愉しめる今最も注目のコンセプトショップ「THE_B」にて、アーユルヴェーダメニューを監修。



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